続・変節漢の休日

続・変節漢の休日

どこも似たような雰囲気の比較サイトのロゴマーク。

　どうでも良いような僅か２％の軽減税率だとか、よぉもまぁこんなに益体もないことを思い付くもんだが、またもや創価学会がクダらない横ヤリを入れたせいで、コロナがあろうがなかろうが貧乏暮らししてるような連中相手に中途半端な金をバラ撒くことになったらしい。とっとと自民も連立解消して、そこで一気に総選挙に持ち込んだらエエねん。今なら恐らくは喪う票以上に圧倒的な支持を得るだろうに。ついでに創価学会を破防法でカルトに指定しちゃえばエエんだよ。事実、フランスやベルギーではカルト認定されてたりする団体なんだしさ。

　この前の１０万円バラ撒きもおらぁ一銭も遣わなんだ。それでもお金はやって来るんだから仕方ない。わしゃもぉ要らんから、っちゅうて全部子供にくれてやった。ＧｏＴｏトラベルにしたって、そんなサーヴィスが始まったから出掛けたワケではない。いい加減クサクサして泊まり掛けで遠出したら値引いてくれた、っちゅうだけだ。結局値引きがあろうがなかろうが、おれはどうせ出掛けてたんだし。
　このＧｏＴｏっちゅう稀代の阿呆なバラ撒き政策に要する国の支出は２兆円なんだそうな。ケッ！アホちゃうか？なのにだよ、世界が次世代通信としてシノギを削る６Ｇとか７Ｇへの開発予算はたったの５００億でっせ。５００億！４０分の１！いやマジ、この話聞いてわしゃ慄然としたよ。５００億で何ができる、っちゅうねん！？ちょっとした会社の基幹系のリプレースでも１０億２０億ブッ飛ぶこのご時世に、国の将来を占うような技術開発に５００億やて。その一方でただの消費刺激に２兆円。ホント、政治家も官僚も狂ってるわ。

　以前、メチャクチャにコキ下ろした「ふるさと納税」にしたって、ヤッパシ天下の愚策だと思う。行き交う住民税の総量はまったく変わらないのに過大な返礼品がオンしてくるワケだから、日本全体としては要はタダ働きが増えてることに他ならない。資本流動性が高まるとか言うけど、突き詰めればそぉゆうコトだ。
　別に世を拗ね人を拗ねでヤセ我慢してるワケではない。ホンマこのような小賢しい施し、どぉでも良いのである。そもそもおらぁあんまし贅沢欲求が無いのだ･･････って、オマエ高額な時計買ったり、部屋から溢れるくらい楽器持ったり、美味いもん食ったり、旅行行きまくったりしてるやんか！？って非難されそうだけど、実はそんなにお金を費やしてるワケではない。それに今はその程度は好きに遣える収入があるんだからエエやんか、とも思う。
　平たくゆうと、何かセコく得して、カニやら和牛やらメロンやらマスカットを入手したいと思わないのだ。そんなんだから昨今の、何かとポイントとか貯める仕組みなんかも性に合わない。よぉいますやん。ブワーッて名刺ファイルみたいなんにポイントカード並べて持っててワチャワチャやってる人、タレントでゆうたら藤田朋子とかさ。あんなの意地汚なさばかりで虫唾が走るな。そんなん金遣わんかったらいっちゃんエエやんか、って思うもん。

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　しかしそんな風に偏屈ドケチ街道一直線でいたら、ヨメが段々と不機嫌になって来たのだった。

　そらそやわな。近所の奥さん連中のコミュニティで、ふるさと納税で上に述べたような高級食材をゲットした話を聞かされても、リアクションどころか話題にさえ付いて行けないし、「旦那が変わり者で、ふるさと納税をイヤがってるんです～」なんて話すと、周囲からはいささかの憐憫のまなざしで見られたりさえするのだから。なるほど心中穏やかではなかろう。ある日、言われた。

