「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
「山地剥」な日本・・・・・・新型コロナだより(4)


・・・・・・だそぉっす。サッパリ分からん(笑)。

https://freewechat.com/より

 前回が粥占のハナシだったんで、その流れで再び占いネタで。

 「易経」ってのは何とも奥が深いっちゅうか、陰陽五行と偶然性と表意文字をチャンポンにしてムリヤリ意味付けしたシャーマニズムのような考え方で、ホント訳が分からない。占い方も実はいくつかあって、基本ジャラジャラと50本の筮竹を使うのは同じだけど、最も簡便な「略筮法」から、何をやりたいのか良く分からない「本筮法」まである。でも得られる結果の種類は同じなんで、要は「念の籠め方」の違いなんだろう。この作法も書き出すとキリがないし、流派によって若干異なってたりするから細かくは割愛するが、要するに得られる結果は8の剰余系になってる。それを2回行って8×8=64通りの組み合わせになる、って寸法だ。上記の図の6段積み重なった算木の下半分が1回目の結果、上半分が2回目となってる。
 実のところ、64卦の他にさらに6の剰余系での6種類の「爻」ってのが掛け合わさるから、細かく言うと384通りの答えがあるようなカンジなんだが、まぁ「爻」まで含めるとその解釈はさらにシュールなことばっかし並べられてるので割愛しよう。

 以前も書いたっけかな?何でこんなに占いに詳しいのかっちゅうと、小学校の終わりから中学くらいの時に四柱推命・人相・手相を始めとする中国系の占い全般について興味が湧いて、勉強した時期があったのだ。そんなんで今でも人相・手相はある程度観れるし、解説本と暦の表みたいなんさえあれば四柱推命も出来る。算命占星学ってのがベストセラーになって「天中殺」ってのが流行る何年か前だった。
 お断りしておくと、人相学は統計学だけあってそれなりに当たってるような気がするが、他はまぁあきまへん・・・・・・っちゅうのがかなり調べた上でのおれの結論だ。四柱推命は気味悪いコトにまぁまぁなんだけど、どっちつかずの解釈が多過ぎるのが良くない。だから信じてるワケではない。それでも、身の回りの人で若くして急死した人が2人いて、その生年月日が全く同じってコトを知った時はちょとゾッとしたな。
 ちなみに姓名判断はもぉまったくデタラメに近いし、手相は極端なの以外はほぼ当たらない。比較的人相に近い指相(長さや形)はまずまず当たってる気がする。何と言ってもいっちゃんひどいのは中国占術ではないものの、血液型だろう。あんな粗雑でいい加減なのは他に無いと思う。
 肝心の易はどぉか?っちゅうたら、とにかく偶然性に賭けてるだけなので、何とでも言える。まぁ一方では「意味のある偶然(シンクロニシティ)」なんてのもあるワケで、その点では当たるとも言える。「当たるも八卦、当たらぬも八卦」とはマコトに上手く言ったモンだ。

 閑話休題、「山地剥」についてだった。まんま、「さんちはく」って読む。

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 易経の六十四卦には俗に「四大難卦」と呼ばれるものがある。おみくじでゆうたら「大凶」みたいなモンやね。実は高島易断あたりが言い出しっぺらしいんでちょとアレなんだけど、「水雷屯(すいらいちゅん)」・「坎為水(かんいすい)」・「水山蹇(すいざんけん)」・「沢水困(たくすいこん)」の4つがそれに当たる。不思議なコトに水にまつわる卦ばかりだったりする。
 そいでもってそれらの次くらいに宜しくないと思われる卦の一つが、この「山地剥」だったりする。個人的には形が上下逆になった上記・「水雷屯」の方がまだマシではないかって気もしてるくらいで、そもそも名前の字面からしてなんかミョーに禍々しい。だって山の地が剥がれるんやで。
 全部そぉっちゃそぉとは申せ、算木の示す形の表意文字的解釈が如何なく発揮された卦の一つと言えるんぢゃないかと思ってんだけど、この形を、聳える山が下からボロボロと(あるいは中がグズグズに)崩れようとしてる様子、またベッドの脚が折れて行く様と見立てるのである。実際そんな風に見える。また「陰」が下から上がってって5個になり、1個だけ残った風前の灯火の「陽」ってな風な見方もある。

