「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
やっぱ鍛えんとアカンね〜


全然本題とは無関係なんですけど・・・・・・安藤広重「東海道五十三次」春之雨・土山

http://www.ukiyo-e.co.jp/より
 週末から滑りに行く、ってんで、その準備に板のワックス掛けでしばらく中腰でいたら、それだけでドヨ〜ンと腰が重くなって疲れてしまった。こりゃぁいかん、と散歩がてら防水スプレーその他の不足品を買い出しに行くことにした。スポーツ屋まで往復7kmほど、余計に疲れて帰りしな、コンビニでビール買って飲んでりゃ世話はない。

 アカンがな!!身体、ナマりまくってるやんけ!!

 気づけば少なくとも年8日は滑ってたスノボもいつの間にか半減している。泥酔して帰宅することは減ったけど、晩酌と呼ぶには多過ぎる量の酒が毎日欠かせなくなっている。タバコは苦労して1mgに下げたとはいえ、一日一箱弱。日々の運動らしい運動といえば自宅⇔駅、駅⇔会社の往復3kmほど。さすがにヤバいと帰りは少なくとも一駅分歩くようにしてるけど、何の足しにもならないことは明らかだ。仕事は関東に来て以来、完全な座職。ヘタすりゃ昼休みまでイスに座ったまんま、なんてこともありうる。終日PCとにらめっこして、帰ったら帰ったでまたもやPCとにらめっこ。平均睡眠時間は5時間。さらにはコーヒーがぶ飲みで、以前書いたとおり香辛料大好き、と来たもんだ。

 ・・・・・・いや、実はこのような生活パターンは特段珍しくもなく、世の中にはあふれかえってるのだろうが、だからといってそれが何がしかの免罪符になるはずもない。絶対身体に良くないに決まってる。
 それが証拠に、近年肩こりますますひどく右手や右足はしびれっぱなし、偏頭痛に立ちくらみ、平衡感覚の低下、高音・低音さまざまな耳鳴り、視線を動かすとなにやら視界の外をス〜ッと粒状のものが横切り、ハラは出る出る、髪の毛ぁ抜ける、間の土山雨が降る・・・・・・なーんて、こんな古いネタかますってわしゃ幾つなんぢゃいっっ!?

 そう、気づけばすっかりジジィになってたのだ。

 いや、こんなコト言ったら昨今のジジィに失礼だ。現代の老人はみんな若々しい。縁側で猫抱いて茶をすするような、いかにも隠居然としたジジィなんざ過去の話で、近所を歩けばかなりのハイペースでジョギングする年寄りばっかしだ。言い直そう・・・・・・気づけばすっかり肉体は老化し衰えてしまっていたのだ!と。

 これに拍車をかけたのが、年末からのサイトの復旧だった。それまでの休日の長距離散歩も一時中断して、狂ったように作業に没頭したオカゲでめでたくサイトは復旧したのだけれど、その分いっぺんに身体に来てしまった。

 いかんいかんいかんいかんいかん!!

 おれの表現の生命線は何やねん!?旅やら行楽やら温泉を中心とした色々な体験ではなかったのか?観光国粋主義者なところがあるので、さほど外国に興味がないとはいえ、狭そうで意外に広いこの日本、まだまだ行きたいところ、行き残したところは腐るほどある。それにそのうち外国の温泉にも行きたくなるかも知れないし、そうなればテーマは無限といっても大袈裟ではない広がりを持つ。
 つまりそれだけ作品化しなくちゃならんものが一杯あるワケだ。「しなくちゃならん」と書いたが、おれには今、半ば使命感みたいなものが湧いてきているのだ。それがその前に志半ばでくたばってしまっては、自己矛盾もはなはだしい、っちゅうモンだろう。

 いちばんの問題は、このような肉体の衰えが精神面に深甚な影響を及ぼしつつあることだろう。まず、物忘れがひどくなった。駄ジャレが増えた。考えがまとまらない。10代20代の頃のような切れ味あるフレーズが出てこない。それでも出るならまだいい。時には何も考えず、痴呆のように時間が過ぎていることがある。
 「健全な肉体に健全な精神が宿る」なんて欺瞞そのものだとは思うが、漫然と己が肉体を省みないでいると、やはり肉体は精神に復讐してくるのだ。そりゃ〜ホーキング博士のように鍛えたくても鍛えられないけど稀代の碩学、なんて例もあるけど、特段身体に問題がないのならやっぱ鍛えとかんとあきませんわ。

 言うまでもなく、このような考え方にはどことなく三島由紀夫的な香りがするので、程度モンではあると思う。ジムに通ってマッチョになろうなんて気も毛頭ない。大体において、こぉゆう時に一念発起して大技を繰り出したって、後が続かないに決まっている。身体作りほど「継続は力なり」がハッキリしたものはないのだ。
 地味〜な積み重ね、しか手はない。曰く、もっと歩く、あるいは走る。エスカレータを使わず階段を昇る。ストレッチする、禁酒禁煙、節食、嗜好品や間食をガマン・・・・・・モノグサが身に染み付いた者にとっては何だか気が滅入るようなことばっかりで、かえってストレスになりそうな気がするな〜(笑)。「過ぎたるはなお及ばざるが如し」とも言うし、あまりに不自然に鍛えた人が意外に短命なことも事実だし。

 ともあれしかし、このような緩慢で消極的な自殺をしている場合ぢゃない。その気持はかなり本当だ。


ある意味、紋切り型で分かりやすい人でしたよね。
細江英公「薔薇刑」より
2006.02.27
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