「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2011 信州(初日・午前中)

もうすぐ高速道路1,000円セールも終わろうかという6月のある日、よりによって平日に出かけることにしました。

着いたのは佐久の町はずれ。
久々の信州行です。

今回のテーマはずばり、「懸崖造り」を訪ねる旅。
なもんで一発目は、奇妙奇天烈な懸崖造りで名高い「鼻顔稲荷神社」。

「はなづら」と読みます。
男坂はしんどそうなので女坂を上がることにします。
水琴窟の看板が出てますが、音を聴き取る竹筒が無かったりする(笑)。
最も神社らしい急な石段は崩壊の恐れでもあるのか封鎖されてます。
今回もまたデジタル一眼撮影に慣れるって目的があって、特に「A(絞り優先モード)」ってのを極力使うようにしてます。

またホワイトバランスをあれこれ試してます。
やっと驚くべき懸崖造りが見えました。

崖に沿って細長くせり出した建物が続いています。
切り妻屋根の神社ってのも珍しいですよね。
お稲荷さんだけにやはり狐は欠かせません。

しかし「御姿殿」というのは初めて見たかも。
奇妙な名前は古い地名に由来しているそうです。
ウナギの寝床状に細長く奥に向かって続いていることが分かります。
この建物の奇妙さは実際に行ってみないと分かりにくいでしょう。

何でわざわざこんな形にしたんでしょうか。
下を覗くと意外に高かったりする。
一番奥のココが本殿かな。

大きな鈴が3つも並んで、近郷の信心を集めていることがうかがわれます。
旧本殿は崖にめり込んだ小さな祠。
それにしてもストロボを使わず手持ちで明るく撮るのはむつかしい

実際の明るさはこんな感じ。
奉納相撲でもあるのかと思ったら、将棋と・・・・・・
・・・・・・囲碁の番付表。
参道はさらに上の方に続いています。
登り切ると奥社があります。

これだけ見るとずいぶん山の中のようですが、実は上は台地が広がっており、横は野球のグラウンドになってました。
う〜ん、絞り開放でも背景が具体的な形だとボケにくいな〜。

オマケに表情も冴えないし(笑)。
相生の木をバックに。

広角はもうちょっと広いのが欲しくなりますね〜。
川沿いに建物の下に回り込んでみました。
スゲッ!!

廊下はすべて宙に浮いてたんっすね〜!
さらに川の対岸からその全貌を見てみることにします。

左端が拝殿や本殿、右端は神楽殿で真ん中はなぜか民家(笑)。
パンフォーカスの練習を兼ねて社殿をバックに。

建物はかなり歪みが来て、何となく水平が波打ってることが分かります。
ハイハイ、マクロの練習も忘れずに、と(笑)。

・・・・・・鼻顔稲荷、噂に違わぬ素晴らしい懸崖物件でした。
南下してやって来たのは、佐久穂の県道の突き当たり。

ここで舗装路は途切れ、細い山道が奥秩父に続いています。
山藤が咲いています。
そんなところに綺麗に手入れされた植え込みに囲まれてポツンと建つのが・・・・・・
・・・・・・実に渋い佇まいの峠ノ湯。左側が湯殿。

ここは永らく行きたいと思いながら、これまでなかなか機会に恵まれなかった鉱泉の一つです。
さっそく脱ぎ方開始。

・・・・・って脱衣場がメチャクチャ狭い。
ここら辺、撮ってる姿はまるでアホでした(笑)。
何はともあれ準備完了。

奥の石油ストーヴや丸椅子から、横幅が1m少々しかないことが分かります。
浴室内全景。

青いバケツは熱いのをうめるための水。
鉱泉の例に漏れず激熱。

とても入れる温度ではありません。
自分ちより小さなステンレス浴槽。
下駄かと思ったら、自作と思われる風呂椅子でした。
一緒に入るのは厳しいサイズです。

これがやはり鉱泉らしさだと思うのは私だけでしょうか?
ホースで水を入れっ放しにしてもそれでもまだ熱い。
ここの浴室が変わってるのは床が木で、それが紅殻か何かで赤く染められたようになってることです。

