「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
カルト/親/政治・・・・・・山上徹也の見た地獄


それにしても警護の連中はいささか不気味なまでにレベル低かった。

 ・・・・・・総理経験者が銃撃だぁ!?はぁ!?この日本で!?

 週末の金曜日、あ~も~そろそろ昼メシやなぁ~、今週もタルかったなぁ~、といつも通り吞気に過ごしてたところに、とんでもないニュースが入って来た。ニワカには信じられなかったが、参院選の迫る中、元首相の安倍晋三が奈良の西大寺駅前で応援演説中に撃たれて心肺停止だ、っちゅうのである。「?」が100個くらい頭の中に並んだな。

 そっからは当然ながら日本中が上へ下への大騒ぎ。必死の延命措置っちゅうか、アカンのは分かってても今後の対策立案のための時間稼ぎのためもあってナカナカ死んだとは発表されんかった。2日後の参院選はそんなこんなで自民圧勝・・・・・・それはさておき、犯人は山上徹也って奈良在住・無職の40男、何と兇器は自家製ショットガンで、見た目はいささかアレだけどかなりの殺傷能力を有してたコト、そして犯行動機は自分や家族の人生を台無しにした統一教会への復讐のためだったコト・・・・・・等々が段々と分かってきた。

 日本人って・・・・・・っちゅうか日本のメディアってホンマもぉ、犯罪的なまでに軽い。それまではやれモリカケだ、桜を見る会だ、アベノマスクだとあれほど反・安倍の大合唱で叩きまくってたのが、いざ死んだってなると手の平を返したように、エエ人やった!戦後最高の宰相やった!とマンセー記事のオンパレードだ。「死ねばホトケ」っちゅうことなんか!?心の底からウンザリする。

 しかし、今回は切り口が違うってコトで、腐り切って幼稚なメディアについてまではもう言及しない。

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 まず最初にココはハッキリ言っとかなくちゃ。

 追及をかわすためか今はあれこれ名前を変えてるけど、要するに「統一教会」および各種関連団体、これは間違いなく韓国発のカルトである・・・・・・ってーか、カルトはまだ宗教かも知れないがコイツ等は宗教を隠れ蓑にした単なる金の亡者に過ぎない。宗教以下の鬼畜集団だ。その底なしで高度な悪質さはヤクザなんかを遥かに凌駕するってコトだ。

 学生の頃、これの下部組織の一つで原理研究会っちゅうのが大学では花盛りだった。通称「原理」。狙われるのは入学したて、それもそれまで勉強ばっかして世知に疎く、田舎から出てきたようなオボコいのが狙われる。もちろん大学側も勧誘に乗っちゃダメよ、ってな案内は出してんだけど、それでも鈍くてピュアなアホが引っ掛かったりするのだ。
 敵も色々手が込んでて、例えば「**大学新聞」ってのはまぁその大学に元からある学生新聞なんだけど、「*大学生新聞」ってソックリのヤツの購読を案内して来たりする。「ワシントン・ポスト」もどきの「ワシントン・タイムス」と同じ手口やね。当然ながら最初から正体バラさず、夏休みくらいに格安の長期旅行なんかをエサに釣るって寸法だ・・・・・・旅行!?ハハ、行ったら最後、洗脳セミナーで缶詰にされてトコトン人格壊される、っちゅうこってす。
 有象無象のサークルにも下部組織は入り込んでて、当時で言うとテニスサークルなんかによくフロント団体があった。部員数大したことないし、チャラいのがいなかったりするのに、妙に金回りが良さそうだったりするんですぐ察しが付くんだけどね。
 直接的な勧誘なら、大学近くの交差点なんかで良く見掛けた。大体綺麗なオネーチャン二人連れ。色仕掛けやな(笑)。でもここで「オマエらぁ~!原理やろっ!?」とかゆうて集団で取り囲んで吊るし上げたりすると、遠くから監視してたテコンドー部隊がやって来て返り討ちに遭う。
 当然、下宿にもよく勧誘が来た。やはり別嬪二人連れ。おらぁ「今からここで3PやらしてくれたらOKやで!」っちゅうていつも追い返してたが、信者獲得のために股開くツワモノまではおらんかったな(笑)。交差点で勧誘された時はデタラメな手話で追い返してたっけ。それはともかく原理、オネーチャンは不思議なくらい綺麗なんばっかし揃えてた。ヤッパシ八ッ橋アレかな?韓国だし、美容整形とかやってたんかな(笑)?今から思えば、同じような顔が多かったからマジでやってたんかも。