 いずれにせよ良いわきゃないよね、そんなん。ネット上の解説を拾っても大体ロクなこと書いてない。

 ------「剥」ははく奪の意味。山肌がどんどん削られていく様子を表していることから、崖っぷちに追い込まれることを暗示
 ------陰の勢いが強く、陽を剥ぎ尽くしていく。陰悪なもの、小なるものが、陽善の大なるものの力を消してゆく
 ------何事も終わりに近づいている。もともとの卦が良くないためいずれも吉には転じにくい
 ------運勢衰亡のとき
 ------大きな危険、 みんなハギ取られるような危険がそこまで近づいている状態
 ------季節に例えれば、秋が終わり冬が到来
 ------君子を剥ぎ落とそうと小人が暗躍するとき

 何だかピンクフロイド・「狂気」のラストナンバーの歌詞みたいだな。♪And Everything Under The Sun Is in Tune♪But The Sun Is Eclipsed By The Moonってね(笑)。

 細かく言うと五爻の場合はそれほど悪くなかったり、奇妙なコトに選挙を占う場合は良かったり(1個だけ陽のあるのを、1人だけ選ばれるって理解するんだそうな、笑)ってな意見もあったりするんだが、どぉにでも取れる解釈が多いのは四柱推命と同じで、だから結局は勿体ぶった韜晦と晦渋で誤魔化しばかりで胡散臭い。バシッと明快に示してこその占術ではないかと思うぞ。

 しかし、コロナで疲弊しまくってる今の日本(あるいは世界もか・・・・・・)の状況にはやはり、この「山地剥」が似合う卦だと思う。それなりにサイキックな能力を有したマジな占い師がやれば、この卦が多分出るんちゃうやろか。

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 個人的には今回のコロナ禍とやらについて、他の国はともかく、少なくとも日本はあまりに浮足立ってるし、大騒ぎし過ぎてるとズッと思ってる。所詮は星の数ほど亜種の存在するコロナの一種で大体その強さも見えてきた今、免疫力のない病人と老人に絞り込んだ施策に今から転換しても遅くない。すぐに講じるべきだろう。特に指定感染症2類ってやたら対応がややこしいカテゴライズは、拡大当初の何も分からなかった時期ならともかく、「インフルエンザのちょっとキツ目」くらいっちゅう実態が見えて来た今は早急に見直しを図り、もっとライトな4〜5類あたりに再指定すべきだって意見にはだからおれも大賛成だ。

 ところがとにかくワーワー騒ぎ立てるコトだけが飯のタネになってる連中には、それだとオマンマの食いあげになっちゃう、っちゅうんで、メチャクチャ不都合らしい。曰く、やれ変異種が出たらどぉすんだ?一気に気持ちがユルんだらどぉすんだ?ワクチンの供給はまだ一部に留まってるぢゃないか?一日の感染者数は減っても前週からの減り方のペースが鈍化してるぢゃないか?
 その一方で見事な二枚舌の使い分けで、飲食店は限界だ、観光産業が復活するには何年かかるか分からない、老舗が暖簾を下ろすのが寂しい、繁華街は火が消えたみたいだと騒ぎまくる。

 ・・・・・・こぉゆうのを難癖と呼ぶ。何を言ってもケチ付けるクレーマーと何一つ変わるところがない。一見一聴スジが通ってるようで全体としてのバランスや整合性を根本的に欠いており、「ほたらどないせぇっちゅうねん?」は何も示されてない。要するに、一日でも良いからこの千載一遇の報道のチャンスを骨の髄までしゃぶりつくしてコマシたろ、っちゅうコトなんだろう。
 もぉマスコミ業界なんて9割くらいリストラして、今後は業界定員制にすべきなんぢゃないかとさえ思うな。クビの連中は、人手不足な第1次産業に送り込んで、20年くらい強制労働させたら良い。

