オンナは行くな!! |

ジャリコの大盛。横綱までならフツーに美味しく食べれます。
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・・・・・・と、古風に過激、そしてどぉしようもなくベタなタイトルで今回は始めることにしてみよう。
先日、有楽町に行ったおり、爆食系にその名を轟かすスパゲッティの店「ジャポネ」に初めて立ち寄ることができた。店は有楽町の駅の東側、高速道路の高架下にある専門店街の一番東京寄りの外れにある。まぁ、平たく言えば銀座なんだけど、失礼ながらあんまりそぉゆう感じのしない一角だ。
メニューはどれも安い。上の画像は一番人気のジャリコ(多分、「ジャポネオリジナルの醤油風味のバジリコ」、って意味だと思う)のジャンボ(大盛)だが、これでたったの700円である。普通の人なら、量の順番で下から2番目のこの「ジャンボ」食えばじゅうぶんお腹一杯になれる。万一それで足りないっちゅう奇特な人は、さらに大きな「横綱」、裏メニューの「親方」「理事長」とドンドン凄まじくなって行く大盛に挑戦されてみては良いだろう。
まぁ、サラリーマン向けのいたって良心的な店と言えるだろう。
店のキャパはカウンターのみ15席、とひじょうに小さい。これで商売が成り立つ理由は、ひとえに「回転の良さ」であることは疑うべくもない。行列はまったく途切れることなく、誰かが席を立った途端、次の人が座るようになっており、まったく空きがでない。注文は席に座ってから言うので、出てくるまで若干の待ちがあるものの、おおむねみんなチンタラせずにテキパキ食べるので、大体平均の滞在時間は15分って感じだ。
さてそこに数名の女性客。並びながら観察していると、食べるのが遅い。ものすごく遅い。オトコ共がムリムリとかっ込んでいるのもどこ吹く風、至ってマイペースで召し上がられている。「早食え!」って後ろアタマどやしつけて皿にカオ突っ込ましたろかい、っちゅうくらいにそのペースは遅いのだ。
おれはムチャクチャハラが立った。自分の順番が回ってくるのが遅くなるからではない(笑)。
おそらく彼女たちの意識にあるのは、「真っ当な対価を払う以上、どう食べたってアタシの勝手でしょ。」という考え方だろうと思われる。だからこそ、特段慌てることもなく麺2本づつくらいを丁寧にフォークに巻きつけながら食すことができるワケだ。
その意識が間違ってるのは言うまでもない。この店は薄利多売でやってるのだ。その価格にしたって、チャッチャと食べてチャッチャと帰ることを大前提に組み立てられている。だからお客はできる限り迅速に食べなくてはならない。それはシステムでありルールであって、暗黙知の了解事項であるとおれは思うのだけど、権利意識が肥大した方にはどうしてもそこが分からないみたいだ。見てて恥ずかしい。
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同様の光景は慶応大学前に元祖のある「ラーメン二郎」でも見たことがある。知らない方に簡単に説明すると、この「二郎」、チェーン店ではなく、味にほれ込んだ人が自分でスープを作って大将に認めてもらえればOK、っちゅう、いわば「勝手にノレン分け」制度で今は東京都下に数十店舗の店がある。まだ全国区にはなってないようだが、他府県にもボチボチ増えてきてる。読者諸兄の家の近所にもひょっとしたら黄色いテントにシンプルに「ラーメン二郎」と書かれた、いささか殺風景な外観の店があるかもしれない。
ここも若干店によって差はあるものの、基本的には超コッテリの味に加えて、思わずたじろいでしまうほどの大盛で有名で、そして安い。一番フツーのラーメンで500円ほど(それでも十分麺は多い)、麺が大盛でチャーシューが呆れるほどゴロゴロした「大ダブル」でもせいぜい800円くらいだ。さらにキャベツともやしを茹でたものや、つぶしニンニクのトッピング増量は無料、と誠にもって良心的な価格。それにしてもあのカロリーって一体全体どれくらいあるんだろう?
「ラーメン二郎」については熱狂的なファンが多く、「二郎はラーメンではない、『二郎』と言う食べ物である」とも言われ(・・・・・・って看板にラーメンて出てるやんか、笑)、年中あそこの二郎はいいとか悪いとかの談義にふけってたりする。興味のある方はネットで調べてみて欲しい。
・・・・・・ともあれ、そんなんなのに、昼時行くとやはり必ずいるのだ。トロトロ食ってるオネーサンが。一人くらいいいやんか、と甘えてるんだろうかねぇ?