お湯の影響ではないようです。
ちょっとばかしポーズ、もちろん修正(笑)。
窓や天井、廂に本来の繊細な造りが残っています。
ごくわずかな淡黄色で微かに濁った湯そのものは特段の個性のないもの。
ついついコンパクトのクセで広角でストロボ焚いちゃうんですよね〜。

・・・・・・そしてケラれる。
独特の赤い木の床が良く分かります。
如何にも昔ながらの鉱泉らしい雰囲気を強く残す風呂でした。
出入口をバックに。

こうして見ると、あまり防湿のための密閉性を考慮した造りになってないことが分かります。
脱衣場入口をバックに。
窓からは綺麗に手入れされた庭が見えます。
泉質は背後の「鉄鉱泉」ってこと以外一切不明。

このアバウトさがいいんですよ。
通常は雑然としがちなボイラーや焚き口付近も綺麗に整理整頓されています。
奥には源泉らしき水が流し台に大量に出しっぱなしになっています。
湯殿を振り返って見たところ。

鉛丹葺きの屋根がいい雰囲気です・・・・・・まぁ雨降るとうるさいんですけど。
まぁ上がってお茶でも飲んで行ってくださいとのことで、お言葉に甘えて居間に上がらせていただきました。

小松菜のお浸しが美味かった!
こちらがご夫妻。

かなりのお歳ですが、とてもお元気そうで、かつ朗らか。何かいいなぁ〜。
このままいつまでもユックリしてたいのですが、これからの予定が一応ありますので、いつまでも長居はできません。
繰り返しになりますが、ここの凄いところは、隅々に至るまできちっと掃除や手入れが行き届いてることでしょう。古くても決して荒れてはいません。

それを維持するのは大変な苦労だと思います。
念願叶った峠ノ湯、素晴らしく気分の良いところでした。
再び佐久に戻り、小諸に抜ける途中の宿場町、望月に到着。

怪しげな神代文字みたいなのが刻まれてるここは・・・・・・
本日の懸崖造り第2弾、望月の「弁天窟」
こうして見ると人里離れた渓谷のようですが、実際は画面左側が県道になってガソリンスタンドとかがあります。

残念ながら脚部はすべてコンクリで固められちゃってます。
行ってみようとすると通行止め。

手前の橋の掛かる部分は6〜7mの深さの谷で、無茶するのは止しました。
上に向かう石段があるので登ってみることにします。
荒れた感じの豊川稲荷がありました。

登り切ると台地上になってるのは先ほどの鼻顔稲荷と同じ。
草が生い茂っててひじょうに分かりにくいのですが、ここもやはり懸崖造りになっています。
もう滅多に訪れる人もいないのか、内部は荒れ放題。
何となく勿体ない気がします。
崖の上と下に分かれた懸崖造りなんて、頑張ればいい観光資源になると思うんですが・・・・・・。
そろそろいい時間でおなかが空いて来ました。
振り返って見上げると木々に間に僅かに崖からせり出した拝殿が見えます。
望遠側で開くとボケ、広角側で絞るとパンフォーカス、ってのもだいぶ体感的に分かって来ました。
望月宿はあまりまだ観光ズレしておらず、落ち着い佇まいが残っています。
あ、ツバメだ!
味噌かつ丼で町おこしをしようとしてるみたいなので、ここは素直にそれに従って試してみることにします。
町外れの「ドライブイン駒の里」は外観的にはちょとレトロな印象。
750円は値段的にはまぁ普通ですね。
なんかこぉゆうシチュエーションはついつい新聞広げてしまう(笑)。
!?

ものごっついボリュームやんか!!
かなり引き攣ってます。
どれくらい分厚いかっちゅうとこんな感じ。

ご飯粒が付いたのはご愛嬌ってコトでご勘弁を。
単にカツがデカくて分厚いだけぢゃなくて美味いんだわ、これが!

いや〜、実は食べるまではちょっと心の中に「ケッ!掘っ立てで名古屋の真似しくさってからに!」みたいな気持がありました。予断はいけませんね。
もう、断言しちゃいます。

「望月に行ったら絶対味噌かつ丼でキマリっしょ!!」

・・・・・・・北上しながら旅はさらに午後も続きます。
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