「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2017 福島(三日目・後半)

いやぁ~「道六館」、おもろかったっす。
朝早いのもあったでしょうが、こんなに楽しい高柴デコ屋敷、意外にお客さんが少ないのはちょっと惜しい気がします。
う~ぬ!彦治民芸侮りがたし!
天気が良いと、花の発色もヌケが良く写る気がしますね。
ちょっと離れたところにある「橋本広司民芸」ってトコにも寄ってみることにしました。
間違いなくこっちの店の方がシブい!

写真は先代のデコ作り名人だそうです。
ちょっと薄暗い室内といい、並ぶ人形の古拙の表情の素朴な味わいといい、ある種「迫ってくる情念」みたいなものがこの店には感じられます。
縁側に並べられたダルマの木型。

多分、濡らした紙でハリボテを作るんでたまにこうして乾かしてるのかな?
ずぇ~んぶダルマの木型、エノキ茸みたいになってますね(笑)。
こちらのお店はギミックが無い分、却って惹かれるモノがあります。
何とも言えない表情のダルマの迫力を強調してみました。
ホントこの店、どこを撮っても絵になる気がします。

多分それは、演出ってコトを考えてないからではないかと・・・・・・。
ここでは自分たちの干支にちなんだ置物をいくつか購いました。
隣は私設の「デコ屋敷資料館」となってます。

鍵を開けてもらうのも大層で、外から眺めただけでパス。
さらに少し南下して日枝神社へ。

名前からするに天台宗系でしょうね。
入口は何てことない田舎のお社です。
手水鉢を兼ねてると思われる舟石。

ここまで舟っぽいのは珍しいので、人の手が加わってるのかも知れません。
由来書。

読むと元は「岩神社」って名前だったとあります。
うわぉ!

急な参道を登り切ったトコにヌーッとこれ。ちょっとモンスターっぽい。
かなり巨大なことが分かりますよね。

右側は拝殿で、さらにその裏の本殿は崖の中にめり込んでるそうです。
裏から見たところ。

何となく渦巻文様が刻まれてるようにも見えますね。
この感じだと裏山には磐座があるのではないか?って気もしましたが、斜面が急なので断念。
境内には他にも巨石がありました。

御多分に漏れず藪蚊の襲撃を食らってバタバタと切り上げたのがちょっと悔やまれます。
さらに南下して郡山市北方、これまでマークしながらも行き損ねてた守山温泉に寄ってみることにします。
意外に立派な旅館やんか。

ちなみにこの「七海荘」、内湯の混浴という噂です。
・・・・・・ガーン!留守でやんの!

残念!!久しぶりにヤル気出して立ち寄り湯したのに。
お腹も減って来たので須賀川駅近くで何も考えずに見付けた蕎麦屋に入ったら、これがもぉムチャクチャに大当たり!
このカキ揚げの見事なコト!出て来るのに時間が掛かったのも止む無しの大きさ。

驚くほどの具沢山で揚げ方も絶品。
そして肝心の蕎麦がこれまたチョー美味い。

更科系の細めで白くて上品な蕎麦です。
そしてヨメの食ったのが「すだち蕎麦」。

見ての通り、薄い輪切りのすだちが一面に冷たい出汁の蕎麦の上に載ってます。
天麩羅も衣薄めで上品ですね。
一口食べさせてもらいましたが、香りと酸味がエキセントリックなすだちと蕎麦が不思議と喧嘩しておらず、とても美味かったです。
相当蕎麦には拘りがあるようで、失礼ながらこんな片田舎の閑散とした駅前通りの外れってコトで少々見くびってました。
須賀川・「菊屋らん丸」・・・・・・もし蕎麦好きならば覚えておいて損はないと思います。思わぬめっけモンでした。

ちなみにこれほど蕎麦に拘りがあるのに、饂飩にも拘りがあるようです。
さらにダーッと南下して到着したのが鏡石西方、川っぺりの低い山の麓。

こんなところにホンマに巨石系あるんかいな?ってなロケーション。
・・・・・・ありまんがな!

小栗山観音堂という小さなお堂です。
いきなり切り立った岸壁の下にあります。
今はもう荒れ放題
道のすぐ横にあるのですが、すごく隔絶されたような雰囲気があります。
・・・・・・って、うわわ!

背後の崖が崩落してお堂が破壊されてるやんか。
ニャンということでしょう!
どうやら、地面に刺さってる石もワリと近年落っこちて来たモノみたいです。

やはり東日本大震災の影響なのかな?
他の岩も何だか不安定で、御堂がペッチャンコに押し潰される日はそう遠くないのかも知れません。
別にコンクリートで囲われて防空壕みたいになった厨子もあるんで、危険なことはどうやら認識されてる模様。

むしろ移転を考えた方が良いのでは?
人里近くってコトで甘く見てました。

小栗山観音堂、ナカナカにハードコアな巨石系と申せましょう。
さらにダーッと南下して白河駅近くまでやって来ました。

明日は仕事なので今日中に戻らんといけません。そんな自由に休めるほどエラい身分でもないんで・・・・・・。
ボヤキはともかく(笑)、白河鹿嶋神社到着。

たいへん立派な神社です。
商売の方もそれなりに熱心な模様。
社殿もみんな立派です。
もちろん、単に大きい神社だから来たワケではありません。

神社後方の鎮守の森に磐座群があるのです。
拝殿の左後方から山道を巻いて行くと・・・・・・
これはナカナカですね。
何となく、入らせてくれるこの辺一帯はまぁ聖域といってもまだOKなエリアで、本当の禁足地としての神域はもっと上の方にあるのではないかって気がしました。
すぐ下には道路が通ってて、向かいにはマンションがあったりもするのですが、新改とした空気が充ちてます。
上に行く秘密のルート、実はどっか別にあるんでしょうね。

ちょっと行きたかったかも。
あれほど天気良かったのに、いつの間にか空は低い雲に覆われてポツポツ降り始めました。
ちなみにこの時、実際は日暮れ時のように暗かったです。
岩の下には縄文式土器・・・・・・って、当然ながらこれはレプリカ。
ただ、本当にこの周囲一帯からは色んな祭祀に使われた道具類が出土してるそうで、かなり昔から磐座として祀られていたのは事実です。
白河鹿嶋神社、ポピュラーな方はあくまでノーマルでしたが、背後の森には沢山のエニグマをまだまだ持ってそうです。
雨がだんだん強くなって来ました。

2泊3日のひたすら巨石・磐座な福島行、あとは初日と同じく雨模様の東北道を一路東京に戻りました。
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