「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
異相の男にゃ気をつけろ!


何とも摩訶不思議な顔だよなぁ〜・・・・・・

 遠隔操作ウィルス事件で証拠不十分で保釈となってた片山祐輔っちゅう、まことに面白いっちゅうか、玄妙っちゅうか、個性的っちゅうか、一目見たら忘れられない、何とも言えぬ御面相の男の保釈が取り消される、ってなニュースをやってた。

 へぇ〜、何か新たに決定的な証拠が見つかったのかな〜?と思ったら全然そんなんではなかった。保釈後、真犯人を名乗るメールが報道各社に送られて、コイツは「ほれほれ!だからボクは無実っしょ!?」なーんて記者会見まで開いてたのが、実は保釈後もシッカリ尾行が付いてて、コヤツが荒川の河川敷にスマホ埋めて、タイマー発信か何かで送信したのが判明したのである。完全な自爆だ。日本の警察のしぶとさを過小評価してたんだろう。ほいでもって筐体にDNAが付着してたらもう逃げも隠れもできへんわな。進退窮まった彼は失踪したものの、僅か1日か2日でノコノコ出て来て収監された。死のうとしたけど死ねんかったとかナントカ、現実世界ではとことんヘタレだったワケやね。まぁ、死んでたところでどぉでも良かったんだけど・・・・・・。

 それにしてもバカな男である。ジタバタせずに大人しく元の通り、地味にIT企業の派遣だか何だか分からんが、リーマン続けてりゃ良かったのだ。絶対に自腹では雇えないような、冤罪裁判とやらで一旗上げたい自称「人権派」な腕利き弁護団がシッカリバックに居ったっちゅうではないか。殆ど無罪は確実だったのだ。

 来歴を調べてみると彼、元はナカナカのお坊ちゃんで、それがどっかで歯車狂ってエリートになり損ねた人間だった、ってコトが伺える。父親は元祖ITガリバーのそれなりの要職にあった人で著作多数。本人もやんごとなき方が通われるのでつとに有名な学校を中高一貫で卒業し、理系単科大では名の通った私大に進学してるくらいだから、それなりに頭脳明晰なんだろう。どだいまるきりのアホではここまで手の込んだIT犯罪はムリだわな。
 しかし、転落への陥穽は誰にだって、何処にだって、ある。彼の場合、蹉跌は中高でいぢめられた頃から始まり、コミュニケーション能力なくて大学を中退したあたりから本格化したようだが、10年ほど前にとうとう世間を大いに騒がす事件を起こしてしまう。「エイベックスののまネコ事件」ってヤツだ。内容的には遠隔操作ウィルス事件とよく似ていた記憶がある。これでどれくらいの量刑が課せられたのか良く分からないけど、まぁしばらくは喰らい込んでたようである。見事にこれで前科者。

 どう考えたって2ちゃん上での騒ぎに便乗してチョーシくれた本人が悪いのに、この時ヘタ打ったコトがよほど本人の自尊心を傷付けたようで、(・・・・・・ったって、結局それも本人がヘマぶっこいたからパクられたんだけど、笑)、こうしてシトシトと蓄積した憤懣が遠隔操作ウィルス事件に繋がってるワケだ。実に執念深い。何としてでも自分の頭の良さを知らしめ、世間の鼻を明かしてやりたかったんだろうなぁ〜。

 時として挫折や劣等感が、超人的な努力や世に出て功成り名を遂げる上での大きな原動力となることは古今の有名人に於いてケッコー普通に見られる。野口英世だってテンボーでなかったら、平々凡々たる農夫で一生を終えてたかも知れないのだ。豊臣秀吉だってそう。貧乏な生まれだったからこそあそこまで頑張った。一方、アドルフ・ヒトラーは画家でフツーに成功してたらあんなことにはならんかっただろうし、ああ、麻原彰晃も盲人すれすれの視力に生まれついてなきゃあんな大それたことはしでかしてなかったろう。

