「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
IYH!!


Campagnolo"Athena" Silver Groupset

 ・・・・・・やらかしちまった!
 2ちゃんねるで言うところの「IYH!」「イヤッホウ!」っちゅうヤツだ。大散財のコトだ。

 何かっちゅうと、30年以上の時を隔てて金満号U世に手を出してしまったのである。総額で一体全体いくらになるのか、まぁ、ハイエンドのカーボンフレームでもなく、神をも畏れぬスーレコ仕様でもないんで、そんなバカみたいな200万オーバーとかではないけれど、それでも50万はヨユーで超えそうである。WiggleやBellatiといった海外通販でセコセコ・チマチマ割安に買って何とか総コストの抑制に努めたから、そんなムチャクチャにオーバーはしてないだろうけど、結構な単車が買えるくらいの散財をやらかすことになる。

 ・・・・・・ってーか、まだパーツが全部揃ってなかったりして(笑)。どうにもサドルとシートポストでいいのが見付からないのだ。

 ここに発注した数々を書き出してみよう。分からない人には何のコトかサッパリ分からない内容なんで、テキトーに読み飛ばしてください。

 ●フレームはヒ・ミ・ツ♪まぁスチールですよ、鉄ですよ。細いっすよ。
 ●グループセットはCampagnoloの”Athena”のシルバーセット・・・・・・古風なルックスには今やこれしかない定番品。
 ●ホイールも当然Campagnoloで”Zonda”・・・・・・ボーラやハイペロンをポチろうとして流石に正気に返った(笑)。
 ●ヘッドセットもまたCampagnoloで”Record”・・・・・・ワイヤ類も同じく”Record”。
 ●ステムは古風に纏める際の定番、Deda Elementiの”Murex”。
 ●ハンドルも定番中の定番、Cinelliの”Giro D’Italia 64”、今ではすっかり少なくなったマースタイプ。
 ●タイヤは今のに履いてみてとても具合のいいMichelinの”Pro4”・・・・・・おれ的にVittoriaはどうにも印象良くない。
 ●チューブは同じくMichelinのラテックス。乗り心地は極上だが、1日1Barづつ空気が抜けると言われる問題作。

 ・・・・・・で、決まってないのが上述の通りサドルとシートポスト、それにペダル。まぁ、ペダルはフツーにシマノのSPDにするかも知れない(笑)。後はボトルケージやらバーテープ、灯火類、ホルダー等の小物類ってトコだけど、ズラッと列挙したメインのブツのあれこれの価格からしたら、まぁタダ同然の可愛いモンである。あれ!?BBはグループセットに含まれてたっけ?それにしてもこうして見ると、ロードバイクの部品点数ってムチャクチャ少ないよね。

 しっかし、いろいろ勿体ぶって書いたけどこの仕様、「如何にも小金持ちのオッサンにありがちなパーツチョイス」っちゅうヤツですね。定石と言えば聞こえは良いが、単なる型にハマりまくったスタイル。イマジネーションも工夫もゼロ。そうなるとポストはMicheかな?(笑)

 実はフレームまで海外から個人輸入すれば軽く10万円は安くなるとは申せ(・・・・・・んっと、どんな値付けしてんだよ!?輸入代理店って!?)、何せアバウトな外人さんのやることだけにパイプ内の処理やエンド周りの歪み等に不安がある。なもんで、ここはかなり無理して奮発して国内の正規ルート品にした。タップ切りやリーマー掛け、芯出しがちゃんと自分でやれるんなら買っても良かったんだけど、そもそもそんな道具持ってないし、大体ショップでも今どきそこまでキチンと出来る保証はないんで、安全策っちゅうワケやね。

 ホイールにしたってリムにMavicの”Reflex”やらAmbrosioの”Montreal”といったあたりとカンパハブを使って手組のチューブラーに仕立てることも考えたんだけど、これも今どきキチンと組める店は少なくなっている。しなやかさが身上の手組みのハズがスポーク無闇にカンカンに張られてパキンパキンに切れまくっては堪らない。それに古典的なスチールフレームにロープロファイルリムとチューブラーなんていささかヤリ過ぎ感横溢でクサいし、やっぱしタイヤの張り替えめんどくさいし・・・・・・ってんで素直に今風の完組クリンチャーホイールにしたのだった。そうそう、最近リニューアルされたSiroccoの35mmハイトのリムも魅力的だったが、何故かコイツは戦略的な値付けに変更されたことで、今後おそらくあちこちで見かけるようになること必至なので、ここは敢えてZonda。いっそEurusとかShamalにしときゃ良かったかな?

