「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
いい夢は三度まで


欲しいばっかぢゃダメなんですよ(絵はなつかしのクレクレタコラ)。


http://www001.upp.so-net.ne.jp/kindan-hm/より

 これ現在のアタシのマイルールあるね。

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 おもろい顔してるくせに、ケッコー生意気なことに、どんなベッピンの女性と仲良くなっても、原則、3回以上セックスしないことにしてる。まぁ、深く足突っ込みすぎてややこしくなったりするのがめんどくさくってイヤ、って保身の気持がないといえばウソになるけど、それ以上に思ってることがあるのだ。

 いい夢も毎日見ると悪夢、ってコトだ。

 言うまでもないが、若い頃はまったくそうぢゃなかったけどね(笑)。

 くれくれ坊主にやりともない、な〜んてゆうけど、四六時中チンコに青筋立てて血気盛んな20代前半まではもうヤリたいオーラを発散しまくりで、こんな縹渺と晒されたような気持など微塵もなかったので、それはそれはやることなすこと上手く行かなかった。20年来の腐れ縁のS年などは飲むと必ず言う。

 --------オマエ、ホンマなんちゅうか昔はゴッツかったもんな!
 --------あ〜ま〜、ホンマそやったなぁ。
 --------全身からザーメン出してるようなモンやったで。
 --------そこまで言わんでもええやろ〜が。オマエの方があっちこっちで撒き散らしてたやないか!
 --------実際がどぉとか、そぉゆうんとちゃうんや。オマエの場合、何かこぉ、雰囲気が出てるねん。
 --------DAFみたいなモンぢゃわい!!
 --------そんなええモンちやうで。ほとんど絶倫の性犯罪者みたいな感じやったわ。

 ・・・・・・いやお恥ずかしい。

 そのゴッツさにはおれの露悪趣味が大いに影響している。露悪趣味の根本にあるのは、言うまでもなく歪んだ自己顕示欲と羞恥心・・・・・・・つまりは幼児性なのだが、おれはそれがいささか極端だったんだ、ってことで許してくれい。

 それが何でこんな風に変わってきたのかは自分でもよく分からない。結婚して家庭を持ったことが影響を及ぼしたとも思えない。秋がある朝一陣の風といっしょに突然訪れるように、ある日、急に変わったのだ。
 とはいうものの、どんな楽しい夢も毎日同じもの見させられたら苦痛だ、といった観念自体は昔からあった。つまりはペシミストなんだろう。その対象が「女性」にまで広がった、ってコトなんで、これは当たり前の帰結だったのかも知れない。

 何かキッカケがあってそのコにときめいて、めでたく抱くところまで行っても、非の打ち所のない女性なんているワケないので、アラが見えたり幻滅・失望だって芽生えてくる。恋のトキメキに翳りが出てくるなんて、もはやそれは恋とは呼べない。どうにも耐えられないことだけど、遅かれ早かれいずれその時はやってくる。相手にしたって同じだろう。
 それならいっそ、みたいにしてこの「いい夢は三度まで」ってルールが生まれたんだと思うが、ホント、マジで何かキッカケがあったのかと問われてもサッパリ思いつかない。

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 ルールであるからして、事前説明はもちろんあり。そりゃ〜、家借りるときの不動産屋の重要契約事項の説明みたいな事務的なものではないけど、会話の中でおれの考え方はキチンと伝えている。

 こう書くと、それって、平たく言えば「おまはんと永く続ける気はないよ」って宣言するのと同じでしょ!?そんな乾いたことゆうてダイジョーブなんでっかぁ?と言われそうだが、しかし、これが不思議と上手く行く。ノープロブレム。むしろ、このスタンスを徹底しだしてからの方がなんだか物事がうまく運ぶようになったし、いわゆる「イイ女」との縁が増えた。どうやら、後ろ髪を引かれようが何しようが、このルールを遵守しておれば、物事が上手く運ぶらしいことが経験的に分かってきた。何だか「鶴の恩返し」とか「雪女」とかの、禁止ルールみたいだなぁ〜(笑)。
 もちろん、予想に反して地雷系の引っ張りそうな女性に当たることもなくはないけど、そんなときは呆れられ、嫌われて、引導渡されるように仕向ければいい。元来アクの強いキャラなので、その方が芸風に近くてカンタンだ。

 そんなこんなで一時は、言葉は悪いが「入れ食い状態」になった。本当に不思議なことだが、人間誰しもそんな時期が人生にあるのかな?といぶかしむくらいだ。このコいいな!って思ってアプローチかけると打率7〜8割くらいで次々イケてしまう。ま、楽しいし、乱れてるし、刹那的っちゃ刹那的な日々なんだが、そこには奇妙に寂寞とした透明感があったのも事実だ。いや、誤解を懼れずに言えば「爽快」と言ってもよいだろう。
 アソビで何が悪いねん!?終わりのあるアソビだからこそ、テンションも上げれるしその一瞬に真剣になれるんやないけ!「ヒート・オブ・ザ・モーメント」やで〜!ってな具合で、この状態はケッコー長く続いたのだった。

 悲しむべきかな。この数年は実践していない。忙しくなった、ってのもあるけど、それは理由にならないだろう。もっと忙しい時期はそれまでにもあったのだから。それでも時間は捻出してた。
 今度の理由は本当に「保身」だ。こんなおれにもいろいろ立場が出てきたこと、有事の際、世の中の風潮が圧倒的に男性(それもオッサン)不利に傾きだしたこと、などが挙げられる。おれが路頭に迷うのは構わないけど、ヨメや子供まで一蓮托生に迷わせるわけにはいかない。

 まことに惜しい気もするが、おれはそれまでの活動を封印し、人生に降って湧いた狂い咲きの季節、十人十色の粘膜と粘液に触れる日々も終わった。いやはや。

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 いい夢は三度まで。
 アソビだからこそ真剣だし、アソビだからこそどこか儚くて涼しく透明だ。

 ホンマだっせ。欲かいたら絵はアッちゅう間に濁っちゃう。ないものねだりのご褒美は、よりイヤな現実だけ。それよっかドンドン新しい絵を描くことに挑んだ方がいいと思うな。

 例外を挙げるとすればそれは、Mパートナーとの付き合いくらいだろう。これだけは時間をかけて作り上げていく完成形のない人工楽園みたいなモンだからねぇ。だからその分、覚悟も必要だな。離婚を許されない結婚みたいなもんだ・・・・・・なーんて、エラそうにゆうなってね。

 恋やら愛を語るヤツぁ〜、昔からモテないもんと相場が決まってんだってさ(笑)。

2006.04.26
----Asylum in Silence----秘湯 露天 混浴から野宿 キャンプ プログレ パンク オルタナ ノイズまで
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