「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2011 信州(二日目・午後)

別所よりチョロチョロと狭い山中の道を抜けてやって来たのは・・・・・・
・・・・・・鹿教湯温泉。

国民保養温泉として指定されていることで有名で、大きな温泉病院があったりします。
ただ、御多聞に漏れず、休日というのに通りがも一つ閑散としてる。
表通りは立派でモダンな旅館が並びますが、一筋入ると古い景色を見ることができます。
目指すはここ、「ふぢや旅館」。

鹿教湯で混浴なのは以前入った河鹿荘とここ、そしてあともう1軒くらいしか残っていません。
入口は新しくなっていますが、一歩玄関を入るとこの通り。

いい雰囲気だなぁ〜。
浴室は暗い階段を下って行ったところにあります。
実際はもっと薄暗かった。

混浴の大浴場+女性専用浴室の形式ですね。事実上、別浴に近い。
効能書きかと思ったら、入浴上の注意でした。

年寄りが多いのでしょうが、それなら字がちょっと小さすぎかも。
いきなり準備完了。
素っ気ない脱衣場ですね。
能書きはともかくまずは入ることにします。
補正したので分かりにくくなってますが、物凄い湯気!
窓はほとんどがハメ殺しで湯気を抜くこともかなわず、マトモに写ったのはこの2枚だけでした。

渓流に面した横に長い湯船には清澄な湯。
一見、何の特徴もない泉質ですが、これが入って良し、飲んで良しなんだそうな。
・・・・・・いささか殺風景(笑)。

もう少しシッカリいろいろ手入れすれば、さらにいい雰囲気になれるはずです。
でもまぁ、とにかく一緒に入れれば何でもいいんですけどね。
効能書きは地味目。
ともあれ、別所で歩き回った後なのでスッキリ・サッパリ。
実はちょっと離れて露天風呂もあったりする。

ちなみに、この暗さが実際の暗さに近かったと思います。
しかし、小うるさいことを一杯書いてあるのでパス。

ワニとか何とか、こういう措置を取らざるを得ないことがあったんでしょうね。
たしかにこうして涼んでる間にやって来たのは、いかにもな単独男性でした。
階段の踊り場に懸かる旅館のファンから贈られたと思しき賛歌。

「よいよしよろし賛歌
 鹿教湯よいとこ保養の名所
 殊に知られた湯の元藤屋
 一藤二藤三藤屋
 浮世離れた別世界〜」

・・・・・・てな調子で、若干意味も語呂もヘンなまま延々と続いてます。
玄関付近の旧館と思われる所には、このような古風な意匠が数多く残ります。
この雰囲気が本来のこの宿の姿なのでしょう。
廊下からは見事に廃墟化した隣の旅館が見えます。
いやぁ〜、かなりキテますね、これは。

画像小さくて分かりにくくて済みません。
歴史を感じさせるこの雰囲気はとてもいい。

何故か「蓬莱荘」という木の看板が掛かっています。
なかなか経営は大変かと思いますが、ホント、頑張って欲しいと思いました。
隣の廃墟物件。

「かめや」が旅館の名前で屋号が「藏六館」ってコトでしょう、きっと。

しっかし「藏六」ってここは日野日出志関係かいっ!?って思いましたがな(笑)。
少し時間に余裕があるので、遊歩道を川向うの文殊堂まで行ってみることにします。

来た道を振り返ったところ。
下に屋根付きの五台橋が見えます。
廃墟の「かめや」全景。

その後ろに聳えるのがさっき入らせてもらった「藤屋」。
実は「藤屋」、意外なまでにキャパあったんですね!
飲泉所なんかが設えてあったりします。

後方に見える白い壁は共同浴場の「文殊の湯」。実態は日帰りスパでけっこう沢山人が来てました。
千社札だらけの五台橋にて。
シャッター速度が速すぎたな!(笑)。
文殊堂まで来ました。

この温泉の由来ともなったお寺だそうです。
褪せた彩色それ自体が何かの文様のように見えますね。
さらに遊歩道を進んで行くと
苔蒸した屋根が印象的な薬師堂。
仁王が堂内にあるって珍しいかも。
下ると元の五台橋にまで戻って来ました。
「一郎・和江」ではございません(笑)。

しっかし、夫婦でこんな千社札を目立つ柱に貼るなんて、アホちゃうかと思います。
戻る道すがら、接写の練習。

だいぶボケの出し方のコツが分かって来ました。
でも、バカの一つ覚えみたいに花やポートレートにはボケ、ってーのもどうかとは思います。

・・・・・・あ、バカぢゃなくてボケ、か。
煉瓦みたい。

何はともあれ、標準レンズでこれくらいできれば御の字なんでしょう。
「おやき」の看板につられて入ってみることにします。
温泉街の狭い裏通りの雰囲気の残滓が僅かに感じられますが、やっぱり休日とは思えない寂しさ。
背後に見えるのは巨大な温泉病院。
何だかいつ来てもも一つ活気に欠ける鹿教湯温泉でした。
そのまま上田丸子ICに向かい、遅いお昼にします。

どうも旅館に泊まった後は、カレーとかラーメンとかが食いたくなりますね・・・・・・それも、チェーン店だとかのちょっとジャンクなのが(笑)。
ご飯がサービス、っちゅうんで思わずテンコ盛りにするのが貧乏性。
そいでもって激辛つけ麺到着。

さてさて、これまでの温泉一辺倒から少し路線を変えた信州旅行、お楽しみいただけましたでしょうか?

あとは淡々と一路東京に戻りました。
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