| ＫＹ／不謹慎狩り／剛力彩芽 |
 オマエが全部悪い！！（笑） |
| https://www.amazon.co.jp/より |
| 「気配」の語源は「気＋這い（けはひ）」らしい。 文字通り「気」が足許にスゥ〜ッと這って来るのである。想像するまでもなく元々は随分とキモチ悪いコトバだったのだ。また、読み方を変えれば「気配り（きくばり）」ともなったりする。 気配りといやぁ昔、鈴木健二ってＮＨＫのアナウンサーが「気くばりのすすめ」なんて本を出して、一大ベストセラーになったこともあったっけ。彼は「ツィゴイネルワイゼン」で有名な映画監督・鈴木清順の弟なんだけど、兄弟で随分違う方向に育っちゃったんだなぁ〜、って当時は思ったものだ。 いやいや、別に気配りなんて全然不要と主張したいワケではない。気配りは地域や社会、集団といった組織体が回って行く上で必要不可欠なモノであろうことは論を待たない。礼節や慮るコトは大事だ。会社でだって全く気配りのできない部下はやはり張り倒したくなるし、結果として空振りがままあるとは申せ（笑）、上司への気配りはいくらおれだってやってる。 しかし思うに、今のおれたちの社会はあまりにも「気配」の「気配」に満ち満ちている。言うまでもなく前者が気配りの方だわな。気配りを強要される空気で何だかひどく息が詰まる。その瘴気に窒息しそうなのも事実だ。 ･･････････････････････････････ そぉいや１０年くらい前には「ＫＹ」なんてコトバがガキを中心に大いに流行ったのを想い出す。「空気読めないヤツ」のコトらしいが、この場合の「空気」とは「その場の空気」である。ぢゃぁその「場」って何だ？っちゅうと、クラスとかクラブとかサークルとか、まぁどぉでも良いような集団だったりして、そんな程度の場の空気の何がそんなに守られねばならんのか、けっこうズレてるとは申せ一応は大人なおれでもサッパリ理解できない。ともあれそんな場の空気を読んで気配りをして、時宜を得た発言や振る舞いをするのがいつの間にか暗黙の了解事項になってしまった。配慮のできるガキ、ってこったね。 だからそんなガキ同士のコミュニティの中で誰かから「空気読めよ！」なんて言われるともぉ大変、たちまち全員から白眼視されコミュニケーション障碍者の如く思われ、イケてないヤツの烙印を捺されてしまうのである。 そんなこんなで若い連中は自然と鍛えられて（笑）、揃いも揃ってみんな、場を盛り上げることだけは妙に器用に長けた幇間みたいになっちゃった感さえある。神経症的なまでに場を白けさせないように必死に会話を弾ませる。言うまでもなくその姿は薄っぺらな割に痛々しい。 最近ではＳＮＳを中心に「不謹慎狩り」なんちゅうのもあったりする。つい先日の高槻・茨木を中心とした地震の後に、女優の山田優が「都内でタクシーに乗ってんだけど混んでてどーのこーの」ってツィートしたら、大阪で地震起きてんのに何を呑気にツィートしとるんぢゃボケ！みたいな返信が殺到して大炎上する事態になったらしい。 何でイチイチ、同じ国内とは申せ、遠く離れた大阪の、それも局地的に発生した地震にまで哀悼の意を表さんとアカンのか！？それが芸能人の有名税なのか？ちょっと税金として高過ぎやしませんか？おれにはまったく理解できない。みんな揃ってＡＣジャパンの真似事をせんとアカンのか？ 大体、そんな芸能人のツィートにへばりついて箸の上げ下げまでグズグズとケチ付けてるヒマがあるんなら、まずオマエが率先して被災地に行って片付けの手伝いでもしろや、って思うぞ。 一体全体、正義を隠れ蓑にみんな何をやっとるんだろうねぇ？何をやりたいんだろうねぇ？こぉいった愚民は。 その前の熊本地震では西内まりやが被災地を心配するツィートしたら売名行為だと叩かれ、長澤まさみはツレとメシ食ってるのツィートしたら叩かれ、井上晴美は自身も被災者になっちゃって現況をツィートしたら不幸自慢だと叩かれ･･････ほなどないせぇっちゅうねん！？っちゅうような状況になってる。何をしても叩かれるワケだ。 東日本の時にはツィッターがまだそれほどでもなかったせいか、不謹慎狩りは社会問題化することは無かったと思うが、あの時、間違いなく「天災の時には何が何でも自粛するんだ」みたいな雰囲気が醸成されたのは間違いない。