「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2011 信州(初日・午後)

続いてやって来たのは懸崖造りの第3弾、布引観音。

今回は何か抹香臭いところが多いなぁ〜・・・・・・(笑)。
正式には「布引山釈尊寺」なんですね。

「牛に引かれて善光寺参り」の由来となったお寺です。
千曲川河畔から急坂を登って行くので沢山の杖が置いてありました。
途中の崖の隙間には木彫りの仏像が目立ちます。
途中にいろんなスポットがあるようで、これは「布引二段滝」。

滝というには余りに「単なる段差」に近いですが・・・・・・。
縮小してると分かりにくいんですが、こういう写真の細部までの写り込みを見てると一眼ってやっぱいいなぁ、と思います。
朝から上がったり下がったりが多くてちょとお疲れ気味。
思ったよりも険しい山道が続きます。

これが本当に表参道なんかいな?
あ!!沢ガニだ!
「牛岩」・・・・・・伝説の牛の姿が現れてるそうですが、これがもうサッパリ分かりません(笑)。
んでもって「不動滝」。
どこが滝や!?どこが!?

チョロチョロ〜ッとしずくが垂れてる程度です。
ん!?何やら見えて来ました。
ナカナカいかめしい雰囲気の山門です。

残念ながらここをくぐっては上がれないようになってました。
ここでスローシャッターの練習。

気合いの手持ち1/6秒!
そして、ようやく辿り着きました。

有名な懸崖造りの宮殿は谷を挟んで反対側にあります。
「幻牛伝説」のルビに「ゆめでんせつ」はちと強引かも。
堂宇はどれも崖に僅かな平地を切り開いたところにへばり付くように建っています。
千社札の数が凄い。

ぶっちゃけここまでけっこう疲れました。
有名なワリに日当たりの悪いところにヒッソリと置かれた牛。
崖伝いに宮殿に向かいます。
私の背だとつかえる高さのトンネルを通り、
なぜか閻魔と脱衣婆と六地蔵のあるところを過ぎ、
宮殿到着。

ちなみに「きゅうでん」ではなく「くうでん」と読むようです。
肝心の懸崖造りはいざ来てみると良く分からなかったりする(笑)。
向こうに最初に到着した本堂が望まれます。
木がワサワサ繁ってるので分かりにくいですが、高さはかなりあります。
病気平癒を願ってなのか、千羽鶴がエアロスミスのマイクスタンドみたいに物凄いことなってます。
びんずる様は津川雅彦かと思った(笑)。
内部は崖を刳り抜いた岩屋になっていました。

本当はさらに奥ノ院まで行けるみたいなのですが、危険なのか通行止めになってました。
そろそろ下ることにします。

ムチャクチャユーモラスな狛犬。
木の葉が落ちる秋冬の方が懸崖造り鑑賞には向いてるかも知れません。
宮殿に比べたら平凡な印象の本堂を見ながら元来た山道を下ります。
苔を撮るってむつかしい。
さっきの不動滝まで来ました。

たしかに岩の上の方にお不動さんが見えます。
登りより下りの方が疲れる〜!とかとボヤいてます。
行には見落としてた「善光寺穴」。

善光寺が火事に遭った時、ここから煙が出たという伝説があります。
これ!?

何だか底が見えてるんですけど・・・・・・
あ、これか〜。

しかし、善光寺と向いてる方角が違うような・・・・・・(笑)
そんなこんなで入口駐車場にカムバック。
千曲川はこの辺で最も狭くなっており、そこそこの渓谷美を見せています。

彼方にあるのは僅か8年で廃線となった布引電気鉄道の橋脚。
予想以上に時間食ったので再び上信越道にのってバーッと北上し・・・・・・
今夜の宿泊地である渋・湯田中温泉郷の一つ、角間温泉に到着。

右岸の賑わいをよそに、左岸のこちらは共同浴場を中心に数軒の旅館が固まるだけの落ち着いた温泉地です。
そして今夜の宿はここ
越後屋・・・・・・そちも悪よのう〜、ってやはり言ってみたくなる名前(笑)。
1階よりも2階が外にせり出した造りが独特の雰囲気です。

小さい画像では分かりにくいのですが、細かい部分の細工が今時の旅館にはない繊細さ。
向かいの旅館も同じような作りです。
もうこの玄関の佇まいだけで来て良かった〜!って気分になります。
旅館は奥に向かって細長く続いており、
一番奥の離れの2階の部屋に通されました。

入口付近の控えの間は改装されて味も素っ気もないんですが・・・・・・
部屋はこの通り!