 ぶっちゃけ今は円が下がってこんなことになってしまったが、10年ほど前なら40万ちょぼちょぼくらいで揃えることができたのではなかろうか。でも、さらに昔、1ドル360円とかの時代なら100万円は下らなかっただろう。通貨レートってホントにワケ分からんよね。

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 ワハハ、ともあれフルカンパですわ。おれがチャリに興味を持ち始めた頃は、夢のまた夢のフルカンパ。たしかに初代金満号にもカンパを組み込んでたけれど、「フル」ではなかった。

 正直、カンパニョーロがそんなに性能に優れてるのかっちゅうと、ぶっちゃけかなりショボかったりする、っちゅうのが忌憚のない客観的な印象だ。変速機は何だかグニャッとして節度感に乏しいし、精度もさほどではない。なのにとにかく値段が高い。アテナ、ったって実はグレードからすりゃ105どころかティアグラクラス(ヴェローチェはソラくらい)だと思うが、国内での価格差は三倍くらい開きがある。唯一良いな、って思うのはホイールくらいだろうか。これは過去にもちょっと触れてるけど、コストパフォーマンスで考えるとシマノ製品は世界一だろう。

 ・・・・・・では何が優れてるか?ドヤ顔できるブランドステータスはひとまず横に置いといて、やはりそのデザインセンスには大いに括目すべきものがあると思う。かつての自動車ホイール(テクノマグネシオは元はカンパの自動車パーツ部門だった)の時代から何か7に対して拘りでもあるのか、独特の3本一組のスポークが7方向に広がったG3っちゅうホイールのカッコ良さ。性能的には絶対大きくした方がいいのに、昔ながらのサイズに拘ったブラケットレバー、繊細なブレーキキャリパー(その分、利きは悪いんだけど)やクランク回り・・・・・・こぉいったセンスはホント卓越してると思う。
 決してシマノがダメと言いたいのではない。地味極まりないホイールはもうちょっと色気あっても良いように思うくらいで、世間的には不評のカブトガニクランクにしたっておれはかなり好きだったりするし、耐久性の観点からだと思うが、安易にカーボンに走らずジュラルミンに拘ってたり、ハブをいたずらに超軽量化したりしないのも見識だろう。好感が持てる。
 要は両社の目指す方向性が違うのだと思う。機能を突き詰めてった先にデザインが付いて来ると言いたげなシマノに対し、デザインの果てに機能が具備されると言いたげなカンパ、って感じだろうか。

 今回はしかし、おれはIYHなのである。金銭感覚は殆ど麻痺、怒涛の崩壊なのだ。機能一点張りで鉄っちゅうんなら、アンカーのネオコやパナモリのフレーム選んでアルテ組みにでもすれば、おそらく値段は半分くらいに収まってたろう。しかも得られる性能は間違いなく今回の金満号U世を凌ぐ。ランニングコストだって安い・・・・・・んなこたぁ分かっとる、っちゅうねん!それでもやらかしちゃったのだ。それは腕時計や楽器選びと同じなのである。そこにヴァニティが介在したって全然構わないのだ。

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 さてさて、多分2ヶ月以内くらいにあちこちからパーツは届き、チャリは組み上がると思う。どんな乗り方をしよう?アッちゅう間にフレームのコシが抜けてヘタるくらいにガシガシに乗り倒すのも一興だが、余りに勿体なくて酔狂が過ぎるってモンだろうし、それぢゃ今のが遊休化して浮いてしまう。これはこれでワークホースとしてはとても良くできたチャリなので手放したくはない。かといって所有する歓びだけの「床の間」にするのもイヤだ。

 まぁ、結局は今どきのジジィランドナー乗りみたいになっちゃうんだろうなぁ〜。あと、ミニヴェロでゆるポタとか抜かしてる連中とかさ。御近所探検みたく、家の周囲をチンタラ走って、能書きやら薀蓄垂れては蕎麦だのカフェーでランチだのと時間ツブすような(笑)・・・・・・サイテーやとは思うけど、まぁトシ相応なんだろう、それもまた。


Campagnolo "Zonda"・・・・・・前後で微妙にリムハイトが異なるのがミソ。


意外なことにこの形のコルク抜きの元祖もCampagnoloだったりする。

2014.05.10

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