「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
天災なのだ!


戦後最大の水害はやはり伊勢湾台風ではなかろうか?

http://blog.livedoor.jp/shyougaiitisekkeisi2581/より

 世界中で起きてる天変地異って、実はそんな発生件数に増減は無くて、毎年ほぼ一定なんだそうだ。でもそうは言うものの、この国に限って言えば、近年やっぱし天変地異は増えてるような気がする。生憎、手許に統計的な資料がないのであくまで個人の感覚に過ぎないんだけど、絶対昔より多いように思う。

 東日本大震災はまぁ今さらおれが言うまでもなかろうが、地震と連動するようにあちこちで火山活動が活発化してるし、何だか風水害も多い。アメダスが増えて観測網が整備され、より細かいメッシュで降水量を捉えられるようになったのもあるんだろうけど、「これまでに経験したことのないような」とか「数十年に一度の」、あるいは「観測史上最大」ってな表現が余りに乱発され過ぎて食傷気味に聞こえてしまうくらいにあちこちで集中豪雨が降ったりしてる。

 そいでもってこの度は西日本のひじょうに広い範囲でビックリするくらいの雨が降って、沢山の人が流されたり、崩れてきた裏山に押しツブされたりした。本当に気の毒な話だ。岡山や広島では大規模な洪水も発生して、さらには岡山だったっけ?アルミ工場が流れ込んできた水で窯の中で溶けたアルミが化学反応起こして大爆発起こして跡形もなく吹っ飛ぶ、な〜んて想像も付かない二次災害まで起きてる。
 最初、先日地震に見舞われた京阪神方面が大雨だっちゅうてるモンだから、うわ〜こりゃ泣き面に蜂やねぇ〜、って思ってたらあにはからんや、あれよあれよっちゅう間により西側の九州や中四国の各県もエラいことになったんで驚いた。これまでにないパターンでの影響範囲の広さだ。この分だと折角このところ落ち着いてた野菜の価格もまた跳ね上がるだろう。

 こういった災害が起きるとすぐに行政の責任云々を持ち出して「人災だ!」とか騒ぐバカがいるけれど、少なくとも治水に関しては我が国、また時の権力者たちは、ホント戦後どころか江戸の遥か昔から営々脈々と努力してきてると思う。庇い立てするワケでも、阿るワケでもなく、日本の行政において治水の占めるウェイトは古来ひじょうに高かったのである。
 今回の水害にしたって昭和30年代とかだったら、犠牲者は10倍どころか100倍くらいに膨らみ、水没面積も計り知れない広さになってたような気がする。

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 どんな災害もそりゃぁ堪ったモンぢゃないけれど、水害、特に洪水はとにかく汚くて臭い。オマケに後々まで町全体に影響が長引く。水はどんな隙間にでも入り込んで腐らせたりカビさせたりふやけさせたりするのでタチが悪い。少々の地震で家具やらが倒れたとしても、起こせばけっこう使えるし、色んな道具類も案外何とかなったりするもんだが、水害だけはホンマどうにもならない。
 電気仕掛けのものは基本的に全部アウトだ。今の時代しかし家の調度や什器類で電気仕掛けでないものを探す方が難しい。つまり全滅ってコトに他ならない。紙製品や木製品もアウト。一度濡れてふやけてしまうと決して元には戻らないし、大体何が入ってるか分からない泥水に浸かったモノだから乾かしてそのままつかうのも難しい。衣類や布団等の布製品は何度も洗えばひょっとしたら再利用可能かもしれないが、その可能性は極めて低い。泥まみれになった体操着の洗濯の大変さを想い出せばお分かり頂けるだろう。まぁせいぜい鍋釜茶碗の類くらいだろうか、復活させられるのは・・・・・・あんまし使う気にはなれんけどね。

 かくして家財道具がほぼみんなワヤになる。家にしたって日本は木造家屋が大半だろうから、これも一見何とも無さそうに見えても後から根太が腐るだの虫が湧くだのといったトラブルに悩まされる。昔ながらの旧家だと床下は礎石の上に柱が並ぶだけなので比較的風通しが良いけれど、最近の建売とかはなまじ家の形にコンクリートで囲むように基礎を打つから、一度水が流れ込んでしまうともぉタイヘン!全部畳と床板を上げて水汲み出して、さらに強制乾燥機か何かで熱風でも送らない限りいつまでも水は溜まったままで、年中湿気てカビ生えまくる冷え冷えした家になってしまうこと必定だ。床上浸水しなくて良かった〜、なんて胸をなでおろしてる場合ぢゃないのである。そんな状況が町全体に広がるのワケだ。せいぜい助かるのはマンションの階上の部屋くらいだろうか。