 ・・・・・・おれ、少しも盛ってないよ。全部ホントの話っす。

 大学に入って同級生になった中にアホな左翼カブレのTってヤツがいて入学早々、鼻息荒く「原理ブッ潰す!」とかゆうて、みんな親身になって止めとけっちゅうてんのに意気揚々と「セブン・デイズ」と呼ばれる洗脳セミナーに自ら出掛けてって、たちまちキッチリ洗脳されたんもいた。「ミイラ取りがミイラになる」を地で行ったワケやね。
 ホンマにしょうむないアホだ。1人で乗り込んで勝てるワケあらへんやん。1年後くらいに悪友のMがパッタリ出くわしたらそいつ、晴れやかな顔で神の存在を確信した、っちゅうてたそうな(笑)。その後は教団の走狗となって霊感壺だか印鑑だかの販売に邁進してたんだろう。まぁ彼はダサくてブサイクだったし、合同でも何でもヨメを世話はしてもらえたろうから、それはそれで良かったんかも知れんが(笑)。

 この統一教会の一派にはまた、「国際勝共連合」って政治団体の皮をかぶったフロント組織があって、それが今回殺された安倍晋三のジーチャン、戦後政治の妖怪の異名を取る岸信介、あるいは笹川良一の肝煎りで日本国内で勢力を広げたってのは当時から有名な話だった。初耳みたいに報じるメディアはウソつきか、マスコミとしての基本的知識に欠けたバカばっかしなんだろう。

 しかし統一教会に限らず、こうしたカルトの学生フロント団体っちゅうのは他にナンボでもあった。ここは大事なポイントだろう。パッと想い出すのでは「浄土真宗親鸞会」っちゅう浄土真宗の名を借りたカルトのフロントである「歎異抄研究会」、何で日本ではカルト指定されないのか不思議でならない創価学会、そのフロントの「東洋思想研究会」・・・・・・あぁ、そぉいやオウム真理教なんかも盛んに活動始めた頃だったっけ。ヤマギシズムも偽装サークルやってたような記憶があるが、名前はもう忘れたな。幸福の科学はまだ出てきてなかったっけ?・・・・・・とにかく、みんな、みんなまとめてガス室にでも送ってやりたい。

 カール・ゴッチの名言の言い回しを借りるならば、宗教には二種類しかない・・・・・・すなわち「ヤバい宗教」か!?「むちゃくちゃヤバい宗教」か!?だ。ハハハ、ヤバくない宗教なんて実はこの世にないんですわ。
 特に教祖を置き、壮麗な巨大神殿を建て、樹形図状の組織、体系化された教義・経典を大量に持つ宗教なんてもぉ100%確実にアウトだ。もしそれを幾許かでも緩和させるものがあるとしたら、それはおそらく数百年単位での時間の経過くらいだろう。あとは徹底的に殲滅するしかないだろう。とは申せ、彼等はゴキブリよりもしぶとい。ホンマ鬱陶しい。

 おらぁマルクスって酒呑みのオヤジの妄言が大嫌いだけど、たまにはホンマのことを言ってる。有名な「宗教は麻薬だ」っちゅうアレね・・・・・・まぁ目くそ鼻くそ嗤う、アンタの与太も大概ヒドい麻薬だったけどな(笑)。

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 政治とそうした宗教が、組織票とその向こうにある権力っちゅうこれまた最上級品の麻薬を介してズブズブの関係なのは、今更言っても始まらんだろう。犯人・山上はそのことまで知悉してたと思われる。