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大学といえば先日、所用で大学の近くの町に行った。昔ほど学生は食わなくなったっちゅうけれど、それでも大学の周辺ってエリアには大盛りを売り物にする店がけっこうあるものだ。言うまでもなく歴史のある大学ほどこのテの店は多い。おれは事前にめぼしいところをインターネットで探しておいた。
そうして訪ねてったその店も、そこまで薄利多売でやらんと、店をもっと立派にしたっていいのにと思うような、地味で小さな、そして古ぼけた店だった。店の壁には驚くほどたくさんの定食メニューが書かれている。どれも550円から700円といった価格帯でとても良心的だ。おれはそこの名物と言われる定食を頼んだのだが、予想以上に巨大なカツが2枚も乗っかってて、危うく残してしまうところだった。
客は次々と入ってくる。丹前着てボサボサ頭の「The下宿生」といった雰囲気のニーチャン、明らかに体育会系のゴツいのん、眼鏡かけてやせぎすの神経質そうなんは研究か何かで徹夜明けか、近くの道路工事の昼休みとおぼしきオッサン、見るからに外回りのよれたスーツの営業マン・・・・・・まぁ、店の作りも含めて「オトコの飯屋」してる雰囲気だ。
そんな店にも、先客でオンナがいた。正確に述べると男女2・2の4人組。おれが入店した時点で8割方食い終えてお話モードに入ってたのだけど、食い終わって勘定してる時にようやく席を立ちやがった。ふざけた話だ。しゃべるんなら、河岸変えて喫茶店にでも行け、っちゅうねん!男も男でだらしない。早く食うように促すなり・・・・・・そもそももっと洒落た店に連れて行け、っちゅうねん(笑)。
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そうそう、喫茶店ネタでもアタマに来ることがある。
ガストとかサイゼリアとか安いファミレスありますやん。ああゆうトコでいっちゃん安い300円かそこいらのパスタとかグラタンみたいなモン頼んで、ひたすら長っ尻で粘る主婦集団が多いんだそうな。ガキな中高生ならまだしも、いい歳こいたオバハン連中が安いメニューで居座る。実に醜悪な光景だ。店としては大迷惑だろう。このような常識をわきまえない輩からは延長料金取ったったらエエのに。
親がこんなんだから、24時間営業のマクドナルドをマックシェイク1杯で仮眠場所代わりにする無職の若者なんかが出てくるのだ。ネット難民だぁ?笑わせるな!って思う。その気になれば新聞配達の住み込みでも旅館の仲居でも、はたまた山奥の工事現場でも、食と住を確保できる仕事はいくらでもある、っちゅうねん。
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結局、拝金主義の果てで、安いところを軽く見てるんだろう。いや、その廉売を成り立たせるためのさまざまな地道な努力を忖度する能力が欠けてるのかも知れない。あるいは安く供されてることに対する感謝の念を忘れてるのか・・・・・・まぁ、いずれにせよバカであることには違いないけれど。
ちょっと古い話で細かい場所を忘れてしまったが、昔、たしか神戸の三宮に「昼食時の女性客お断り」っちゅう定食屋があった。もちろん理由は「オンナは食うのが遅いから」である。ここも安くて量の多い店だった。震災でずいぶん様変わりしてしまったけど、今でもあるのかしらん?
ホント、店主の気持ちが良く分かる。繁華街で原価率を上げて商売するにはお客さんの回転が全てなのに、それを無視してかき入れ時にドカ〜ッと席を占有されてはたまらないだろう。飲食業、ことに個人営業の店に奇策やマジックはない。地道な日々の売り上げがそのまま正比例で収入に直結するシビアな世界なのだ。
そんな店でマイペースでトロトロ食ってる女性客は、その痛みを分かっていないのである。そんなんが権利意識をふり回してか、開き直ったようにのんびりメシ食ってる姿は実に醜く浅ましく、いやらしい。猥褻でさえある。
今日の結論はとてもシンプルな暴論だ。
----オンナは安い爆食系の店に行くな!----
それだけである。いや、行ったっていいんだ。ただ守ることは一つ、サベツだ蔑視だと柳眉を逆立てる前に、お店のためにチャッチャと食ってチャッチャと席を立て!! |
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2006.10.20 |
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----Asylum in Silence----秘湯 露天 混浴から野宿 キャンプ プログレ パンク オルタナ ノイズまで
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