 これが水害だ。台風や地震でだって家ペシャンコになるやん!家財道具みんなワヤやん!地震・雷・火事・親父っちゅうやん!って思われるかも知れないが、実はきょう日台風や地震で全壊する建物ってそこまで多くは無いのである。台風は風よりも雨、地震だと本当に怖いのはその後に続く火事と津波だ。

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 幸いなことに、おれ自身はこれまで水害にやられた経験はない。せいぜい洪水直後の町に行ったことがあるくらいだ。そらまぁ何でも経験してみることは大事だ、っちゅうのがなんぼ常日頃からの思想信条ではあるとは申せ、コト天災に限っては衷心からご勘弁願いたいモンである。それにある程度は阪神と東日本経験したんだし、もぉホンマ、マジでこれくらいにしといて欲しい。

 そうは思うものの、そんな個人のちっぽけな願望など一切斟酌してくれないからこその天災であるから、これは出来る限りの自衛に努めるしかない。マジでそれくらいしかない。一人の人間の力なんて実に小さい。
 ぢゃぁどんなとこに住めば良いんだ!?

 谷間やその出口の扇状地は危険。
 裏にすぐ山が迫ってるのも崩れて来るから危険。
 急傾斜地は押し潰されるのも怖いが転げ落ちるのもあるから危険。
 崖の下は言うまでもなく危険。
 ため池の下は抜けるとイチコロだから危険。
 川の近くは洪水になったり流されたりするので危険。
 沼沢地の近くは地盤が緩いので危険。
 海沿いは津波の心配があるし高潮だってあるから危険。
 古い城下町は通りが狭くて消防車が入れないから危険。
 下町はブロック塀が倒れて来そうだから危険。
 新興住宅地の造成された雛壇は埋没谷で地盤が弱かったり開発業者が手抜きしてる可能性あるから危険。
 断層の近くは直下型だとモロに地震やられそうだから危険・・・・・・でも未知の断層だってあるぞ。
 火山の近くだけでなく北東方向だと結構離れてても偏西風で火山灰に埋もれるから危険。
 原発の近くはフクイチの二の舞みたいになりそうだから危険。
 原発だけでなく上記のアルミ工場の例もあって、化学工場や坩堝を持つような金属工場、鍍金工場なんかも危険。
 自衛隊の基地の近くは混乱に乗じて他国が攻めて来たりしそうだから危険。
 都市部は暴徒化した連中が強奪に来そうだから危険。
 田舎は災害後に窃盗団が来そうだから危険。
 山奥は交通が途絶しそうだし、救援も遅れそうだから危険。
 北国は災害に耐えてもその後の雪で家がツブれそうで危険。
 南国は台風が次々来るから危険。
 危険、危険、危険、危険、危険、危険、危険!!

 ・・・・・・殆ど勝手に1人大喜利状態になってしまったけど、要するに100%安全な場所なんて日本のどこにもないのだ。

 だからってニワカ坊主のようにムリクリに達観するのも業腹ではある。消去法でもなんでも可能な限り安全に住めそうな場所を探し、出来るだけ助かりそうな建物に住むしかない。しかし、この家っちゅうのがまた難物だ。

 安っぽい建売は危険・・・・・・どころか論外。
 木造は燃えるから危険。
 瓦屋根は重くて押し潰されるから危険。
 かといってトタンやスレートは風で吹き飛ばされるから危険。
 平屋は大水で逃げ場を失うから危険、

 ・・・・・・ああ、こっちはあんましネタが続かんかったな(笑)。

 ともあれこの数年、ドンドン高まってるおれの移住&隠居計画にそれこそ水を差す今回の大規模な水害ではあった。ホンマ、TV観ながら気分がダダ下がりになって行くのが分かった。

 だっておらぁ、岡山〜広島方面を第一候補に挙げてたんだもん。トホホホ。 

2018.07.10

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