「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
ニッポン、三船美佳計画


この人っす。女優だけあってずいぶん綺麗な方やね〜。

http://www.monipop.com/より
 日テレで「14才の母」っちゅう番組をやってる。まぁ、ミもフタもない言い方をすると、中学生同士が盛り上がった勢いでイッパツやっちゃったら、ものすげー打率でヒットして妊娠しちゃいました〜、と。んでもって、周囲の奇異・非難の目に耐えて晴れてリッパな母となる・・・・・・みたいに今後ストーリーが進んで行くんだと思う。
 そういえばズーッと昔「ママは14歳」ってな本があったと思う。もうずいぶん古い話で細かい内容は忘れたけれども、アメリカであった同様の出来事のルポだかドキュメントだかだった記憶がある。ひょっとしてこのドラマの元ネタなのかもしれない。

 ・・・・・・と、このようなイントロから始めると、とてもキワモノっぽく思われてしまうだろうが、今回はちょっと大真面目な話をしてみよう。

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 今、我が国は未曾有の少子高齢化社会を迎えようとしている。これによっていろいろ困ったことが起きる。まず労働人口が絶対的に不足する。年金や健康保険の積み立て額が不足すると同時に歳出は増加し、若い世代の負担額は上がる。医療費や社会のさまざまな福祉関連コストが高騰する。ヨイヨイになっても面倒を診てくれる人が足りない。何だか国全体の活気がなくなる(最近のジジィババァは元気だけどね、笑)。
 まぁとにかく、人口の年齢構成はとてつもなく異常なことになって来てるのだ。最も火急の問題としては、労働人口の不足だろう。2007年問題、なんて言われてるけど、マジで団塊世代が定年を迎えたあと、ジックリジックリと労働人口は減少の一途を辿ることが確実だ。

 なもんで、近年、取ってつけたように「女性の活用」なんてコトが言われ始めた。なんか動機が不純だよね〜。さんざ今まで軽んじておいて、人手が足らなくなったらチヤホヤかい、って感じ。企業がこんな態度だから、日本の成長を支えた終身雇用は崩壊したんだろうな。
 「ポジティヴアクション」なーんて、スカした呼称のバカな取り組みを大真面目に議論してる企業も多い。断言すると語弊はあるけど、要は女性にゲタはかせて、多少能力低くても転勤しなくてもみっちり産休・育休とっても、大甘の評価で管理職に昇進させて、企業での女性活躍の数字を手っ取り早く作ろう、って寸法だ。それで会社ツブれたらどないするツモリやねん?
 多少現実的なところでは企業内に託児所や保育園を作ろう、なんて動きもあるが、なかなかコスト的には見合わない。その他、勤務時間の短縮やら育児休業期間の延長、外国人労働者の積極的な導入・・・・・・あれやこれや各社ない知恵を絞っている。その内、国の方で移民政策が取られるかもしれないな。

 ところが、企業に就職した女性の50%が大体5年以内に退職する、と言われ、実際問題、出産・育児の手間と重要性を考えると、それらと腰掛けではないキャリアアップを前提とした会社勤めとの両立は極めて厳しいのが実態だ。

 考えてみよう。
 確率的に言って今の時代、管理職以上のいわゆる「幹部社員」になるのは4大卒が多いだろうから、それに通常の結婚・出産年齢・出生数(2人)を勘案すると、勤めを持った女性の歩むケースは大体こんな感じでないといけない。

 23〜4歳で卒業・就職
 27〜8歳で結婚
 28〜9歳で出産
 29〜37歳は第二子出産やら子育てで、マトモに一人分の仕事にならず。
 37歳〜、現役はなれて10年近くたってどないもなりまっしぇん・・・・・・あらっ?

 ・・・・・・女性が大学出てからフツーに結婚・出産しマトモに働くことはひじょうにむつかしいことなのだ。仕事もキチンとしよう、子育てもシッカリ自分の手でしよう、などと言う真面目な女性ならなおさらだろう。おれはそんな風にして勤勉で優秀な女性が辞めていったのを何人も見ている。本当に口惜しい。
 この問題を狡猾な国は、企業に金銭含めいろいろ負担させて、社内制度の枠組みの中で何とかしろ、ってスタンスだ。そんなんゆうたかて、各社にしたって到底余裕シャクシャクの状態とはいえない。企業はいつまでも国の都合のいい財源ぢゃないのだ。

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 問題の根本は、「学習」「労働」「出産育児」の各フェーズにおいて、「学習」が独立し、そしてその期間があまりに長いからこんなコトになるんぢゃないか、とある日気づいた。
 思えば義務教育だけで9年、その後に高校・大学で7年、最近は大学院進学率が上がってるからヘタすりゃ9年だ。浪人や留年すればさらに延びる。つまり、実に合計16年以上の長きが「学習」だけ、のフェーズとして費やされるわけだ。そんでもってその後半の4〜6年間は、クラブだサークルだアルバイトだ合コンだ、と目いっぱいモラトリアムを享受する。

 ハッキリ言って長過ぎる。
 この10何年を有効活用するしか、もはや術はないんぢゃないだろうか?

