休日の朝は優雅に・・・・・・ペヤング頌、あるいは年頭所感 |

「食べ物で遊んぢゃいけません!」ってしつけられなかったんだろうな・・・・・・(笑)
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特に早くから出掛ける用事のない休日の朝は意外にもジャンクフードばっかしだったりする。
基本、ジャンクフード系は好きではないクセに、実はカップ焼きそばについてだけはおらぁケッコー好きなのだ。カップラーメンはそれほどでもない。食べる頻度で言うと、1位・カップ焼きそば、2位・カップうどん・そば、ガクンと下がって3位・カップラーメン、4位・その他って感じかな?
しかし、普段の日の朝はバタバタと慌ただしく、そんな「湯を沸かして、注いで、3分待って湯切りする」っちゅう余裕さえもないから、勢い食器棚の上に買い置きしてあるカップ焼きそばを消費するのは休日の朝にならざるを得ないのである。そして恐ろしいことにちょっと油断すると在庫はジワジワ増えてったりする。
何でそんなことになっちゃうのか?っちゅうと、買い物に行ってヘンな新製品を見付けると後先考えずについつい買ってしまうからであって、そしてみなさんも御高承の通り、そうしたヘンな新製品の極北を疾走し続けてるのは、言うまでもなく「ペヤング」である。いやまぁ「一平ちゃん」とかも頑張ってはいる。しかし、畳み込むように次から次へと圧倒的な品種数で迫るペヤングのブッ飛んだ新製品群の前には、いささか旗色が悪い。
ペヤング------「まるか食品」っちゅうのが会社名なんだけども、その斜め上行く奇妙奇天烈なアイデアの、大抵はワンショットで終わる限定商品群は本当にアタマおかしいんぢゃないかと思ってしまう。
すべてのアイテムをコンプリートしてるワケではない。気になって調べてみたところ7割くらいは押さえてて、とにかく二度と食いたくないって思ったものが大半だ(笑)。どうしてこのようなイカレた新製品を出し続けるのかについて、まるか食品自身は「基本の『ペヤングソース焼きそば』の美味しさをお客様に再認識していただくため」などと澄まして回答してる記事を読んだことがあって、どうやらかなり根本的な部分でこのメーカーの思考回路が尋常ではないことを知った次第だ。ぶっちゃけネジが2~3本外れてる。お客さん、再認識もヘチャチャもホチョチョも、呆れて離れて行くかもしれない、っちゅうコトは考えなかったんだろうか?
要はキワモノであることをメーカー自身も知悉した上での確信犯なのがヤバいし、おれが注目するトコでもある。
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さて、そんな中から、あくまでおれが実際に食った、っちゅう条件付きなのが申し訳ないけれど、ベストかワーストかは知らんが忘れがたい製品を列挙して行ってみよう。
まず圧倒的な第一位は色々と物議をかもしたことで有名な「チョコレートやきそばギリ」だ。スンマセン、食べ物残すのが嫌いなおれも、さすがに気分悪くなって完食できなかったっす、コレだけは。
止しときゃ良いのに貧乏性で、「何でも念のために2つ買う」っちゅう奇癖のせいで、コイツもおらぁ2個購入しちゃってた。ええ、そのうち賞味期限切れになったのもあって捨てましたよ、未開封のままで。
実はこれの少し前に「一平ちゃん」でチョコ味が出てたんで、進取の気風やアイデアの先鋭性では明星食品が優っていた(・・・・・・ってーか、チョコ以前には「ショートケーキ味」、その後は「あんこ団子味」と「みたらし団子味」っちゅう世間を震撼させる製品出したりもしてる)。だが、惜しいことに明星食品にはまだ大手食品メーカーとしての常識と矜持、そして良心が備わっていた。つまりネタとしてはチョコ味を標榜しつつも、何とか「焼きそばとして成立させよう」って意思が残ってた。
そこをペヤングは軽々と凌駕してしまったのだ・・・・・・いや、ワザと大袈裟に書いてみたけど何のこっちゃない。ただもうもはや焼きそばとは呼べない「キモチ悪い味の何か」にしちゃっただけ、っちゅうこってすな(笑)。一方、クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」ぢゃないけど、明星食品は即席麺メーカーの老舗にしてメジャーであるがゆえにとことん思い切った冒険に出られなかったのだ。そのことをメーカー自身良く分かっており、この時の反省を踏まえて、次に出した団子味では完全に振り切ってイカレた味にしたんだけど、時すでに遅し、「気の狂った焼きそば=ペヤング」ってブランドが確立しちゃってた。
二位には、最早食品でさえないものとのコラボ、っちゅう点を評価して「スカルプD味」を挙げたいと思う。スカルプD、飲んでみたんかいや!?と開発担当者に問いたいで、ったく。
実は中身的にはコイツは案外(!?)フツーで、要するに昆布・ワカメ・ヒジキ等の海藻類や育毛に効果があるという何かのエキスを配合した塩味の焼きそばである。昔から定番のエースコック・「わかめラーメン」を汁なしにしたようなのを想像されると大体近い。
