「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
何でもエエやんか・・・・・・たかが自転車やろ

 
同じジャイアントで犬猿の仲のロードとクロスを並べてみました・・・・・・一言、大差なし!!(笑)。

 ロードバイクに対して羨望を抱く人が多いのと同じくらい、ロードバイクに対して反感を抱く人もどうやら世の中にはひじょうに多いらしい。2ちゃん見ると、いくつものスレが立って飽きることなく延々と悪口雑言の限りを尽くしたけなし合いの応酬が続いている。実にバカバカしくてとても付き合う気にはなれないが、見てる分にはかなり可笑しい。

 ちなみにロード乗りは「ローディー」と呼ばれている。現実社会においてホントにそう呼ばれてるのかどうかは知らない・・・・・・っちゅうか、これまでついぞ耳にしたことがない。ちなみにおれはオールドタイマーだから、「ローディー」っちゅうとどうしてもコンサートでPAやアンプ類を運んだりセットしたりしてくれる雑用係のオニーサンたちのことを想像してしまうのだけど。

 さて、件の2ちゃんでローディー、ことロード乗りが揶揄されてるのは畢竟、以下のような点に整理できるように思う。

    ● 乗る人の恰好が珍妙である
    ● 自転車に実用性がないし危険だ
    ● マナーが悪い
    ● 性格が悪い

 たったこれだけのことを叩かんがために手を変え品を変え日がな一日やってるんだから、フツーに考えたってその執念をもちょっと活動的なことに使やぁエエのに、と思ってしまうよね。

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 おれはロードに乗ってるからアンチロードな人たちからは叩かれる存在なのだろうが、これらの指摘に別に血相変えて反論する気はない。世の中色んな人がいて、どんなけ理を尽くしたって聞く耳持たないどころか余計に自説の殻に閉じこもる頑迷固陋な人もいるし、実際おれだってロード乗ってる人のあのユニフォームは珍妙だと思うし、それにま〜、おれ自身のマナーと性格は他人様に自慢できるようなモンぢゃさらさらないし(笑)。

 ただ、実用性云々については、それを批判する人って実は全く経験がないまま憶測や仄聞だけで言ってるんだろうなぁ〜、とは思う。そのような発言はやはり偏見だわな。

 たとえばドロップハンドル。実はコレ、別にロードだけの専売特許ぢゃなく、ランドナーだってスポルティフだってシクロクロスだってこのハンドル使うのだけど、それは見た目のワケの分からなさとは裏腹にとても楽で安全な代物だからだ。つまり合理的なのである。何せポジションの自由度がひじょうに高いから、とにかく疲れにくい。それに一番下を握ることなんてめったにない。もし、読んでる諸兄の中におらぁドロップハンドルの下を握ることが殆どだって言う人がいたら、それはおそらく競輪選手か、あるいは根本的にポジションの出し方を間違えてる人だと思う。下なんて思いっきり引きつけながら力入れて漕ぐときくらいしか使わない。通常、軽く流すときはは順手で手前のまっすぐな部分、もしくは逆手で前方に向かってカーブした部分、もちょっと力が入ればブラケット(レバーの上)あたりを握るものなのだ。それで行程の95%はイケる。急ブレーキも問題ない。

 またたとえば固定ペダル。最近はSPDなんてベンリなものができた。使ってみて余りの快適さにおれは驚き、感動した。昔のスリッパみたいなんと較べると隔世の感がある。
 ・・・・・・で、これが「固定」っちゅう字面だけで、すぐに外れないから危ないだのと何だのと言われるが、実はこれがすぐに外れる。何が固定なもんか(笑)。スキーのビンディングなんかよりはるかに容易に外れる。ペダルの面に対して垂直の力には外れないけど、左右の力にはポロっと取れる(・・・・・・ように作ってあるんだからそらそやわな、笑)。
 固定されるメリットは個人的には引き足がどうのこうの、っちゅうより足が滑ったりしないのと、快適ってコトだ。おれは裏返すとフツーの靴でも乗れるペダルにしたが、結局固定してた方がラクなので、いつの間にか専用シューズばっかりになってしまった。

