「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
校閲どころか構想も取材も執筆も推敲も無し


いつの間にやらロゴが変わってたんですね〜!

http://dena.com/より

 ちょっと前、「地味にスゴイ!校閲ガール」ってなTVドラマが石原さとみ主演でやってた。最近は何でもかんでもマンガが原作なんだけど、これは近頃にしては珍しく小説が原作だ・・・・・・って、マトモにオリジナルでホン書ける脚本家はおらんのかいっっ!?(笑)

 「校閲」とは平たく言うと文章の意味のアラ探しをする仕事である。同じようなんで「校正」っちゅうのもあって、こちらはどちらかというと文字の差異を見付ける作業であって校閲とは異なるらしい。でもまぁ一般的には「校閲・校正」なんてカンジで一括りにされてる。実際おれもちゃんと調べるまではぶっちゃけ知らなかった。
 ともあれ、単行本になってしまってから誤字脱字・誤植、論理矛盾等があると、正誤表を後から挟み込んだり、シール貼ったり、ヘタすりゃ回収騒ぎになったりして損害は計り知れない。だから原稿やらゲラやらトコトン読み込んで、色んな間違いをツブし込んで行くワケだ。実に責任重大で大変な仕事である。
 ちなみに元祖・温泉大魔王の故・美坂哲男氏は岩波書店で長年に亘って編集と校正を担当されていた。日本エディタースクールの講師もしてたっちゅうから、その筋ではかなりプロだったみたいだ。

 ともあれ出版社にそのような専門部署が設けられてるくらいだから、校閲や校正には恐ろしく人的工数が掛かってる。それほどかように文章なんてモン、そう簡単に一発で正しくキメれるものではないのである。

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 ・・・・・・で、自分の駄文はどうなのか?っちゅうと、これはもぉ言わずもがなで、実にひでぇモンなんですわ。

 タイトル先行型故、お題だけは沢山メモ帳に付けてあるんだけど、プロットなんて気の利いたのは一切ない。だからそっから先の本文はいつでも酔いに任せて勢いで書く。いわば酒の力を借りた人工トランス、お筆先状態である。
 ただそれで文芸に秀でた神が降りて来てくれたことは悲しき哉、全く以てない。ドラッグでイマジネーションの限界は広まらない、結局は自己の限界の中に留まり続ける、って誰の言葉だったか忘れたが、実に至言だと思う。まぁクレのCRC556みたく動きを良くしてくれるのが関の山だ・・・・・・ああ、それも酒ではミシン油程度か(笑)。
 それでもまぁチョーシ良ければ1時間くらいで一気に書き上がる時もある。だけどそんな奇蹟は滅多にない。どぉだろ?平均すれば2〜3時間くらいベチベチベチベチっとキーボード叩きまくっておおよそ1話が出来るが、そこでそのままアップすることはまずない・・・・・・いやカッコ付けるのは止そう、正しくは「とてもできた代物ではない」のである(笑)。
 言うまでもなく読み返すと文意がグチャグチャで、誤字脱字も甚だしいからだ。「読むに堪えない」とは正にこのコトだろう。ホント、ナサケなくなってくる。

 これが原稿用紙と万年筆の時代なら丸めて壁にぶつけるどころか、星一徹ばりに机ごと引っくり返したくなるトコだろうが、今は有難いことにPC上でコピペやカトペなんてワザが楽々と使えてしまう。挿入だって実にカンタンだ。綺麗なおネーチャンにもこれくらい簡単に挿入できたら楽しいだろうな〜、ってな軽口叩きたくなるくらいにスルスルとやれてしまう。削除や置換も然り。
 そんなこんなでゴニョゴニョやってる内に、形も意味もそれなりに(・・・・・・あくまで「それなりに」なレベルだけど、笑)どうにかまとまっていっちょ上がり!となる。かくして夜は更けて行く。