　------アンタ、ふるさと納税やる気ないのん？
　------うん。あんなん天下の愚策、末代までの恥やで。
　------そんなしょうもない意地張って！それで何の得があるん？
　------得は･･････う～ん、ないわなぁ～。でも、損もないけどな。
　------大体、子供の１０万円にしてもウチはもぉ貰えへんねんで。取られるばっかしやん。
　------たしかになぁ～･･････あれもホンマにしょうもない経済対策やと思う。
　------取られるばっかしで、それでエエのん？悔しないのん？
　------まぁそら面白うはないわなぁ～。
　------大体、田舎に引っ越すんやろ？今のココももぉあと何年もおらんのやろ？地元に税金払わんかてエエやん。
　------･･････。
　------それに、市民税の前払いやと思たら、会社辞めた後でもドーンと市民税来ぇへんのんちゃうん？
　------！！

　･･････巧く衝いて来やがった（笑）。欲と二人連れ、意外にこぉゆう時だけは理詰めなんですわ。

　たしかに、ふるさと納税に反対したら税金安くしてくれるっちゅうんならともかく、そっちはそっちでナサケ容赦なく取られてるのだ。それはそれで面白くない事実である。いや、取られること自体は別に構わんのだけど、そんな風に召し上げられた税金が、下らないＧｏＴｏナンチャラとか、給付金とかに無節操にバラ撒かれてるのに業腹なのだ。ムカつく。
　終戦直後、ヤミ米に手を出すコトを良しとせず、それで餓死した裁判官とか教授先生ってのがいたけど、おらぁそんな峻厳なモラリストではさらさらない。むしろどっちかっちゅうたら犯罪者気質っちゅうか、ピカレスク的なことが大好きだったりする。ただもうそんな姑息なカラクリに与してまでして、カニやら和牛やら欲しいと思わなかった、っちゅうだけだ。その程度の小さな拘りとレジスタンスの結果、ヨメに今以上に愛想を尽かされる状況に陥っちゃマズい。実に宜しくない。

　･･････３０分後には返礼品サイトを二人仲良く並んで見てるおれ達がいた（笑）。変わり身は早いのだ。だから気難しいのにそれでも何とか社会人としてやってけてるんだろうな。

　試算してみると、いやもぉこれが相当な額を突っ込めるんですわ。いささか驚いてしまった。毒食わば皿まで、ここでイジイジしても仕方なかろう。トコトンやったろやないけ。そんなんで一種の祭り状態で、限度額一杯まで寄付という名の元の定価約３倍掛けの名産品通販に遣い切ることにした。

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　ダーッと比較サイトで調べてみるとやはり、過疎化で財政状況がシビアなトコほど返礼品は豪華な印象だ。しかしそんな零細自治体でも、どうせ間に色んな地元業者が群がって利権をしゃぶってんだろうな～、って構造が露骨に透けて見える。町会議員や役場の上席と繋がってるとかなんとかで、その狭い地域だけでブイブイ言わせてそうな店が一手に請け負ってやってんだろう。そぉゆうトコに限って何だかんだ申告誤魔化してロクすっぽ法人税払ってなかったりもするんだろうが（笑）。ともあれホント、そうして中抜きされてナンボ自治体として実質の儲けがあるんやろ？って心配になってしまうようなのが多い。

　税収が流出するばかりぢゃ堪らんから、都市部は都市部で取り返すべく頑張ってる印象だ。絶対に地元特産品ではなさそうなのがズラーッと並んでたりする（笑）。こんな愚劣な制度始まってなけりゃなぁ～、ってボヤく職員の姿が目に浮かぶようだ。
　おれが以前書いた通り、ただでさえさして広くもない日本って国の中で、丸投げ体質が骨の髄にまで染み込んだ公務員の枠組みの中で金がグルグル回るだけぢゃ、利権の甘い汁の恩恵に預かったごく一部の連中だけがウハウハで、結局大半の者は疲弊してくだけなのだ。実際、そんなんで現に高知県の奈半利町では逮捕者まで出たけど、一般の町民は箱詰めとかに夜なべ仕事に駆り出されるばかりでクタクタで一文の得にもならなかったと言われる。これは氷山の一角に過ぎない。柏木雄太っちゅうクズの公務員はもぉ一罰百戒の見せしめで死刑にしたら、ちったぁ国全体がシャキッとするかも知れないが（笑）。