 ここにさらに自称ナントカ評論家やら、アカデミズムの世界のトッチャンボーヤやら、民間医院主体で甘い汁吸いまくりな医者の業界、コメンテーターなる有象無象の芸能人・文化人、当然与野党含めての政治家も入り乱れて、何だかみんな我先にこのコロナ騒ぎを何かの自分の栄達ための踏み台にしてるとしか思えない言動ばっか繰り返してる。

 そんなこんなでワチャワチャしてるうちに、ありとあらゆる業界が大変な状況に陥ってしまった。今回のコロナ騒ぎによって突然売り上げが激減したまま二進も三進も行かなくなった業界は枚挙に暇がない・・・・・・飲食や旅館だけは焼け石に水とは申せ、それでも何だかんだで補助出てるけどそれでもツブれまくりだ。
 鉄道・バス・飛行機等の運輸業界はどうだ?タクシーなんて今までもかなり悲惨だったのが、最早救いようがないくらいの状況に陥った。アパレルや装飾品、美容関係の業界はどうだ?そりゃぁ元々景気の波に左右されがちだったし、何年も前から風向きおかしくなってたとは申せ、もぉポコペンの死に体だ。
 唯一、笑いが止まらないのは、取って付けたようなリモートワークとやらで各社、急ごしらえの環境が必要になったことによる好景気に湧くIT業界くらいだろうか。Webカムや指向性が広いのにハウりにくいマイク、小型スピーカーといったハードウェアから、Zoom・Teams・WebEXといったリモートミーティングのソフトウェアまで、もぉウハウハみたいである。火事場泥棒かよ!?(笑)

 別にかつての空襲のように絨毯爆撃を喰らったワケぢゃないから、街は一面の焦土となることもなく、見た目的にはさしてコロナ以前と変わりない。落ち付いたモンだ。しかし細かく見ていると、廃業の貼り紙を出した店は激増し、交通機関はビミョーに間引かれ、失業、あるいは給料が激減してローン返せなくなって自宅を叩き売る人も続出してる。今まで通り働いてるように見えて、他企業に一時的な里子(在籍型出向、っちゅうらしいね)に出されてる人なんてのもかなりいるらしい。もちろん失業保険で食い繋いでる人だって多かろう。いずれも一時しのぎにはなりこそすれ、いつまでもは続けてられんこっちゃわな。そして未来へのツケでバラ撒かれる膨大な補助金・・・・・・社会全体がグズグズのボロボロになってるのだ。外見は山の形を保ちながら、中身が喪われて空洞化してる「山地剥」の姿そのものやで。

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 ただ、これまたお断りしておくと、おらぁ今回のコロナ騒ぎを機に産業間での抜本的な労働力移動が始まってくのならば、それはそれで良いことぢゃなかろうかと思ってはいる。日本の社会や産業構造(構成比率や利益率のギャップだけでなく、様々な因習やしがらみまでも含め)がとうの昔に分水嶺を越え、あまりにも歪になりすぎてたのはそれはそれで事実なんだし、そこにへばりつこうったって場がシュリンクした以上掴まる場所はもぉないワケで、そんなんどうにもならない。鞍替えできるモノにドンドン乗り換えてくしかないやん。

 ・・・・・・最後に、何の励みになるか甚だ心許ないが、一つマメなことを書き加えて終わりにしたい。

 易もまた中国の占術が全てそうであるように、本来的には為政者たる君子が君子であり続けるため・・・・・・つまり権力の維持・発展のための秘密のツールとして成立したものであって、小人たる大衆のためにあるものではない。だから視点を逆にすれば、おれたちはこの「山地剥」の世の中では、実は剥ぎ取る側にいるのかも知れない。

 そう思えば、まぁちょっとは希望が生まれるってモンだろう。

2021.03.07

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