そもそもはあれか、企業が軒並み右に倣えの思考停止で、バカみたいにＴＶＣＭ 停止したのが悪いのか？ いずれにせよ、社会的正義を隠れ蓑に尤もらしいコト並べながら「不謹慎狩り」には畢竟、有名人に対する激しい劣等感と嫉妬以外何もないってコトが良く分かる。こうして時代や世の中は着実に悪くなって行く。悪くしてるのは一般大衆なのだ。 最近では剛力彩芽インスタ全削除事件、なんてのもあった･･････っちゅうかまだ現在進行形か。ＩＴ成金の社長とデキたのが嬉しくって、浮かれてインスタにバンバン写真上げてたら叩かれまくって、大炎上の挙句、全削除と相成ったのだ。別に不倫でもなんでもない。フツーに独身の男女がお付き合いしてひたすらハッピーなだけのハナシだ。そこまでいちいち構うことでもあるまい。何がちゃうか？っちゅうたら男の方が３０００億とも４０００億とも言われる資産家で、女の方が事務所の猛プッシュにも拘らずイマイチ鳴かず飛ばずとは申せ、それなりに有名な若手女優ってだけだ。 まぁ、アワ食って消し込み掛けたのはプロダクションの方らしく、本人達はかなりタフで凹むコトもなく、その後も何事もなかったように嬉しそうなインスタが上がってるらしいから、それはそれで御同慶の至り、結構なことだと思う。 これだけは間違いない。ムッチャクチャにキモチ悪い人たちが市井に沢山埋もれて日々を暮してるのである･･････で、スマホなる発信器を持って己のキモチ悪さを世界に振り撒いてるのだ。それで溜飲が下がってるのか？カタルシスになってるのか？おれには良く分からない。 ･･････････････････････････････ これらの事象を考えて行くと、共通してその根っこにあるのはいつまで経っても全く変わらない村社会とか島国根性と呼ばれる我々の心理構造ではなかろうか？って気がして来る。「我々」と書いたのは他でもない。マコトに残念ながらおれにだって幾許かはあるからだ。 あまりにしつこくメールが来るので、先日賽銭代わりに２度目の寄付したウィキペディアには「村社会」って項目まであって笑っちゃったのだけれど、そこには次のような問題点が列挙されていた。出典が明示されていないのが残念なものの、かなりこれは良くこなれた省察だろう。ちょっと長いが引用してみる。
･･････記述した人、村に関して何かよっぽどイヤなことがあったんやろうねぇ〜（笑）。 現代社会を覆うイヤ〜なこの気配の気配はそのまま即ち、地域社会の力関係がいつまで経ってもキャリーオーバーされるマルドヤンキーやヤンキーの虎といった問題とも、ドラマで良くあるようなタワマンやらＰＴＡ、公園等でのママ友の問題とも、今や大学生の世界にまで広まったいじめの問題、あるいは体育会系ってな閉鎖空間で起きた日大アメフト部やアマチュアボクシングの問題なんかとも通底してるとおれは思う。 「因習に閉ざされた閉鎖的な村」は昔も今も変わらず遍く拡散しており、都市／地方の別なく日本の至る所で重層化した無数の見えない結界を張っているのである。くどいようだがそれは権力者がやらかしたことではない。おれたち自身がやった結果なのだ。まぁ、こんな国からはイノベーションなんてまかり間違っても生まれないだろうな〜。 そしてそれでもなお新たな結界を拵えるべく、気は這い、忍び寄って来ている。 先日読んだ記事で、八ヶ岳の麓の方で未だに土地の区長が絶大な権力持ってて移住者に対してトコトン冷たく、ゴミ出しの場所にゴミを出させることさえ認めない集落があるってのがあった。その非道を役場に訴えても役場の窓口が、その集落の者で区長の息が掛かってるモンだからどぉにもならないんだそうな。移住者は遠く離れた専用のゴミ捨て場に持って行くしかないのである。多分、北杜市のどっかではないかと思われる。 まぁ、元ネタがＳＰＡとかゲンダイだったんで盛りまくりの可能性が高いとは申せ、そんな前時代的で滑稽なまでの村社会と、上に掲げた諸問題は実は、薄皮一枚の地続きなのだ。 やっぱおらぁ世捨て人とか村外れの狂人、フール・オン・ザ・ヒルみたいになりたいな、ってつくづく思う･･････でもゴミは近くのゴミ捨て場に捨てたいな（笑）。 |
| ２０１８．０８．０７ |
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