「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
そら結婚願望もなくなるわ


これが「勝ち組」の実態だ!いや〜、けっこな会社おまんなぁ〜(笑)

http://d.hatena.ne.jp/LM-7/より

 若い人で結婚願望のある人、あるいは子供が欲しいって〜人がドンドン減少してるんだそうな。こりゃもう間違いなく日本の人口は今後大幅に減って行くんだろうが、そりゃ困る!っちゅうてるのは結局、年金の財源がなくなったらたちまち生活に窮するジジィ・ババァばかりであって、その己が老い先の短さを省みない貪婪ぶりが露骨に透けて見えるだけに、いっそう若い人から結婚したい!子供欲しいって気持ちが失せていく。まるでデフレスパイラルのような話である。

 もし、昔のようにちゃんと耕作したとしても、日本の国土が養える人口は3,500万から4,000万人くらいではないかと言われている。今の1億数千万の人口が実はそもそもシンガポール並みに異常だったりするのであって、食料自給率目標が100%ではなく40%っちゅうのにしても案外冷酷な見立ての上に算出された数字らしい。
 人口が減るのは仕方ない・・・・・・っちゅうか、減って行かなくちゃどうにもなんないのだ、この国は。

 しかし、今日書こうとしてるのは人口減少のことではない。実際、若い人に冒頭に申し上げたような方が増えてるのもそら分かるわなぁ、と言わざるを得ない状況があるってコトだ。

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 おれは妻帯者で子供も二人いる。世間的にはサラリーマンで、そんな大した立場ではないけど一応管理職とかいう役があって、部下なんかもチョロッといたりする。40代のオッサンとしてまずまず標準的なケースではないだろうか。所得的に見ても、新聞やテレビで減税がどうのこうので取り上げられるモデルケース+チョボチョボくらいは貰ってる方だと思う。

 しかし、絶えず窮乏感がある・・・・・・いや、勤め人になって以来、一度も潤ったなぁ〜、と実感したことはない。せいぜい少し息をつけた、多少楽になったかな?くらいである。
 もちろんそれはおれの、酒は飲むわ煙草は吸うわ、本は買いまくるわ、楽器は買うわ、後先考えずに家やクルマのローン組むわ、温泉や野宿やスノボに行くわ、唯一の取り得は博打しないだけ・・・・・・ってなエエ年こいてちっとも我慢を知らない浪費生活に、全部ではないにせよ大いに原因がある。
 あるのだけど、それは独り者の時からあまり変わってないのであって、どうにもこの歳になっても、新聞で取り上げられる程度にはお給金を貰いながらも、未だにこんなにピーピーしてるのはどこか社会の仕組みにだって問題があるのではないか?って気がしてきたのである。

 そんなもんで、試しに自分の年収を1年間の働いた延べ時間で割ってみた。残業の割り増しだとか、盆暮れや有給休暇、ボーナスがどうこうとかそんなんは全部コミコミで、単純に1年間の総年収を1年間実際に働いた延べ時間で割ってみたのである。行き帰りの通勤時間を入れるのはちょっとフェアでない気がしてこれはオミットしたが、出張とか研修とか外部のセミナーや展示会の見学も仕事っちゃ仕事なんでこれは働いた時間に含めることにした(チマチマ外すのがめんどくさかったのだ、笑)。いわば「純粋時給」っちゅうか「絶対時給」っちゅうかそんなもんである。

 ・・・・・・答えはおよそ4,500円であった。

 たしかに低くはない。ちょっとしたアルバイトがこの近辺だと時給800円とか900円とかで募集してることを思うと、その5倍以上なんだから絶対額としては低くはない。実にありがたいことだ。ところがこれは手取り額ではなく、ここから税金だとかなんだとかたくさん差っぴかれてる。どうだろ?何やかんやで毎月2割くらいハナッから毟り取られてるんぢゃなかろうか?さらにはこの金はおれ一人の金ではない。家族みんなの生活費なのである。
 んなワケで、天引きされるもんを考慮し、さらに家族でアタマ割りにすると900円くらいが実態としてのおれの時給、って捉え方ができる。ムチャクチャな算出方法だけど、かなりリアルな金額だ。これなら何となく自分の置かれてる日々の状況に照らしてピンと来る。
 しかしそれはつまり、日曜になると新聞に挟まってる折込チラシの時給と変わるところがないどころか、ヘタすりゃ安い。みなさんも試しにやってみたらどうだろう?200円とかの答えが出て絶望的な気分になっても知りまっしぇん。