 要は、「学習」のフェーズと「出産育児」のフェーズをいっしょにするってことだ。「14才の母」では、ちょっとまだ肉体が付いていけない人がいるかも知れないが、16歳の母、くらいなら、平均的に言って母体の安全面は確保されていると見て間違いないだろう。そうするとロードマップはこうなる。

 15歳で結婚
 16歳で出産・高校進学
 18歳で第二子出産
 19〜20歳で大学進学
 23〜4歳、第一子小学校進学、本人卒業もしくは大学院進学。
 25〜6歳、第二子小学校進学、本人就職。

 なんと第二子が中学に上がってもまだ30歳である。本人の年齢からも、子供の手がかからないってことからも、バリバリに働くことが可能だ。

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 他にもメリットは多い。例えば高年齢出産は、母体の負担が極めて大きい上に、自閉症をはじめとした障害児のできる確率がひじょうに高くなる(理由はまだ解明されていない)のだが、そういった問題からかなり開放される。
 万一、家庭生活が上手く行かなくって別れた場合も、現状よりはるかに収入の不安を感じないで、女性が自活できるようになるだろう。それに別れてたってまだ若い。もう一度新しい相手とめぐり合って新しい家庭を築くチャンスも大いに増える。
 淫行、なんて概念も成り立たなくなる。おれは新聞雑誌等で中高生の性体験率の数字を見て、彼女たちとのセックスが犯罪と言われるのはかなりナンセンスなことではないのか?と常々思ってるのだが、何せ結婚・出産しちゃうのだから淫行もヘチマもないわな(笑)。

 育児しながら学習できるか?って?

 間違いなく大丈夫。現在、日本のカルチャースクールのかなりの割合が、育児休業と称して長期休暇を取ってる女性によって支えられているのだ。それに、それこそ今の時代、e−Learningをもっと活用すれんばいいんぢゃないのかな?くだらねーメールや電話、出会い系へのアクセスに時間使ってるんだから、勉強の時間なんていくらでもあるって。
 大体本人の親もまだ若いから、よしんばちょっと孫の守りをすることになっても肉体的負担が少ない。

 ともあれみんな、「成人が20歳」ってことに何の疑問も抱いてないどころか、「子供時代を長く過ごさせることが文化的」なんちゅう、まったく根拠に乏しいバカげた考えをアプリオリに持ってないだろうか?
 おれは全然そうは思わない。

 たしかに、仕事と結婚・出産を従来の年齢の枠組みの中で両立させている女性もいる。しかし、その多くは本人が際立って秀でている上に、両親が同居もしくは近所におり、さらには時間の融通が利く研究職や教師といった、一般的な競争社会からいささか隔絶された世界にいるケースが目立つのが実態だ。
 したがって早婚・早い年齢での出産は、多くの女性が真の意味で自立を促す一方で、日本の黄昏とも言える少子高齢化の現状に立ち向かい、もっと言うなら今なお日本にはびこる男性原理主義を打破する手立てとして、おそらくは極めて有効であろうと思っている。

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 そんなんゆうたかて相手も中学生でどないして生活やって行けまんねん?って意見もあるだろう。

 カンタンなことだ。歳の差結婚すりゃぁエエのである。15も離れておれば生活力は相当あるだろう。それにそれでも30歳である。
 ようやくタイトルの三船美佳さん登場。「世界のミフネ」の娘であるこの人、なんと16歳で24歳年上の高橋ジョージと結婚して、とっとと子供産んぢゃった。Wikipediaによるとどうやら熱心な創価学会員らしく、その点が根っからカルト嫌いのおれとしてははなはだ気に食わないのだが、その点以外はほとんどおれの主張のモデルケースと言って構わない。いや、これでも2年くらい遅いか。

 「15でねえやは嫁に行き」でいいのだ。
 貧困ゆえではなく、優秀な能力を活かすためならば、早婚・早期出産はもっとあっていい。

 
2006.11.05
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