さぁさぁ、関西人のくせに納豆大好きなおれですよ〜!タイトルの通り、今日は夏の味・豆について書きまくるぞ〜!最近チョーシ悪ぃから、オチもヘチマもなく5行ネタ連発ってな感じでイキまくるぞ!マメ、たってチビのことぢゃないぞぉ〜!ましてや女のアソコや胸についてるヤツのコトでもないぞぉ〜!
・・・・・・誰もそんなこと訊いてへん、ってねぇ。
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以前から疑問に思ってることがある。どうしてこうも女性には豆類が嫌いな人が多いのだろう?ウソだと思うなら、手当たり次第あなたの周囲の女性にこう尋ねてみるがいい。
------豆ご飯は好き?
恐らく100人中78人は嫌い、もしくはニガテと答えるはずだ。そんなにおれ女性の知り合いいないって?ならば駅や大学構内、会社等で無作為なアンケートでもやってみたら分かるハズだ。間違いなく確率は78%だ。そしてさらにそこで畳み込んでみよう。サヤエンドウの玉子とじは好き?ソラマメの茹でたのは?インゲンと厚揚げの煮物は?
・・・・・・あなたはきっと世の中の女性がこれほど豆類を嫌いだったという厳然たる事実に愕然とする。そしておれと同じ疑問を抱くはずだ。
それにしても理由は未だによく分からない。股に挟んでるからか?・・・・・・っておれもしつこいな(笑)。
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大学生時代、知り合いのモヒカン兄ちゃんの紹介で一時期、京都の中央卸売市場で野菜の積み下ろしのアルバイトをしてた。ジャガイモやタマネギ、キュウリ、ナスビ、トマトといったものは割と夜でも早い時間に到着する。どれも鮮度が簡単に落ちないものだからだ。これらは優・秀・良などというグレード、あるいは大きさ別に仕分けられ、巨大な天蓋に覆われただだっ広い構内に並べられる。一方、明け方近くになって到着する物の代表格がカイワレと葉付きの枝豆だった。前者は早いとしなびてしまうし、後者は時間が経つとたちどころに甘みや味が落ちるからなのだ、と教えられた。
カイワレは発泡スチロールの大きな箱に入って大量に到着し、セリの始まる直前までモータートラックで冷蔵庫にしまわれるが、葉付きの枝豆は小さな平トラックで持って来たのが事務所のすぐ脇に積み上げられる。いつも荷量は少なく、おれはこんなちょびっとで商売になるのかな?と疑問に思ってた。今から思えば、あれは丹波あたりの最上級品だったのかも知れない。
しかしこいつが曲者で、葉の間にものすごい数の薮蚊がひそんでいるのだ。奴等は人間の身体から発散される二酸化炭素を感知して動き始めるから、夜勤明け近く、シャツイチの汗みどろでハァハァ言ってるおれたちは格好の標的となる。
東山三十六峰の稜線が白み始めるころ、点々と赤く腫れた腕をかきむしりながらおれは下宿に戻り、いつも倒れるように眠りこむのだった。
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そんな枝豆、ビールのアテとしては最高などと言われる。なるほど茹でたてのコイツは濃厚なコクと自然な甘みがあってとても美味い。しかし、おれがもっと好きなのはソラマメだ。あのでっかくて皮の分厚いヤツ。あれを茹でるのではなくてサヤごと網の上で焼くのである。両面共に真っ黒なくらい焦げた頃ができあがりだ。あまり弱火だと乾燥して固くなってしまうし、強火だと表面ばかり焦げるので、火加減は中火が宜しかろう。
熱々のサヤを押すとニュルンと豆が出てくる。ソラマメのサヤの内部は豆を保護するためか、柔らかい綿のようなものがギッシリ詰まっているのだが、これが熱せられるとゼリーみたいになる。だから、内部で蒸しとも茹でともつかない状態で絶妙に火が通るのだ。能書きはもういい。あとはちょっと塩つけて口に放り込め!2チャンネル風に言えば「(゚д゚)ウマー」だ。
問題は一つ。豆を覆う皮。実はこれも剥いて食った方が断然味も食感も良い。それは分かってる。よぉ〜く分かってるのだけど、貧乏性のおれはどうしてもそれが神をも畏れぬ贅沢に思えて、この歳になっても未だにどうしてもできないのである。
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おれは高校2年まで、納豆を口にしたことがなかった。なぜなら両親が「あんな豆の腐ったもの、食べモンとちゃう」ってな感じで一切買ってこなかったからだ。ありゃ〜実際のところ、納豆菌を繁殖させることで他の腐敗菌を寄せ付けなくしてるワケで、腐ってるのでもなんでもないのだが、やっぱ糸引いてるしぃ〜、クサいしぃ〜・・・・・・ま、率直に言えばやっぱ腐ってる。それは認める。
