「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
「価格」と「食べログ」に集うアホ共



ナントカと刃物は使いよう・・・・・・

 ・・・・・・原初に於いては本当はもっと高い志をもって始まったんぢゃないかと思いたい。

 世に溢れるあらゆる商品の売価を比較する、全国津々浦々にあるあらゆる飲食店のデータベースを作る・・・・・・それはそんなに悪くない、いやいや、それどころか壮大で賞賛すべきアイデアだ。だってやっぱそらベンリだしありがたいもん。申し上げるまでもなく「価格.com」や「食べログ」のことである。

 淡々とそれに徹してりゃ良かったんだろうけど、如何せんこのような大きな仕組みには当然ながら莫大なコストがかかる。バックボーン、っちゅうんですか、DBやWeb等のサーバだって巨大な容量が必要だろうし、回線にしたってシッカリしてないと耐えきれない。そんなおれみたいなんがセコセコやってるようにレンタルサーバ、っちゅうワケにゃ行かんだろうし、流行りのクラウドったって無料ではない。しかしながら、一方でサイトの収入ったってバナー広告による誘導くらいしかないから、やはり基本的には沢山のアクセス数が必要になる。お客を呼び込まなくちゃならない。

 そのための近道は何かと言えば、視聴者評価型の作りにすることだろう。ボランティアによって成り立つWikipediaが資金難に苦しんでるように、単に無償の情報提供に頼るだけならあんまし人は乗って来ない。何か得々と語らして点数付けさせるる、っちゅうのは人の自尊心や虚栄心、功名心といったものをいたく刺激するものだからだ。かくしてレビューや口コミなんてコーナーが構えられる。

 その甲斐あってか両サイトとも忽ち巨大化し、今や押しも押されぬ存在となっている。大きくなったこと自体を批判する気はない。全く以て御同慶の至り、っちゅうヤツだけど、その中身には今や大いに問題があると思う。
 どっちもかなり永い間ベンリに活用させていただいてたんだけど、どうにも漂う腐臭に耐え切れなくなって、最近はもう見るのを止めてしまった。

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 今さら素人があれこれオーソリティ面して偉そうに語るな・・・・・・などとベタな文句を言う気はない。一知半解のバカが自分の無知を顧みずに滔々と語る様子を見るのは一種の奇観としても愉しめるワケだし。それはそれで面白い。

 でも、実際に買ってもない、食ってもない、行ってもないヤツがあれこれ語るっちゅうのは如何なものかと思う。もちろん、レビューを上げてる本人はそんなこと口が裂けても言わないが、読んでて明らかにこれはおかしい、っちゅうのが読んでると幾つも出て来る。例えば「価格.com」に関して言うと、おれの見てたのはカメラ関連のカテゴリーが殆どだったワケなんだけど、明らかに買ってないと判断せざるを得ない連中が多かった。そのような実際買ってもないのにエラそうにレビューを上げてるヤツには次のような共通点があるように思う。

  1.尋常でなく購入〜売却のペースが早い。
  2.カタログスペック以上の知見・感想が出てこない。
  3.絶対に作例を載せない。
  4.クレーム問題が起きると必ずその尻馬に乗る。
  5.どんなメーカーについても語る。
  6.クレーマーとしか思えないくらいに評価点数が低い。
  7.それも各項目の評価を高く、総合評価を低くすることが多い。
  8.妙に断定口調で重々しい文章。

 「食べログ」でも同様の傾向があって、どれだけ外食しまくってんねん!?っちゅうくらいあちこちの店に物凄い頻度で行ってたり、世評以上のコメントが無かったり、写真を上げてなかったりするのはかなり怪しい。もちろん本人たちもそこまでバカではないだろうから、フカシがバレるのを警戒しての対策は打ってるようで、それなりにHNを変更したりしてるみたいだけど、文体や句読点の打ち方等に自ずとクセは表れるもので、どう考えてもコイツ等 同一人物だよな〜、ってな投稿が数多く見受けられる。
 どうやらせっせとレビュー投稿するとポイントが貰えたりするみたいで、そんなシステムが余計にバカをのさばらせているみたいだ。文体や言い回しの古臭さから、年金世代もかなり多いと思われる。早く死ねよ、って言いたいぞ。

 個人がセコセコやってんのもまぁ見苦しいんだけど、何年か前に社会問題にもなったんでご存知の方も多かろう、ふざけたことに提灯レビューを請け負う組織まで存在する、っちゅうんだからホント魑魅魍魎の跋扈する世界になってるしまってる。たしかに零細な個人の飲食店で、本当に客としてマトモに金を落としたのかも分からない連中に面白半分にボロクソ書かれたりしたら死活問題だろう、こぉいった業者を活用したくなるお店側の気持ちは良く分かる。
 しかし、こうして提灯を請け負うのがいる以上、逆にバッシングを請け負ってるのだっているに違いない。実際、そんなに嫌いなら買うなよ、って言いたくなるくらい特定のメーカーへのバッシングを繰り返してる輩もいる。ライバル社の社員なのだろうか?・・・・・・まぁ、「ネガキャン」とか「ステマ」なんてーのが当然のように真っ当な広告手法みたいに扱われちゃう時代だから、嘆くおれが時代遅れのアホなのかも知れないが。

 ともあれ、なるだけレビュー数の多い製品でそれを評価の低い順にソートして、投稿者の他のレビューを検索掛けると大体分かる。それはそれで陰気な愉しみとしては面白いのかも知れないが、生憎そこまでおれは暇人ではない。

 もちろん、真面目に買ったり、店に行ったりして、そいでもって真面目にレビューしてる人も沢山いるけれど、悪貨は良貨を駆逐するの伝で、そんな人がすっかり目立たなくなったり、呆れて去ってしまったりが今の「価格.com」や「食べログ」の偽らざる実態ではなかろうか?

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 昔は結構これでも真に受けて参考にしたりもしてたんだけど、どうだろ?2台目のカメラ(D7000)にした辺りから、実はこんなどぉでもいい連中のレビューなんて何の役にも立ってないんぢゃないか、って疑念が首をもたげて来たのだ。参考にしてるだけのツモリが何時しか踊らされてるような不快感を抱いたのだ。
 道具なんて自分が使ってナンボ、メシ屋なんて自分が食ってナンボ・・・・・・それだけってコトに改めて気付いたのである。他人の評価!?それがナンボのモンぢゃい!?と。

 あらゆるモノに完璧は無い。無いからこそまた進歩っちゅうのがあるワケだし、欠点を上手く、楽しく使いこなしてこその道具だろう。レスポールで歪ませるのはカンタンだ。しかしストラトで歪ませるのはそれなりに気合と工夫が要る。だからこそ楽しい。喩えればそぉゆうことである。
 接客はまぁある程度の普遍性があるとしても、味なんて主観のカタマリだ。そぉいや本当に自分が食って美味いと思った和食店に人を連れてって、「美味いか不味いか分かりませんでしたぁ〜」なんちゅう、泣きたくなるような感想を吐かれたことがあるが、それはひとえにそいつがロクなモノを食った経験しかないからであって、まさに「猫に小判」、「馬の耳に念仏」なのだ。これだけは如何ともしがたいのだ。

 畢竟、「価格.com」も「食べログ」も俗臭フンプンの観光ガイドブックみたいなものなのである。手垢の付いた情報ばかりで冴えた意見もネタもない。そんなものにイチイチ右顧左眄してられないし、そんな気持ち悪い場に集うバカな連中の与太話にいちいち付き合ったっていいコトなんて一つもないし、ましてや自分自身がその中であれこれ語るなんて寒イボが出るほどイヤなコトだ。

2014.11.06

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