「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
自活力


ハナシちゃうけど、この人ってショットによって顔立ちそのものが全然違って見えるタイプなんよね。

https://www.rbbtoday.com/より

 女優の本田翼が、深夜のトーク番組で理想の彼氏について、「生活を1人でできる人がいい。お母さんにやってもらってた人じゃない人がいい。ちゃんと自分でやってきた人がいい。」と発言してたらしい。そしてさらに畳み掛けるように「一人暮らしとかすると最初『こんなところも掃除しなきゃいけないんだ』とか気づく。排水溝とか、洗濯機も掃除しなきゃいけない。それを知らずに生きてるヤツは無理です。」とも言ったとか・・・・・・ま、おらぁ直接番組観たワケぢゃなくて、ネットニュースをナナメ読みしただけなんだけどさ。

 いやもぉ至極真っ当で健全な意見だと思う。エエ事言わはるオネーチャンやんか。ついでに個人的意見を付け加えるならば、それは別にオトコだけに限ったコトぢゃなく、オンナだって一緒だろうな〜、ってコトかな?
 ともあれおらぁ本田翼のファンっちゅうワケでもなくて、これまでそんなに彼女には注目してなかったんだけど、ちょっとばかし見直してしまったのだった・・・・・・って、自分で自分の事はチャンとやってんのかな?ゲームばっかしてんちゃうやろね?紺屋の白袴はアカンで(笑)。

 世の中昨今、やれスキルアップだ資格取得だとかますびしいんだけど、実のところ炊事・洗濯・掃除を始めとする日常生活の最低限のあれこれを一通りを1人でこなせることって、そうした様々なスキルのいっちゃんベーシックなトコにあるんぢゃないか?っておらぁ思ってる。おれだけの意見ではなかろう。だからこそ(・・・・・・ぶっちゃけ全くもって中途半端で役立たずなものの)、小学校には「家庭科」なんてカリキュラムが存在するんだろう。今でも教えられてんのかな?「粉吹き芋とほうれん草のソテー」とか、「波縫い・本返し縫い・まつり縫い」とか(笑)。

 ビジネスパーソンとしてクールでエネルギッシュに働いてたオッサンが、妻に逃げられたり先立たれたりして、仕方なく家事をやろうとするものの、これまで全部そぉゆうコトは丸投げしてたもんだから、洗濯機さえ回すことさえできなくて途方に暮れる。会社員としての普段の顔はどこへやら、悪戦苦闘する姿が実にみっともない・・・・・・な〜んて設定はメチャクチャ陳腐なんだけど、相変わらずドラマでよく見る。逆パターンもあって、バリバリのキャリアウーマンなんだけど、家に帰ると何にも出来ない、とか。
 お馴染み「獲ったどぉ〜!」って「よゐこ」の濱口が絶叫する無人島生活はかなりエクストリームでひたすらサバイバルだし、実のところ素潜りでの魚取り以外はかなりメチャクチャで大雑把だったりするものの、やはり1人で生活するって原初の姿の面白さがある・・・・・・あ!ありゃ有野も出て来るから1人ちゃうな、2人か。
 また、芸人やモデル(←ま、どっちもちょっとB級が多い)の家が実は壮絶なゴミ屋敷状態で、足の踏み場も無かったりするのを何人かで押しかけて一気に片付ける、なんて企画もワリと近いところにあるんだろう。どんなけキレッキレの芸風でも、美人で華やかなファッションショーに出演してても、家がほったらかしで引っくり返ってて不潔やったらあきまへんがな、っちゅうワケだ。
 おれ的に大嫌いな言葉である「丁寧な暮らし」なんてぇのも、何かと高度化する社会生活の中でも、せめて身の回りのコトくらいは自分でちゃんとやりましょうや、っちゅうニュアンスを幾許かは含んでおり、あれこれと疲れてる都会人はそんなのにコロッとアテられてしまうんぢゃないかとも思ってる。

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 さてさて、冒頭の本田翼のこうした発言に対して、「こどおじ(おば)は立つ瀬ないがな〜!」ってな反応が多く見られたらしい。「こどおじ(おば)」とは言うまでもなく「子供部屋おじさん(おばさん)」の略称なんだが、どぉだろ?このコトバ、最近10年くらいで登場したカンジかな?実に言い得て妙だ。そして「Weblio」によれば次のような説明がされている。
成人してからも実家の子供部屋(だった部屋)で暮らしている男性や女性、を指す意味で用いられるインターネットスラング。引きこもり状態のニートを念頭に置く場合もあれば、もっぱら就労者を念頭に置く場合もある。文脈によって意味やニュアンスが異なるが、「いい歳になっても独り立ちせず親の世話になっている」という揶揄を込めて用いられる場合が多い。