 さらにたとえば細いタイヤ。たしかに細い。何かウィンナーくらいしかないのは事実で、見るからにパンクしやすそうだし重量にも耐えなさそうだ。だから見た目で判断されてるんだと思うが、若干のコツは必要なものの別に歩道の段差だって行けるし、滅多にパンクなんてしない・・・・・・って、実はあまりエラそうにおれも言えない。太い方が安心って思ってたのだから。
 元々ランドナー好きだったから、太いタイヤはなんだか強そうで一種の憧れであったのだ。中学の時、ブリヂストンのユーラシアっちゅうのを買ってもらって唯一不満だったのも、タイヤサイズが1−3/8ってサイズだったってことだ。フジのオリンピックとかシルクキャンピングとかナショナルのサイクラー15なんてカバンが4つも付いたヤツは、どれもワンサイズ太い1−1/2ってーのを履いてて、それがめちゃくちゃカッコよく見えたのである。
 だから昨年ロード買った時も700×23Cの細さに最初はドン引きで、何度も店員に自分の体重で大丈夫かどうか繰り返したもん(笑)。ま、結果は全くの杞憂だったけどね。

 荷物については・・・・・・あ〜も〜めんどくさくなってきたな。結論だけ書くと、ちょっとした買い物程度なら全然不自由しません。現におれは2〜30km離れた田舎の無人売店で野菜類を買ってきたりしてる。

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 だからってロードを誰彼に勧めようとか、啓蒙しようって気はない。おれの場合、たまたま店頭で法外に値引きしたのを見つけたらそれがロードだった、ってだけだ。そしたらその軽快さに開眼して大好きになってしまった・・・・・・と。つまり指名買いでロード買ったワケではない。
 こぉ言っちゃうとミもフタもないけど、実は「2本の脚で漕いで前に進む愉しさ」ってコトではママチャリもロードバイクも、歩くことや単車・クルマに乗ることからの懸隔を考えればそんなに大差ないのである。ましてや、ロード・シクロクロス・フラットバーロード・クロスバイク・MTB・BMX・・・・・・な〜んて、あらゆる趣味につきもののカテゴリの細分化に過ぎない。ほとんどハンドル形状の差だけ、ってのもある。知らない人・興味のない人にはどぉだっていい違いだろうと思う。

 問題はチャリは一方で確固たる実用の道具でもあって、必ずしも趣味の道具ではない、ってコトだろう。オマケにクルマやバイクに較べると免許が必要ない上に、価格的にも安いヤツは法外に安いから、極めて敷居が低い。片言の3歳児でもちょっとボケた80過ぎの老人でも、フリーターとかニートと呼ばれる格差社会の最底辺の人間でも勝ち組を謳歌するお金持ちでも乗れる・・・・・・そんなのが道路の上をいっしょくたになって混走してることに、おそらく冒頭に述べたようなコンフリクトの根源はあるのだろう。モノのカタチだけから冷静に考えるとみみっちいことこの上ない、まさに「蝸牛角上の争い」っちゅうヤツなんだけど、大袈裟にゆうとそれを形代にして、様々な負の感情を含んだ低劣な形での階級闘争が顕現しているワケだ。
 そこのところを知ってか知らずか罵り合うのは徒労に過ぎない。同じ蕎麦だからっちゅうて、「藪」に代表される名店と駅の立ち食いを無理やり同列に論じるのが無意味なのといっしょだ。
 でも、ここからが大事だ。どっちにしたって蕎麦は蕎麦でやっぱし饂飩とは違うように、チャリはチャリだ。

 つまりチャリそのものは何だっていい、ってコトだ。歩くのとも、単車やクルマとも違う風景がチャリから見えた、それだけでエエやんか・・・・・・少なくともおれはそう思ってる。


いっそみんな実用車になればいいのかも、ね(笑)

2008.08.13

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