障子の桟の繊細さが素晴らしくいい感じ。
何はともあれまずは風呂です。
床に埋め込まれた丸太とタイルの意匠は他に類例のない珍しいものです。
もっとユニークなのは浴室。混浴の内湯が3つ並んでおり、それぞれに特徴があります。

これは玄関に最も近い「ローマ風呂」
脱衣場はご覧の通りひじょうに小さい。
もう、シャッター押すのが間に合わんくらいに脱ぐのが速い(笑)。
休憩スペースなのか何なのか、板の間はかなり広く取ってあります。
自動車のシートみたいに足を投げ出し、深く寝そべって腰かけるという変わったタイル張りの浴槽。
外は何が見えるんやろ!?
・・・・・・自分たちの泊まる離れが見えただけでした(笑)。
ここのしかし何が一体全体「ローマ風呂」なのか?
実のところ良く分かりませんでしたが、おそらくは全面タイル張りになってること、また円柱と半円形の天窓がそうなんだと思います。
山形・瀬見温泉の喜至楼でも同じような趣向の風呂を見ましたが、こっちはかなりアッサリ目と申せましょう。
ともあれ、この寝そべり感はリラックスできて楽しいと思いました。
続いて真ん中の大浴場。
「大」と言ってもちょっとした共同浴場の浴室くらい。
さっきのところも含め、ここはタイルが明治時代のものすごい貴重なものらしいです。
入口付近を望む。
・・・・・・って、けっこう湯が熱かったりする。

最初のローマ風呂ですでにちょとのぼせてるんです(笑)。
意を決して入ることにします。画像はさすがに修正。
しかし、かなり薄暗くなってきてるのにストロボ無しでも頑張れるもんなんですね。
効能書きは実に簡素な物で、この旅館が観光ズレしていないことを物語ります。

3つ目は「檜風呂」ですが、これは明日の朝に入ることにしました。
離れの入り口。

玄関から見て、本館、湯殿、離れと3棟が繋がってることがやっと分かりました。
いかにも日本旅館、って佇まいです。
暮れなずむ窓からの眺め。

天気はも一つスッキリしません。
それにしても、料金からすると信じられないくらいにこの部屋、ムチャクチャいい感じなんですけど。
ちょっと飾られてる絵なんかも本物っぽい。
髪の毛を乾かすためにいきなり脱いでしまいました(笑)。

落ちた水滴で浴衣なんかすぐにビチョビチョになるんです。
ついでに(!?)色んなポーズも。
・・・・・・そのうち結局しちゃうんですけどね(笑)。
ようやく宿泊スタイルになって窓際で一服・・・・・・たってヨメはタバコ吸いませんが。
食事は本館の1階の小部屋でいただきます。
お!信州の宿の定番メニューですが期待できそう!

右上から反時計回りに、牛の陶板焼き・山菜お浸し・笹竹とアスパラベーコン・塗り碗は蕎麦・真ん中がヤマメ塩焼。
さらにお造り。
細かい解説はともかくまずはビールですな(笑)。
左下は煮物。
手に取ってるのはポテトグラタン。さらに畑でもいだばかりのラディッシュもありました。

背後に見える額は吉川英治の手になるもの。ここは定宿だったらしいです。
反対の鴨居には曰くありげなひょっとことおかめ。
横を見ると、さりげなく置かれた色紙は武田泰淳。

何と書いてあるかは不明(笑)。
辛くもなんとか完食!
いわゆる「文豪の宿」だったワケっすね〜。なお、余談ですが隣の宿は林芙美子の定宿だったらしい。

まぁ、そんなんにアテられても仕方ないし、満腹の私たちはとにかくだらしなく寛ぎまくる、と(笑)。
ここの温泉街で感心したのはネオンサインはおろか、行灯型の看板さえ一切見当たらないこと。昔ながらの佇まいを残すためにみんなで足並みをそろえていることが良く分かります。

さて、あすはどっちを回ろうかな?
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