「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
ホレ、言わんこっちゃない・・・・・・紅麹騒動に思う


「べにこうじ」って何だか京都の通りの名前にありそう・・・・・・あ!漢字がちゃうな(笑)。

 この前、発酵についての怪しさ炸裂な健康ビジネスについて、いかがわしさではその最先端を行く一人であろう(笑)、かつて御在所岳で遭難して助けられたくせに説教に逆上して、それで離縁されたか今は姫路在住のオバハンについて書いた。ホンマ、少し前のことだ。
 それがですわ!何たる偶然かシンクロニシティか、そっからしばらくしてみなさまもご存知、目下世間大騒ぎ真っただ中の小林製薬の紅麹サプリ騒動が持ち上がったのだった。既に死者も5人(※)くらい出ててシャレになんない。こりゃもぉ「薬禍」と呼んでも良い状況になってる。

 何が起きたのか?おれ自身のアタマの整理も含めて書いてみると、2021年に「紅麹コレステヘルプ」ってサプリが売り出され、これが劇的にコレステロールを下げるって口コミで大ヒット商品となっていた。順風満帆、そんなんで2年くらいは何の問題も報告されてなかったのが、今年(2024年)の1月来、健康障害が発生してるという報告が相次いだことでこりゃ何かおかしいってコトになった。すぐに出荷ストップすりゃ良かったのに、会社側の記者会見は3月も下旬になってからで、対応の鈍さがヤリ玉に上がると共に、食品原料としての供給先が2次・3次まで含めると余りにも多岐に渉っており、約7トン分の回収がほぼ不可能なことも分かって来た・・・・・・ってなトコだろうか。

 こぉゆう時に必ずあるあるな所謂「大人の事情」があったんだろうけど、小林製薬の対応が余りに遅きに失したコトや、ここぞとばかりに騒ぎまくるメディアについては今回は触れない。前者はけだし要するに日本的大企業病なだけだし、後者は今さら言ったってどもならんもんね。

 現時点では、これまで普通に問題なかった紅麹サプリのあるロットにだけ、どうして強い毒性が生じたのかはハッキリしていない。工場の衛生環境が悪くて俗に「コンタミ」と呼ばれる異物の混入(コンタミネーション)が起こった、紅麹菌の株自体が突然変異で強い毒性を有するようになってしまった、誰かが意図的に混入した・・・・・・根拠も何もないまま、いくつかの仮説があるだけだ。
 ちなみに紅麹は赤色の着色料として大昔から使われてる。蒸した米に紅麹菌って黴を付けて発酵させ、鮮やかな深紅になったのを「紅麹」って呼ぶのだ。白いヤツはフツーに豆腐や納豆の棚の近くでスーパーにも売ってるよね。
 ・・・・・・で、中華料理でこれは大昔から着色用に色々使われてて、例えばチャーシューの紅色なんかもそうなんだけど、この紅麹菌、困ったコトに時として有害物質も創り出してしまう。ニワカの受け売りで書くと、「シトリニン」って成分らしい。コイツが腎疾患を引き起こす。今回起きてるのかて腎疾患なんやろ!?スワそれかいっ!?ってまず疑われたが、会社側の説明ではそれを生成しない株を培養してたし、検出もされてないんだそうな。
 ほたら何でや!?って、こっから先はまだ分かってない。通常はある種の青カビが生成する「プベルル酸」ってのが当該ロットから検出された、ってのが目下最新の判明した状況だ。何や西野ナントカがひと山当てた絵本みたいな名前やね、プベルル酸って。

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 この事件を報じるニュースを見て、最初に浮かんだコトバは「ほれ、言わんこっちゃない」だった。後予知の誹りを恐れずに言うならば、遅かれ早かれ、何かしら類似の事件は起こるだろう、とも思ってた。

 前回コキ下ろしたように、おらぁ発酵食品っちゅうのはなるほど美味いかも知れないが、だからって身体に良いかどうかは分からないと一貫して思ってる・・・・・・いや、大概の発酵食品は大好きなんだけどね。それでもリスクはあるんちゃうん?って思ってる。
 調べてみたところ、カビ毒って現在判明してるだけでも軽く100種類くらいあるんだそうな。ビックリしましたわ。有名なのはムチャクチャに高い発癌性で自然界最強の毒とも言われる、青黴が生み出すアフラトキシンだろう。でも麦角アルカロイドとかはちょと楽しいかもね。LSDの原型だし(笑)。言えるのは、それらの元となる菌の殆どが穀類に付いて繁殖するってこと・・・・・・要はどれもこれも発酵の副産物なんですわ。