 また、個人で誰か要人の一人や二人テロったって世論はそぉ簡単に動きはしない(・・・・・・いささか残念ではあるが)。ましてや世の中変わりはしない。一昔前のネットスラングで言うなら「私怨乙」で、跳ねっ返り者と見做されて結局は終わりなのだ。それどころか逆効果で「弔い合戦」みたいなこと言いだして宗教団体の結束が一層強まって、却って力を付けるかも知れない。そのことも彼は見通していた。ナカナカ頭が良い。

 さらに、これを言っちゃぁお仕舞いなんだけど、彼の母親が生来的に精神的な平衡を欠いて極端にファナティックな依存体質であり、たとえ統一教会がこの世に存在してなかったとしても、遅かれ早かれどこか別のカルトにハマッて、破滅するまで・・・・・・どころか破滅してもなお貢いでただろうってコトは容易に予想が付く。事実、統一教会に鞍替えする前はひとのみち~PL教の流れを汲む実践倫理宏正会(決して自らを宗教団体と認めないヘンなカルト)の熱心な信者だったんだしね。ホント愚かで因業で頑迷な母親だ。バカは死ななきゃ治らない・・・・・・そしておそらくそのことさえも彼は良く分かってた。

 ・・・・・・でも、だからそれでどぉだって言うんだ!?っちゅうこっちゃね。

 そんな風に理論だてて説明できたからってアータ、四半世紀近くにも及ぶ塗炭の苦しみを納得できますか?我慢できますか?諦められますか?ってコトだ。たぶらかされて土地財産何やかやで軽く1億以上の金、巻き上げられてんねんで。それで破産して、その日の食い物にさえ難渋する極貧生活で、行けたはずの大学にも行けへんかってんで。それでも信仰に狂った阿呆な母親は嬉々としてんねんで・・・・・・どこをどう考えたって地獄やん。現実世界のことなのに、日野日出志の「地獄変」よりも遥かに陰惨な世界だ。
 本来的に彼は真面目でかなり理性的かつ抑制的なタイプではなかったかと思われる。それ故、深い諦念と絶望っちゅう名の達観に向けた哀しい努力をした時期だって、これまでに恐らく何度かあったんだろう。あくまでこれはおれの勝手な想像だけど、兄の自殺ってのが大きなターニングポイントになってるような気がするな。そこで何かが弾けた。ルサンチマンが決壊した・・・・・・平たく言うと堪忍袋の緒が切れたのだ。それでも無差別テロで無益な殺生にならんよう、兇器も爆弾止めて銃にしたっちゅうんだから、何ともいじらしいではないか。

 とにもかくにもかくして彼は、アッパレ本懐を遂げた。そしてかなり結果論ではあるとは申せ、カルトを巡る諸問題・・・・・・「信教の自由」と表裏一体な「表現の自由」が脅かされることを恐れたメディアの保身による姑息な弱腰、それで戦後の日本が一貫して見てみぬフリして散々甘やかしてしまったカルトの台頭と政治との醜怪な癒着、異常に高額な寄付/献金による経済的困窮とネグレクトによる家庭崩壊、また理不尽な状況に置かれて育てられる二世信者問題、等々を鮮やかに抉り出した。それだけは認めなくちゃいけないし、こっから先、どのようにカルトを規制、弱体化させ、最終的に完膚なきまでツブして行くかは、おれたちに課せられた重大な責務だと思う。

 今回の事件に関して、犯人を池田小事件の宅間守、あるいは秋葉原無差別殺傷事件の加藤智大や京アニ事件の青葉真司と十把一絡げで安易に「無敵の人」にカテゴライズして問題を矮小化させ、「決して暴力は許されませんねぇ~」などと、寝言のようなありきたりのコメントを並べてる「識者」とやらに、おれは厳しく問いたい。
 では、このように人生を巨悪によってトコトン蹂躙された、無名で何の力も持たない弱い市井の人が泣き寝入りすることなく、確実に復讐するのに、暴力以外、他にどんな方法があるんですか!?・・・・・・と。

2022.07.22

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