問題は美味くなかったコト、その一点に尽きる。そこまでヌルヌルとも思えなかったが、とにかく磯臭い。海藻大好きなおれではあるとは申せ、ただもうお湯で戻して膨らませたものに塩だけかけたような何とも言えない味気なさに辟易して、金輪際食べたいとは思わなかった・・・・・・幸いなことにこれは1個しか買ってなかったんで、被害(笑)は些少で済んだが。次は是非、「不老林」や「リアップ」とのコラボ、あるいは美白化粧品の「雪肌精」なんかと組んだらどうだろうか?「カップ焼きそばで色白に!」・・・・・・どぉよ!?ん?「ニベアクリーム」も面白いかもね(笑)。
三位はいろいろ迷ったけど、同率で和風味の「きつね」「かきあげ」「カレー南蛮」を推したい。何で同時に三種類も出したのか?ホントはまるか食品としては、ネタではなく真摯に新しい味の提案としてリキ入ってたんぢゃないのか?ってな深読みさえもしたくなる厚い品揃えだったが、過去のインパクトからするといささかネタ的に大人しく、殆ど話題となるコトもないままあえなく沈没。一時期はスーパーの店頭に激安で山積みになってた。
実のところ、これらはまぁ味としては随分真っ当な方だったと思う。ペヤングの常で具材が貧弱なのがイタいところだけれど、比較的フツーに食えてしまう。問題はレーゾンデートル、ってヤツだ。どうしてそもそもきつね味やら何やらの焼きそばであらねばならんのか?・・・・・・それがもぉサッパリ分からない。さらにこれ言っちゃうとミもフタもないけど、フツーに「どん兵衛」や「赤いきつね」とか食ってた方が断然美味いし(笑)。残念ながらこの点では路線の嚆矢である「焼き蕎麦」の方が冴えてたように思うな。
四位以下にもまぁホンマ、大概なツワモノが並ぶが、これ以上書いてもクドいだけだろう。
一方で例えばなんちゃらMAXシリーズにはおれ的には大好きなのが多い。最近の「牛脂MAX」についてはちょっと胸が悪くなるほど牛脂が効いてていささかNGだったけれど、MAXの基本である激辛系を中心に「もっともっと激辛MAX」や「激辛MAX END」の最早ケミカルと言って良い辛さ、「からしMAX」の鼻詰まりも一瞬で完治しそうな刺激、食うと外に出歩くのが躊躇われる「にんにくMAX」、ヨメが大絶賛した「酸辣MAX」や「すっぱ辛MAX」等々、名作が多い。
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決してディスりたくて書いてるのではない。むしろおらぁまるか食品のようなスタンスは、すぐにストイックで、ムダに求道的になって矮小化しがちな日本にあって、とても清々しいとさえ思ってるのだから。恐らくこの自由闊達な気風で拮抗しうるのは「ガリガリ君」の赤城乳業くらいではなかろうか(笑)。
そうそう、篤志家としての顔も持つ杉良太郎がとても良いコトを言ってた。外務省の高官に永年の福祉活動について「売名行為ですか?」と訊かれて、間髪入れずこう答えたというのである。
------もちろん売名です。でも、ひとつ付け加えていいですか?私はいままで、これだけのことをやってきました。あなた、私がやってきたこと全部やってから、もういっぺん同じ質問をしてくれますか。
そしたら相手は黙っちゃったってさ。さっすが遠山の金さん!啖呵の切り方が上手過ぎやね!
要はそぉゆうことである。まるか食品の矢継ぎ早に繰り出される狂った新製品について、苦々しい思いで見てる同業他社も多いだろう。実際、完成度の点では疑問符の付くような、ちょとヤッツケではないかと思われる製品だって多い。それは事実だ。
でも悔しかったら四の五の言わず、これだけの数バンバン出してみろ!出せへんやろ!?なら黙ってろ!やるコトやってから言え!っちゅうこってすよ。
「日本のモノ作り」とかを安易にドヤ顔で口にする連中がおれは大嫌いだ。曰く、きめ細かさ、丁寧さ、仕上がりの良さ・・・・・・そんな世迷言ばっかホザいてる間に「メイド・イン・ジャパン」は旦那芸のペダントリーの袋小路に陥って、世界の流れからドンドン立ち遅れてった、ってコトがちっとも分かってないのである。
この点でペヤングの粗さや疾走感は、ものすごく評価できる存在のように思う。
拙サイトも何だかんだで16年目に入った。ペヤングの奇妙奇天烈な焼きそば見習って、完成度は二の次三の次でも良いから、とにかくパワーと疾走感を持ってアップし続けて行けたらいいな~、と改めて思ってますんで、改めてよろしゅうお願いしまっさ~♪。 |

何で一気に三種類も出したのかがナゾ
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2020.01.03 |
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----Asylum in Silence----秘湯 露天 混浴から野宿 キャンプ プログレ パンク オルタナ ノイズまで
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