 そして、酵母もまた猖獗を極めたコロナウィルス同様、微生物っちゅうか生物と無生物の間あたりのかなりアバウトな存在の一つなんで、簡単に変異株が出現する。ヨーグルトや乳酸菌飲料なんて、それでどれだけ他社との差異を訴求してるか見ればすぐに分かる。「シロタ株」だの「L−92」だの「1073R−1」だの「LG21」だの、み〜んなこれ、元を糺せばどれも要はただの「乳酸菌」に過ぎない。それらの中から変異株を抽出して培養した、ってだけのコトだ。もちろん、こうして商品化された陰には箸にも棒にも掛からんかったようなのが、星の数ほど存在する。言うまでもなくその中には恐らく、人間にとって都合の悪い働きをするヤツだってあったハズだ・・・・・・まぁ、基本はどこまで行っても乳酸菌だからそこまで悪いのもおらんのだろうけど、ぢゃぁ今の人間に対して良い働きをしてるヤツが未来永劫、強毒化したりしない保証はどこにもないし、メーカーはちゃんとスクリーニングとかやってますっちゅうたかて、それは既知のモノに対してだけで、未知の何かが生成されたらひとたまりもない。

 加えてサプリメントっちゅう、薬でも食い物でもないどっちつかずの代物についても、おれはひじょうに懐疑的だったりする。明らかに何か栄養分が不足してる、っちゅうんなら、基本的にはまずそぉゆう食い物を食えば良いだけのことで、そんなタブレットをボリボリお手軽に摂ってハイOK!って何ともイージーすぎてちょとヤバいんちゃうん?って思ってるのだ。そりゃ、極端なナントカ欠乏症みたいな病気っちゅうんなら知らんけどね。
 それにあらゆるものには必ず功もあれば罪もある。食い物だってそうだ。良いことばかりではない。水だって飲まんかったら飲まんかったで死ぬけど、飲み過ぎれば飲み過ぎたで中毒起こして死ぬ。塩だって同じ。摂らなきゃ死ぬが、摂り過ぎれば血圧上がるし腎臓も壊す。「過ぎたるは猶及ばざるが如し」って言うではないか。
 思うに、数え切れないほど、かつ微量な各主成分の、極めて危なっかしくも絶妙なバランスの上におれたちの身体とか健康なんてのはどうにか成り立ってるんだろう。もちろんそのバランスの解は一つではない。体格差、性別差、年齢差、はたまた個人差だってあるだろう。そんなに人間は金太郎飴には出来てない。
 そこに酵母でござい!サプリでござい!っちゅうてズケズケ入ってく感じが、たとえそれらがどれだけ膨大な実験やら検証の上にリリースされてるんだとしても、どうにも度し難い傲慢な胡散臭さを看取してしまうのだ。

 誤解無きように申し上げとくと、酵母もサプリもおれはその存在自体を全否定してるワケではない。あって良い・・・・・・って、良いも何も酵母なんて人間より遥か昔からあまねく世の中に存在してるんだしさ。サプリだってビタミン剤だとか肝油だとか、昔から似たようなのはありましたやん。

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 まぁそれでなくても散漫な文章の論点がさらにボケるんで、サプリはまぁ置いておく。酵母についてだ。

 今回の小林製薬の事件で、この20年くらいだろうか、高齢化社会の進展と共に無批判・無反省に盛り上がってた「酵母だからOK!酵母だから健康!」みたいな愚劣極まりない流れは、少なくともちょっとは踊り場を迎えられたのではなかろうか。それでマーケットがシュリンクして、スーパーやコンビニの棚から、まぁ消えてくれないまでも売場がせめて小さくなってくれば、それだけでもおれはとても嬉しい。

 ・・・・・・それにしても、だ。

 発酵マンセーな人たちは、これで自分の垂れ流してきたデマについて少しは肝を冷やしてるんだろうか・・・・・・まぁファナティックで頑迷なバカっちゅうか「信者」が多いから、それはないか。本当に彼等は万死に値するほど罪深い。菌植え付けて発酵させたろか。
 それと、被害に遭われた方、それも命を落とされた方については本当に気の毒だと思うけど、一方ですぐにメディアがほざきがちな「消費者だから弱者だ」っちゅう理屈も癇に障る。こうした論調が国民の総白痴化を招いてる、っちゅうねん。消費者も自分の口に入れるものくらい主体的に自分で勉強しろ、ってね。

※:死者数についてはその後も漸増している。

2024.04.05

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