旅行の前にガイド本を買って調べる。これは誰でもごく普通にすることだが信じて出掛けて行くと、必ずと言っていい位失望する。信じる方が悪い、と一言で片づけられるのも非常にくやしい。そこで、これらのガイドによく出てくる紋切型の文章・語句・表現の正しい読み方をしようというのが今回のコラムである。
では、さっそく始めよう。
●「静養に向く」・・・・・・周囲に何もなくて、部屋でボーッとするしかない、という意味。
●「清遊に向く」・・・・・・平凡な田舎、という意味。
●「湯治場の雰囲気を残す」・・・・・・ひどくボロボロの旅館である、という意味。
●「ファミリー向き」・・・・・・子供だましの設備でつまらない、という意味。
●「・・・・・・に程近く」・・・・・・けっこう遠いんだこれが。建売広告と同じである。
●「清潔な・・・・・・」・・・・・・セルフサービスに近い。又は、ルームサービスがない、という意味の形容詞。
●「上品な・・・・・・」・・・・・・猛烈に値段が高い、という意味の形容詞。下品だよなあ。
●「家庭的な宿」・・・・・・となりとフスマで仕切られただけの部屋に入れられる、という意味。
●「空中大温泉」・・・・・・最上階に浴室がある、という意味。
●「おみやげにピッタリ」・・・・・・20個1000円で売っている、という意味。
●「温泉街の賑わい」・・・・・・大体、100mも歩けば終わる通りに、わびしく店が集まっている、という意味。
●「夏はバーベキュー」・・・・・・でも出さないと、余りに何もない山の中である、という意味。
●「夏は流しそうめん」・・・・・・上と一緒や!
●「とっておきの場所」・・・・・・ただ単に地元民だけが利用する、又はただ単にマイナーで地味なだけの所、という意味。
●「・・・・・・感覚でアットホームな」・・・・・・ペンションの紹介の定番。オーナーの趣味を押しつけられる、という意味の形容。
●「・・・・・・風の外観」・・・・・・見た目が安っぽい、周りの風景に合ってない、又は悪趣味である、という意味。
●「・・・・・・の新名所」・・・・・・安普請の掘っ建て施設で、すでにさびれているか飽きられているのが普通である。
●「思い切りエンジョイ」・・・・・・んなもんマジメにやってられっか!というものばっかしである。
●「リゾート感覚」・・・・・・バブリーな施設につく形容詞。大体、一泊二日でリゾートでもないだろうに。
書き出したらキリがないが、つまり、ガイドの内容は8割引き程度に値引きして信じておけば良いのである。悲しいけれど、夢はふくらませ過ぎちゃいけない。
しかし、帰る際の請求書には、消費税やら、入湯税やら、特別地方税やら、サービス料やら、冷暖房費やら、よくもまあこんなに一杯くっつけられるもんだと呆れる位、しっかり定価に割増しされているのが普通なのである。
ちょっとイヤミが過ぎましたか? |