 つまり、その向上心や功名心、自己顕示欲は復讐心とさほど遠くない地平にあるワケだ。どう転ぶかは分からない。

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 こん回の事件のちょっと前に3Dプリンタで実弾発射できる銃を作ったカドで、居村佳知なる湘南工科大学って学校の職員が逮捕されていた。3Dプリンターで積層させた樹脂から作った自作の鉄砲を試射する模様を動画サイトにアップしてた、っちゅうんだからアホである。いろいろ主張はあるだろうが、日本は銃に関する量刑はひじょうに重い。花輪和一だって、錆びてスカスカになってたのをセコセコとレストアしてたってだけで、結構な実刑判決を下されたのだ。実際、その銃はまだ完成には程遠い状態だったのに、だ。

 ・・・・・・で、この男もまぁ何とも名状しがたい御面相で、前段の片山某がいささかユーモラスな感じを与える風貌なのに対し、こっちはどこまでも鬱陶しそうな印象。顔の部品が妙に真ん中に寄ってるのがちょっと地獄のミサワのマンガのキャラっぽくもある。実際見た目の鬱陶しさ通りの性格だったみたいで、銃とメイドに対する偏愛が半端なかったコトが、恐るべきネット住民のリサーチによって判明している。
 余人には理解しがたい・・・・・・つまりはとことん独善的で偏執的な性格が余すところなく発揮された主張をネット上で繰り広げてるのが今でも閲覧できるので、興味ある方は一読してみられては如何だろうか。

 まぁこっから先述べるのは上と同じような流れなんで、もうクドクドは書かないが、とにかく二人に共通するのは、要は異相と言って良いくらいにブサイクってことだろう。典型的なモテない君だ。オマケに対人能力が極端に劣るコミュニケーション障碍者と思しき点が多々ある。そんな顔だからそんな性格になったのか、そんな性格がそんな顔に現れたのか・・・・・・恐らくは両方なんだろうとは思うが、いずれにせよそこに劣等感の最大の根源があったのはもう間違いないようにおれには思われる。そぉいや黒子のバスケ事件の犯人である渡辺博史っちゅう30過ぎの男もそんな感じだったっけ。パクられたときにヘラヘラ笑ってたのも似てるな。

 実にしょうむない話だけど、ただただもちょっと男前に生まれてたらここまでエラいコトはしでかしてなかったんではないだろうか?って気がする。それでコミュニケーション能力が何か救われることはないにせよ、それなりにカノジョ拵えたりなんかして、楽しく学生生活なり社会人生活なりを過ごすことができたのではないか?ここまで歪んだ自己顕示欲が発露することもなかったのではないか?・・・・・・おれにはどうしてもそぉ思えるのだ。

 「人は見た目が9割」ってな新書がしばらく前にベストセラーになったけど、ありゃ本当だ。残酷な真実だ。そして残りの1割は話し方と声質でほぼ決まる。性格や話してる内容なんて実はあんまし関係ないのである。それは理屈ではどうにもならない矛盾だらけの現実なんだけど、何せコミュニケーション能力がちょっとアレな人にはどうしても理解できず、悲哀を味わうことになる。そして言うまでもなく鬱屈した思いもまた自己顕示欲と極めて近い関係にある・・・・・・。、

 ・・・・・・おれもあまり威張れた御面相ではないんでエラそうには言えないな(笑)。

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 今回、おれはネットの功罪とかそんなんを言いたいワケではない。ネットは暴走を加速させる一種の触媒みたいな存在に過ぎなかったように思う。実のところ、このテのたいていは男による犯罪は、手段こそその時代の文明を反映してるとは申せ、構造的にはティピカルなパターンであって新味に乏しいとも言える。

、これらの事件を俯瞰しておれが言いたいのは哀しいまでに単純で冷厳な事実だ。ヘンな顔した奴には人格的にもヘンな奴がやっぱし多い、異相の男にゃ気をつけろ、ってコト、それだけだ。一方で外面如菩薩内面如夜叉、なんちゅう反例が数多くあることを踏まえてもなお、そう思う。


何とも鬱陶しい顔の居村佳知。銃マニアにしてメイドマニア・・・・・・トホホ(笑)
2014.05.21

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