「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
45リッターザックで「冬」野宿ぢゃい!!


ちょっと一服・・・・・・っちゅうても、45リッターともなると上げ下ろしだけでかなり大変

 30リッター野宿の冬編である。プラス15リッターなのである。容量1.5倍なのである。何かあんまりもぉエバれんなぁ〜、この大きさぢゃ・・・・・・。

 ホンマのことゆうと、30リッターでも何とか2泊くらいまでなら行けなくはないんだけど、やはり寒さゆえの万が一を考えると不安が募る。んなワケで目下、45リッターザックで行動することにしてるのだが、実際はまだかなりスペースに余裕がある。

 もちろん、本格的な山行でないことは今回も言うまでもない。所謂「バックパッキング」で比較的標高の低いところを中心に行動する、それだけだ。一知半解でナナメ読みして山なんか行かないようにね。たとえ低山でもこの時期、この装備だとヘタすりゃ死んでしまいますから。
 いや、たとえ低地でもナメてはいけない。ものすごい寒波が襲来したり、春先の台湾坊主が発達して大風は吹くわベタ雪がボンボン積もるわ、って可能性だってけっこうな確率である。これ読んで参考にするのは一向にかまわないけど、絶えず退路だけは確保しておきましょうね。

 ・・・・・・などと、ガラにもない前置きしてから始めることにしよう。

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 夏との装備の違いは、おおむね「火」と「衣服」が追加されることだけだ。

 何が欲しいってアータ、寒いと火が欲しいんですよ。で、火を持てばそれだけ独立させて持ってても仕方ないんで、ついついコッフェルやカトラリー類も持ってしまう。そうなると3食分くらいの食材も持つ。水は出発から持ってても邪魔なだけだけど、少なくとも水筒は必要だ、ってコトでさらにはプラテパスも追加(結局、いつも空いたペットボトルを使い回すだけで使ったことないけど・・・・・・)。無論、火のためにはストーヴに加えて燃料も持たねばならない。
 ああ、これだけですでに荷物量としては4〜5リッター、重量も2kgくらい増加してる。食料はフリーズドライ系は軽くていいが、意外と空気でふくらんでたりしてかさばるし、レトルト系はグニャグニャしてしまいやすい一方で重いのが困りモンだ。

 しかし、冷静に考えるとテントの中で暖を取るため火を焚くことはない。クロスポールのテントならまだ天井付近がちったぁフラットなので、キャンドルランタンでも吊るすことできるし、そうすれば内部は多少暖かくなるのだが、おれがソロで担ぐテントはどれもフレームの形状から天井がすぼまってるのだ。ムリに吊るしでもして生地に触れたらシャレにならない。

 要するに、火器を持ち歩くのは実はほとんど安堵のためだけ、と言っても良い。寒い冬の夜、火が「欲しい」、っちゅうよりは「恋しい」のだ。その点で燃料が何だろうが、ストーヴはいずれも炎が青い。これは何とも寒々しい。しかし、だからといって単独行のオッサンが、キャンプ場ならともかく人里近くで焚火、っちゅうのは不審者として通報されかねない。困ったモンだ。まぁ、エエ歳こいたオヤヂが野宿してるのがそもそも困ったモンだ、って意見もあるだろうけど。
 ともあれ未だ、冬に持ち歩く「暖かみのある火」の決定打は見つかっていない。

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 ついでに食料についても少しだけ触れておこう。これがまた芸がないんだわ。

 最近おれが携行するのは、早茹でタイプの「パスタ」もしくは「マカロニ」が多い。インスタントラーメンは後味が滅法悪いし、ご飯類は一から炊くにしてもパック茹でるにしても時間がかかりすぎるし、オカズも欲しくなる。以前は「雑炊の素」と「玉子」を持って、パックライスを湯でふやかして、なんてやってた時期もあったが、出来上がり量が尋常ぢゃなく増えるので止めた。
 パスタ類は元々好きなのもあるが、量のわりに腹一杯になる上に、最近は色んなパスタソースが出てるので、ヴァリエーションが持たせられて個人的に一番いいのだ。あとは湯を入れてかき混ぜるだけのスープとかの類を数袋、それだけ。

 でも、モノグサなおれとしては、比較的人里近いところをウロウロするのにいちいち湯を沸かして、はどうも馴染めない。食べた後に洗うのもめんどくさいし、水、冷たいし。
 周囲に飲食店があって、もし食べないままの食材が翌日の荷物になる気鬱が洗い物の気鬱に勝ったらば、間違いなく外食で済ます。自動販売機やコンビニなんかも、あればためらわず活用する。ストイックな旅人なんてうっとぉしい。

 ・・・・・・以上である。実に単純なモンっす。

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 衣服にしたって特別なものは何〜んもない。

 大袈裟に書くのもアホらしいほど構成はオーソドックスかつチープだ。自己発熱するシャツとタイツ、その上に薄手のマイクロフリース、寒ければさらにその上に厚手のフリース(いずれもユニクロ、笑)、アウターは上がウィンドブレーカーで下は裏地が起毛タイプのカーゴパンツ、靴下は厚手にして、下着類の替えと共に日数分、手袋、帽子、レインウェア・・・・・・あとはタオルを2枚ほど。冬は湯冷めしたらイヤだから、旅館のオマケみたいなペラペラではなく、ちょっとマトモなスポーツタオル。あとは気分でタオルマフラー。
 もう少しお金に余裕があれば、厚手のフリース止めてダウンの上下を持てばかさばらないし、暖かくていいだろうな、とは思うけど、この厚手のフリースも丸めると枕に使えたりして具合がいいので、目下それほど不自由は感じていない。

 シュラフは夏のままでモンベルのバロウバッグの#4。スタッフバッグから引っ張り出したら充分にふくらむまで置いとかないと、薄いままなので寒い。外側にシュラフカバーも考えたが、エマジェンシーブランケットをかぶればそんなに大差ない。それにアウターをあれこれするより、足許にホッカイロを突っ込んだ方が暖かい気がする。シュラフは断熱性が高いから、発熱するものを入れておけば内部をけっこう暖めてくれるのだ。

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 ここまで読まれたらもうお分かりだろうとは思うが、冬だからっちゅうて特別に買ったものはほとんどない。普段から普通に使ってるモノを流用してる。まぁテントは新しくVAUDEの超軽量を買ったけど、夏のモノフレームシェルターがあまりに特殊すぎるからなだけだ。
 服にしたって夏同様、パタゴニアだとかノースフェイスだとか、特段気の利いたブランド物もない。だってユニクロ多いもんなぁ・・・・・・トホホホ。
 あ!唯一ブランドらしきウェアとしてはコロンビアが多いかも。ここの服ってお値段リーズナブルな割に比較的高機能だし、やや胴回り大きめで腕が長いからおれの体型にフィットするんですわ。

 そんなもんかなぁ・・・・・・。

 ちなみに冬野宿、暑がりのおれにとっては汗かかなくて済むのと、虫に襲われないので夏より不快感は少ない。まだまだ改善の余地はあるとはいえ、まぁ不便はつきものなんだし、要は雨と風と冷え込み対策だけがポイントなだけだ。いや、実を言うとおれは今、冬こそ野宿のシーズンちゃうろか?くらいに思ってる。「枯野の旅」の雰囲気が味わえてシミジミするしね。

 お勧めはしませんけど・・・・・・。

2007.03.12

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