「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2008 新潟(二日目)

翌朝。

やっぱ今回のテーマは新潟やろ、ってコトで関越方向に帰ることにします。
朝ごはんは宴会場で、っちゅうのは何か決まりでもあるのでしょうか?。

それにしてもこぉゆう飾りの下のキャプションって必ず日本語がヘン(笑)。
朝食もナカナカににぎやかです。
紅葉型の小皿に入った漬物が美味しかったです。
ヨメも子どもたちも全然おなかが空いてない、などと抜かしてる。
朝日の当たる旅館。

左が磐越西線の築堤。
あまり長居もしておれません。

そろそろ出発することにしましょう。
値段からすると上品で和モダンな感じのいい旅館でした。

立地も温泉街の奥で静かですし。
ひたすら南下して灰下(はいげ)鉱泉に到着。

シブい建物だな〜、と思ったら古い公民館でした。
実はここに来る前、田中角栄の生地近くの油田(あぶらでん)鉱泉に立ち寄ったのですが、ものの見事に建物ごと消滅しちゃってました。

地元有志で再興したものの、建物が冬の降雪等に耐えられなくなったそうです。
切り株にはサルノコシカケがびっしり。
肝心の温泉は「東栄館」という一軒宿で、非常に真新しい建物です。
玄関より奥の浴室方向を望む。
浴室入口。

左右で男女に別れた極々平凡な作りです。
まるで立ち寄り湯の雰囲気ですが、ちゃんと宿泊もできます。
お客さんも多く、内部の模様は下の子が撮影した数枚のみ。
浴室の方は撮影できなかったとのこと。
昨日の名木野鉱泉に似た褐色の湯でした。
それにしても全部おんなじポーズ、表情やな、と(笑)。
やはりここにも鋳物の大きなストーヴ。

鉱泉がどんどん廃業していく中にあって、ここは朝からかなり繁盛しています。
反対側にはコーナーに三角のスペースを作った仏壇みたいなものがあります。
なになに?

「お薬師様の覚え
平成7年8月8日の日暮れ時、連日の大雨に依り灰下の湯の沢に土砂崩れによる大災害が発生したその為薬師堂及び薬師本尊共に土砂中に埋まったその後数ヶ月谷川の澄んだせせらぎの中より一筋の光りが分家の老婆の目にとまった老婆がそそぎ上げたバラバラのお姿を当家の主人が復元したものです
                            平成16年2月8日記」


・・・・・・いちいち「分家」って断わり入れんでもエエのに(笑)。
朝ごはんにあった野菜の味噌漬けが美味しかったのを思い出して購入。
旅館全景。

おそらくは集中豪雨で被害を受け、建て直したものと思われます。
さらに信越本線沿いに下ってやってきたのは、西山温泉・・・・・・ってここ6年前に来てるやん。

以前パスした墓間温泉は廃業してしまっていました。残念!
六日町近くまで来ると、景色はまだ冬。

見渡す限りの雪原が続いています。
しかし、近づいてみるとチョー汚い。

雪解けって、実は美しくも何ともないんですよね。
そうして到着したのは、温泉マニアにはつとに有名な真人温泉「えこじの湯」。

ミヤマサンゴ、の字がホラー入っちゃってますね。
内部もキノコの効能を謳うあれこれで一杯。

要は温泉は副業で、本業はキノコ屋さんなのです、ココ。
まずは風呂に入らせてもらうことにします。
建物の外に設けられた長い廊下を下って行きます。

豪雪地帯ゆえ、こうして囲っちゃった方がいいのでしょう。
混浴の浴室全景。

手前の湯船は使っていないのか、ウレタンシートが掛けてあります。
早速、脱ぎ方開始。
ワリと何やってもノンビリしてるのですが、これだけは長年の成果で速かったりする。
湯温はかなり熱め。

波板で囲われているので眺望は一切利きません。おそらく見えても隣の家だと思いますが・・・・・・。
ほとんどシュールなオヴジェと言える湯の注ぎ口。

実はこの風呂、すべてをここのご主人が独力で作り上げたものなのです。
たしかに随所にお手製らしさがあふれた作りとなっています。
しかしこの構造、夏はムチャクチャに暑くなりそう。
かなり気に入った様子。
狭いながらちゃんとカランのある洗い場も備わってます。
こうして見てみると、もとは背の高さまで木の囲いのある露天風呂だったのかも知れません。
浴槽はそれほど広くはありません。
それにしてもこれは何なんやろ!?とか言ってるところ。
お湯は無色透明のサラッとしたものです。
町中にあるにもかかわらず、不思議に落ち着ける雰囲気があります。
熱熱熱熱〜!!
だいぶのぼせてきました。
そろそろ上がることにします。
こうしてみると結構天井は隙間だらけ(笑)。

雨の日はどうなるんでしょう。
いつもはサッと入ってサッと出るのが流儀なのですが、いささか長居してしまいました。
ちなみに子どもたちはとっくに上がってしまってます。
入口付近をバックに。
浴室が一つしかないので、次のお客さんが来るとブザーで上がるのを促されるようになってます。
チョキばっかやなぁ〜。
入口方向を望む。
一言で言えば「素人が作った素朴な湯」ってコトになるのでしょうが、何ともいい感じの浴室でした。
まぁ、あまりグズグズはしてられません。

そろそろ帰る時間を気にせんと。
キノコ屋になる前は仕出屋でもやっていたのか、木でできた料理を入れる箱がたくさん積み上げられてありました。
ぼんぼりの色とコーディネイトできてるのがいいですね。
食えるのも食えないのもいっしょくたに描かれてあるのがこれまた良い。
そしてこれがここのご主人夫婦。
ぜひ休んでいけと言われ、お茶を出してくださっただけでなく、新製品のキノコエキスを抽出したローションまで分けてくれたのです。
たいへんお世話になりました。外観はちょっと引くものの、素晴らしい温泉です。

あとは春スキー帰りのクルマで渋滞する関越道を、淡々と東京に帰りました。
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