ただ、大阪人が納豆を食わないのは実はそのような合理的理由によるものではない。「大阪人がこんな東京モンの食うケッタイなモン食てられるかい!」といった在所不明の萎びて下らない矜持から食わないのである。沽券にかかわる、って何の沽券だよ!?みたいなね。俗物の父親がまさにそれで、話題が納豆に及ぶといつも、妙にスカした尊大な口調で「大阪の人間はな、そんなモンは昔から食わんのや」などとのたまうのだった。まったくもって阿呆だ。
好き嫌いの多かったおれが納豆を食ってみようと思い立ったのは恐らく、納豆以上に腐臭を放つこの度し難いスノビズムへの反抗心からだったのだろう。ところが恐る恐る食べてみた納豆は予想に反して実に美味いものだった。不思議と臭いも気にならなかった。今ではすっかり大好物だ。冷蔵庫にはいつもパックが束になったものが常備されている。おれは逆説的に親に感謝しなくてはならないのだろう。
ちなみに、モヤシで納豆をこしらえると、この世のものとは思えぬ猛烈な臭気を発するらしい。
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中国は四川省で大地震が起きた。四川と言えば料理だ、麻婆豆腐だ。元来高冷地で土地が痩せており、沿岸部に較べ貧しかったために、かの地にあのような唐辛子と山椒を大量に利用した強烈な味付けが生まれたのを皆さんはご存じだろうか。要は少ないおかずでなるだけご飯をかっ込めるように、って考えである。佃煮みたいなモンだな。
豆腐を作るとおからが残る。搾りカスである。そこから取って向こうでは手抜き工事の建物を「おから建築」と呼ぶことをおれは新聞で識った。役人の汚職が横行するこの国では、賄賂がかさんで建築資材の原価までをも圧迫し、結果、とんでもない手抜きで公共建築が建てられるのだそうな。それでたくさんの学校がツブれて子供たちが下敷きになった・・・・・・。
さて、おからほど調理法にヴァリエーションのない素材も珍しい。ダイエット食とかで何かの代用で料理に入れられることはあれ、正面切って素材として用いられるのは細かく切った薄揚げやニンジン、コンニャク、椎茸等と甘辛く炒り煮にした「卯の花」くらいなもんである。
素朴でしみじみしたコイツがおれはとても大好物だ。ご飯のおかずにも酒の肴にもいい。しかし、簡単なようでこの料理、ナカナカ火加減、水加減が難しい。ベチャッとしてはダメだし、パラパラだとモゴモゴするだけでなく味も香りも飛んでしまう。焦げ付かしては元も子もない。つまり、見た目よりは大変な熟練が要求されるのだ。
なのになのに、あまりにも華がない。永遠に主菜になれない脇キャラ、あくまで地味な一品だ。料理としての卯の花は日陰に咲くのだ。
・・・・・・可哀想なヤツだよな、おからって。
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恐らくこの世で最も変な豆はピーナッツ、すなわち落花生とか南京豆っちゅうヤツだろう。こいつは花が咲いた後、みよよ〜んと茎が伸びて地面に潜り、そこに豆ができるのだ。花も種もできるのに、ムカゴって小さな芋が枝に生えるなんちゅう不気味な生命力を持つ山芋にも似ている。
カロリーの高さも異常で、ほとんど脂肪の塊と言って良い。ピーナツ一粒でおよそ6,000カロリーもある。つまり燃やせば60ccの水を沸騰させる力がある・・・・・・ってな写真がたしか昔、教科書に載ってたなぁ〜。ともあれもしあなたがデブになりたいのなら、おれはこいつを一日中齧ることを勧めたい。殊に最悪はピーナッツバターだろう。すりつぶされることで消化・吸収が良くなってるからだ。
余談だが、国産落花生の最高峰は「千葉半立」っちゅう品種らしい。読み方は「ちばはんだち」だ。ハハ、「はんだち」ぢゃアカンやろ?やはりここは一つ「ピン立」ってした方が良いのではなかろうか?・・・・・・とても商品名にならないが。
そうそう、ピーナッツと言えば寡作の天才マンガ家・高野文子の短編に、柿の種はあられ2粒とピーナッツ半かけを一緒に食べるのが一番おいしい、ってセリフが出てきたのを思い出した・・・・・・ああ、食べたくなってきたな。
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・・・・・・あ〜、一気に書き倒したったらちょとスッとした。オチのない話は気楽でいい。これからはたまにはこんな展開も時には良かろう。そぉいや、ビートルズにサビもリフもないままどんどん展開して行くだけの曲があった気がするが、思えばあれもある種のスランプの中で生み出されたものなのかも知れない。
だから、と言えば良いのか、しかし、と言えば良いのか・・・・・・ギャグ100連発とかのお笑いは、芸として最低のモノだってコトも同時におれは知った気がする。 |