　･･････とまぁ、言いたいことは山のようにあるものの、ハラ括った以上はガンガン申し込むしかない。どうせ普段からクレジットカードで毎月十万単位の金遣ってんだし、そこまで現在の暮らし向きは窮乏してないんだから、少々一時的な出費が嵩んだってちっとも痛くも痒くもない。

　おれ的には楽器類が欲しかったんだけど、３秒で却下されてしまった。どだいそれに楽器は手が出せないくらい寄付金が高額だったりする。４５０万円も寄付できる人ってってアータ、どんな御大尽やねん？
　次に欲しいと思ったのは、最近気になってる包丁類だ。出刃だ菜切りだ柳刃だと、そんな凝ったのを何種類も使い分けよう、ってのではない。三徳包丁、あれでもちょっと刃渡りが長くて良い鋼を使ってるのがあったらベンリだな～、ってずっと思ってるのである。おお！あるやんあるやん！最近流行りのウネウネした縞模様を描くダマスカス鋼なんか返礼品に結構出てるやんか･･････って、これもあえなく玉砕。実家に帰ったついでに堺に寄って、伝統の打刃物でも買え、との御託宣だ。

　何だかんだで結局、ありがちな和牛焼肉セットだとかハム・ソーセージ詰め合わせ、海老に蟹に帆立、シャインマスカットに白桃等々の「如何にも中産階級が喜びそうな贅沢品」ばかりが注文品になってしまった。米と野菜はヨメの実家からしょっちゅう大量に送られて来るんでスルーしたけど、あとの食い物は大体頼んだ感じだ。元号は平成も過ぎ、令和になったけれど、おれ達の心性は昭和のままで止まってんだろう。ギミーチョッコレイトォ～ッ！（笑）
　しかし、世の中でホンマに上手いコトやってるヤツは、こぉゆうのは接待で奢ってもらったり、中元やお歳暮、あるいはもっと後ろ暗い付け届けで届いたり、たとえ身銭で食ったとしてもキッチリ領収貰って経費で落として、そいでもって税金はロクすっぽ払ってないんだよ･･････でもまぁ、ここで突っ張り切れないトコこそが、おれの俗物で小者な最大の証左なんだよな。しおしおのパー。
　せめてもの抵抗で、あんまし人気なさそうな鰹節や昆布、干し椎茸に煮干しといった如何にも田舎っぽいアイテムを、マジで財政難に陥ってそうな自治体選んで紛れ込ませられたのは、幾許かの救いだったかも知れない。

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　何十万だったかなぁ～･･････？？？ガンガンに遣いまくったけど、限度額に達するまでは結構苦労した。食べ物って少々高級品っちゅうても案外安いのである。ちょっとやそっとぢゃ遣い切れないのだ。それに来たら食わんといかんのだし。おらぁ常々思ってんだけど、食料品はもっともっと値上がりすべきだ。そしたら庶民レベルでの本当の資本流動性は高まって、間違いなく景気は回復するって。
　そんなんで一時期は、毎日のように家のピンポンが鳴り、宅配業者がもぉ笑えるくらいに毎日やって来て返礼品の山ができた。冷蔵庫もギュウギュウのミッチミチに詰まって溢れそうだった。

　･･････食べ物がある、ってのは平和と幸福の一番の基本だって、かつて「アンパンマン」の作者である故・やなせたかしがいみじくも言ってたけど、こうして届けられる高級食材で本当に幸福になれるのか、おれはかなり訝しんでたりする･･････貰っといて言うのもなんだけどさ。

２０２２．０１．０３