 学生の頃、京都市内のアルバイトの時給は卒業する頃で650〜700円くらいだった。家庭教師っちゅうボッタクリ商売だと、石を投げれば学生に当たる京都は安かったものの、実家のある大阪では交通費コミコミのメシなし2,500円前後でくらいでいくらでも応募があった。いろいろやって一番稼いでたときはおれは毎月手取りで25万円くらい稼いでた記憶がある。まぁそれは一介の大学生としてはズバ抜けて高かったし(平均的にはみんな7〜8万くらいが多かった)、それでも毎月金がなくなってピーピーしてる出鱈目で自堕落な毎日ではあった。だが、ともあれ金回りだけで言えばその頃から較べると随分な零落振りではある。要は、純粋時給は上がってないどころか下がってるのだ。

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 個人的な愚痴を言いたいのではない。どだいおれは今のその実質900円の時給には半ば諦念にも似た妙な納得があって、さしたる不満はないのだから。

 言いたいのは、間違いなく分配しなければ、すなわち家族がいなければ、多少家族に応じた手当が減り、税金は上がるものの900円よりは高くなるワケであり、そんなんだから結婚したい人、子供の欲しい人が減ってるんぢゃないか?ってコトだ。この時給900円、いささか自嘲気味に書いたけれども、勿論それはネタである。冒頭に掲げたグラフにプロットしてみると実は年収水準としておれは決して低くはない。つまり、世の中にはもっと遥かに低い人がウジャウジャいて、そんでもって、そんな中でも結婚しなけりゃ、子供持たなきゃそこそこ面白おかしくやってける、だけどもし家庭なんて持とうもんならたちまち全く何一つ余裕がなくなってしまう・・・・・・ってくらいの層が大勢を占めているのである。
 これだけサラリーマンやOLが多いにもかかわらず、独り者を続けてた方がよっぽど暮らし向きはラク、養うなんてとてもとても・・・・・・あるいは、結婚しても共働きで子供なんて要らないよね、だって遊べなくなるじゃ〜ん!なんて〜気持ちを若者が抱いてしまうような、働いてヨメや子供が出来ても生活水準はあまり向上しないどころか逆に下がるような、一人でいた方がよっぽど生活水準が高くいられるような給料の仕組みに世の中がなっちゃってるんである。今の高額ブランド商品の購買や海外旅行といった個人消費を支えている年齢層・職業層を見ればその事実は明らかだ。
 なのに、若い世代の意識が変わったことばかりを責めるようなメディアの論調はいかがなものかと思う。ああ、マスコミ給料いいもんね(笑)。だから分からんのだな。

 この状況に、雀の涙ほどの「こども手当」や、子供生んだら100万円!とかの刹那的っちゅうか姑息療法的対策がどれほど有効なのかおれは甚だ疑問だ。そりゃ〜、鳩山君なみに11億円もこども手当が出れば話は違うだろうけど、そんな底の浅い刺激策ではどうにもならんとこまでこの国は来てるような気がする。しかししかし、ひょっとしたらこのバラ撒き弥縫策こそが、来るべき人口減少に向けての実に老獪な政治家や官僚共の戦略なのか!?って気もする。ヤツ等の考えることは深すぎて分からんからなぁ・・・・・・だとしたら怖いわ。

 何かの提言をするみたいな思い上がった気持ちはないし、人口が今後減っていくのは不可避のことだとも思ってる。けど、やっぱ、こんなけ勤め人だらけの世の中なんだし、もちょっとその枠組みの中で結婚したり家族を持つことについてみんなが素直に夢が持てるようでないとアカンのとちゃうやろか?とも思ってしまう。

 どぉなんっしょ!?

2009.12.13

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