「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
BROMO Electric Accoustic Guitar " BAR5CE "

 
十何年ぶりにアコギを新しく買いました・・・・・・いや、タカミネはとても気に入ってんですが、如何せんカッタウェイがないんでハイポジションが弾きにくいんですよ。

それに最近、ひじょうに楽器にとっては劣悪な環境でギター弾くことも多いし。

・・・・・・なもんで条件的には「お手頃価格でガシガシ使えて、とにかくフロレンタインカッタウェイであれば何でも良し」で探しました。
それで、昨年登場し、アタマおかしいくらいの価格破壊で話題沸騰のインドネシアの新興ブランド・「ブロモ」を試してみることにしました。

"BAR5CE"といって、買った時点ではハイエンドモデル・・・・・・ってお値段は税抜で6万チョイでしたが(笑)。それでもトップは・スプルース、サイドバックはアマラエボニー、いずれも単板仕様。オールソリッドですわ。

ブランド名はブロモ山って近くに聳える火山にちなんだもので、それをモチーフにしたヘッドが可愛い。
ナット素材は人工象牙・「TUSQ」の廉価版であるNUBONE。何がどぉ廉価版なのかはよく知りません。

ちなみに作ってるAKTってファクトリーはクラシックでは「ヴァレンシア」ってのを昔からやってます。一説にはヤマハのアコギもOEMで手掛けてるとかいないとか。
ポジションマークも火山柄。チャンとアヴァロン。

まぁ、日本で「富士」とか「浅間」って名付けるようなもんでしょう。

指板の目の詰まり方は悪くないです。
ボディ周りやロゼッタにもびっしりアヴァロンが奢られています。

ちなみに表面塗装は艶のないサテン仕上げでかなり薄め、ピックガードはありません。なので保護のため、その後透明ピックガードを貼りました。
ココがいっちゃん気に入った部分。

撫で肩でちょこっと尖っただけのフロレンタインカッタウェイが何ともプリティ。ES−175みたく深くて尖り過ぎてるのはイヤだったんです。

しかしこうしていささか中途半端なえぐり方になってるのは、どうやら単に真下をブレイシングが通ってるためみたいですが。
ブリッジピンにもアヴァロンのワンポイント。

後述しますが、ブリッジサドルはナットと同じくNUBONEが純正のところ、購入後すぐにTUSQに換装されてます。
「トーンフロー」ってココのパテントという、細長い穴がいくつも空けられた少し背の高いブレイシングが見えます。

この穴によってそこまで音色的に有意な違いはあるんでしょうかねぇ・・・・・・。

音は音量・サスティンともに良好。ただ、単板でエボニーだったらもう少し締まってキラキラしてても良かったかな?
フレットエッジの仕上げの丸め方も良好ですね。

弦高はストック状態でかなり低めでしたが、サドル交換によって少し上がりました。また、1弦3弦、2弦4弦でのオクターヴは合ってるのに1弦4弦、2弦5弦では合わないという事象も発生するようになりました。

まぁ、これはアセらずしばらく弾き込んで、ネックが安定したらナットやフレット含めて調整しようと思います。
2ピースブックマッチのバック。

この個体では波打つような独特の大胆な木目が出ており、これもとても気に入った部分。

アマラエボニーという材は、古来珍重される本黒檀よりは僅かに軽軟ですが、それでもそこはエボニー、腐っても鯛ってワケでかなり重硬で、昔から仏壇によく使われて来たみたいです。

最近よく名前を見掛けるマッカサルエボニーと多分、大差ありません。そもそもアマラもマッカサルも材木積み出し港から取られた名前ですし。
ネックは同じくアマラエボニーのレインフォースメントが入ったマホガニーの5ピース。

・・・・・・ま、今時マホガニーっちゅうたかて何だか良く分からんヤツでしょうけど。
ネック付け根の一番分厚くなった部分は別のマホガニーで割り接ぎになってますね。

ちなみに12弦モデルがその後出されましたが、それは張力に耐えるよう、ここが全部5ピース材の削り出しになってたりします。
ネックエンドにも火山柄インレイ。

ちなみにバインディングはフレイムメイプルが使われておりとても美しい。
ネックエンドの割り接ぎが良く分かります。
最近のアコギってここにストラップピンが打たれてることが多い気がします。
グローバータイプのトルク調整ボルトの付いたペグはオリジナル。

ぶっちゃけコイツの出来はイマイチかも。
009バッテリーの口の付いたシールドジャック。

今や安物エレアコ御用達ともいえるフィッシュマン・「ソニトーン」が入ってます。
まぁ、ピエゾ素子の棒がサドル下に挟まれてるタイプで、フツーに音は拾いますけど、ストックではやはり値段相応ですね。

噂では1000円ほどでメーカーは仕入れてるみたい。
ロゼッタ部分の拡大。

「カウボーイロープ」って意匠だそうです・・・・・・インドネシアにカウボーイがおるんかどうかは知りませんが。

一番内側はまたもやアマラエボニー。
ブリッジ素材もアマラエボニーで、意匠はこれまた火山柄。

実にギター全体に火山柄は16ヶ所、しつこいほどあちこちにちりばめられてます。
表の突板もアマラエボニー。

ちなみにトラスロッドは最近主流の2ウェイ。
裏の突板はおそらくマホガニー。

表裏、両方に突板貼ってあるのは珍しいかも。
ボディ部分を拡大。

少し小ぶりなボディであることが分かります。
トップのスプルースを拡大したところ。

ソリッドっちゅうだけでまぁ、グレード的には一般的なスプルースでしょう。
ジャックがエンドピンと別になってるので、最初は違和感ありました。

レスポールとかテレキャスみたい。
このギターの一番の問題はココ!

何とサドルの溝がガバガバで、ストック状態では、サドルが真っ直ぐ立たず、大きくナット側に傾いてました。

こりゃ明らかにNCルーターの設定ミスでしょう。

・・・・・・で代理店に言っても、最初穏やかに伝えたら「標準仕様です」の一点張りでテキトーにあしらおうとして聞く耳持たないんで、ネッチリと理詰めで論破して、ようやっと不承不承対応してくれた次第。すげぇ手間掛かりました。

恐らくエントリークラスのギターなんで、ユーザーに大した知識がないと足許見てやがったんでしょう。二度とここの扱う商品は買いません。
ブランド・モデル名は廉価版はシールなんで、焼き印で地味に差別化を図ってるようですが、そこに拘っても仕方ない気がします。

それよりサドルの溝をサドルの厚みにチャンと合わせろ、と。そこが基本ちゃうんか!?

ちなみにその後サドルの問題はシレッと仕様変更され、解消した模様。
  ・・・・・・とまぁ、こうしたトンデモなアラや、細部の仕上げに雑なトコが散見されるのが忌憚のないトコですが、全体としてはかなり真面目に作られてる気がします。

ケースもオマケにしては厚みもあって上出来。

インドネシア製ギターって、これからますます伸びるんぢゃないか?って気がしてます。
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