 んん〜・・・・・・上の解説ではヒッキーも含まれるってなってるけど、おれ的には後者の「チャンと社会に出て働いてんだけど自立はしてなくて、実家に一緒に住んでる」・・・・・・その前までは「パラサイト・シングル」なんて呼ばれてた層にカブってんぢゃないかと思ってる。
 実際これらの人の大半はそれなりに自分の仕事と稼ぎがあって、社会と交わり、応分の生活費をキッチリ家に入れてたりもするんで、何もせずひたすら惰眠を貪り親にブラ下がってるような自宅警備員の引き籠りのクズとは一線に二線も画してる。それは認める。認めるが、違和感はみんな感じてる。だからこそこうしたスラングが生まれたワケだろうし。

 ・・・・・・で、とても雑駁ではあるものの直截に、彼女は何でこどおじ(おば)ってのがみっともない存在なのか本質を衝いてる。要はいくら家に金入れてようがなんだろうが、いつまでも親の庇護の下にあって日々の生活のアレコレがどうなってるか何一つ知ることもなく、上げ膳据え膳で過ごしてるのはダメです、ムリです、と。
 オマエそりゃぁ演繹的に過ぎるで、というお叱りはあるだろうが、思うに要は「自分でやれる」ってコトに力点はあって、その分の対価を家に払ってますなんて〜のは言い訳にもならないってコトだ・・・・・・まぁ、その対価っちゅうたかて社会で払わされる平均よりは随分お安く済んでんだろうけどさ(笑)。

 そりゃぁ人の命さえ金でカタが付く時代なんだから、日常生活のすべてはたしかに金でカタが付く。伝説の家政婦のナンチャラさん雇えば全部やってくれるだろう。それにそんな何でもかんでもリゴリスティックにDIYでやろうたってどだいムリな話なのは言うまでもない。お茶一杯淹れるの考えたって、茶葉を自分で育て、粘土を捏ねて急須や湯呑を焼き、湯を沸かす鍋釜をトンテンカンテンやって、山から薪炭にする木をを切り出してたんでは、日が暮れるどころかいつまでたってもお茶にありつけない・・・・・・何かTVCMでそんなんあったよね!?つまりはそぉゆうコトだ。
 つまり文化的な生活を送るってコトには、日々の暮らしの中での分業化が進んでくことがケッコー大前提として含まれてたりもするし、それはもう仕方ないんだけど、それでもなお、あまりに何でもかんでも人任せで金だけ払っておんぶにだっこな生活がどうにも気持ち悪いのは事実だろう。

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 やはり自分一人で生活できるだけの能力------おれが勝手に「自活力」って名付けてみたんだけど------は必要だし、あらゆる痒いトコに手が届くようなサーヴィスが容易かつ安価に手に入るようになった時代だからこそ、放っておけばそれはドンドン衰えてく一方で、それなりに各自が鍛える必要はあるし、そこが欠落するのは何だかとてもマズいんぢゃないかとも思う。

 ・・・・・・えっ!?おれ!?

 まぁしょっちゅう言及してる通りで、炊事は一通り何でもできる方だ。これは間違いない。後片付けも出来るし、たまにガラス製品を中心にタライに漬け込んで漂白したりなんかもする。洗濯も、洗濯機回して干したりはフツーにやれる。もちろん色柄モノやらウールなんかをチャンと分けたりもして・・・・・・だ。学生の頃はヒマだったんでシーツに糊付けまでしてた(笑)。掃除についても掃除機を掛け、ゴミ出しするだけでなく、時折回転ブラシやらフィルターの掃除もする。クイックルナンチャラでカーテンレールの上やら家具の隙間をシュコシュコやったりもする。網戸や窓洗いはそもそも我が家ではおれの担当だ。ヨメは奇癖の持ち主で、窓掃除だけはナゼかとてもイヤなんだそうな。水回り全般だってやる時はやる・・・・・・が、ルーティーンとして淡々とはやってない。

 それがやっぱし最大の問題なんだろう。自活力で問われるのは、ここイッパツでエマジェンシー的に器用にあれこれこなすことでは決してなかったりする。あまり感情を込めず、かと言って意義や目的、工夫を忘れることなく日々チョコチョコと重点箇所を見付けつつも、飽かず弛まずムリせず力まず、自然体で少しづつコンスタントにやることなのだ。

 そこが決定的に欠けてるおれに、あまりエラそうに語れる資格はなかったんだなぁ〜・・・・・・アイヤヤヤヤヤヤ、てへべろ。


最近ニワカにこどおば疑惑が囁かれるのがこちら、松下奈緒・・・・・・ま、上級こどおばだけど(笑)。

https://www.sato-seiyaku.co.jp/より

2022.04.22

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