 実は翌日以降、専ら行き帰りの電車とかで素面の状態でさらに読み返すようにしてる。そしたら出るわ出るわ出て来るわ、誤字脱字は元より、熟語の遣い間違いや、文章そのものの破綻・・・・・・やはり何事も酔っ払ってやっちゃダメなのである。
 ・・・・・・で、ここからが大事なんだけど、そうしていろいろ手直ししてもやはり何年も気付かないままの間違いは随所に残ってしまうってコトだ。ホント、校閲や校正って異常にめんどくさくて難しい作業で、文章はそう易々と簡単に完成の域にまでは達してくれない。

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 それでも、ちゃんとそうして一から十まで自分でやることに拘って文章を書くようにはして来た。そりゃぁもちろん音楽なんかと一緒で、知らず知らずのうちに言い回しが好きな作家や最近読んだモノに影響されることはあるかも知れないし、事物の基本的な解説に辞書やウィキ等を下敷きにすることはあっても、丸っぽ他人の文章を持って来ることなんて絶対になかったし、これからも決してないだろう・・・・・・ってエラそうに書いといた尻からたいへん申し訳ないが、駄文に添えてる画像についてはケッコー拾いもあって、せめてもの罪滅ぼしに出典だけは明記するようにしてるんだけど(笑)。

 ・・・・・・それはともかく、何とまぁ、世の中では完全に他人の褌で相撲取るようなビジネスが横行してるっちゅうのだ。ビジネスっちゅうくらいだから、それで利潤を上げる企業があり、多くの人が安いとは申せ収入を得てる。開いた口が塞がらない。

 言うまでもなく「welq問題」と呼ばれるキュレーションサイトやまとめサイトの巧妙で組織化されたパクリ問題のコトである。

 今回、騒ぎが拡大してキュレーションサイトやまとめサイトが軒並み閉鎖や休止に追い込まれたことが報じられて、いわば「知の貧困ビジネス」みたいなシステムのカラクリについて無知なおれはようやっと知ることができたのだけど、ホント、実に狡猾に「ビジネスモデル」とやらを考え付くヤツは居るんだなぁ〜、って少し感心さえしてしまった。

 受け売りだけど、仕組みは概ねこんな感じだ。まずは胴元の運営会社がある。ヤリ玉に上がったのはハデにやってたDeNAだったけど、いろんなIT企業が同じようなコトに手を染めてたから同じ穴の貉だろう。ともあれまずそこがサーバやサイトといったインフラを拵える。プラットフォームとか器、っちゅうやっちゃね。もちろん記事の内容に関連しそうな企業のバナー広告の契約とかも取る。
 んでもって自分が手を汚さぬようにクラウドソーシングってネット仲介業者を間に咬まして、記事の文章を世間一般から募るのである。「かくかくしかじかのテーマで***字の原稿を募集します」ってな具合に。マネーロンダリングならぬインフォーメーションロンダリングですな。
 SEO対策として使うべき単語なんかの散りばめ方まで指示までされてた、っちゅうから芸が細かい。後は、何らかのキーワードで検索した人が記事を読みバナーに誘導される・・・・・・と。まぁ、会社ぐるみでアクセス乞食をやるようなモンだな(笑)。

 最初にまずビックリしたのはその原稿料で、1字1円とかムチャクチャに安い。酷いのになると1000字で500円とかもあるらしい。こんなんマトモにイチから取材してマジメに書きおろしてちゃ到底釣り合わない金額であるコトは小学生でも分かる。つまりハナっからネットから剽窃することを大前提にビジネスモデルが組み立てられてたワケだ。端的に言えば企業がドロボーを推奨してるとも言えるだろう。ネットを守るべきIT企業がそんなことしてんだから誠にヒドい話だ。
 なるほどこの10年くらい、若いニーチャン・ネーチャンとかで「ライター」を名乗る人が増えて来てた・・・・・・で、実際に会ってみると知識や文章力どころか、本当に基本的な日本語さえマトモに出来ないアタマの悪い人が多くて不思議に思ってたのだが、要はそぉゆうカラクリがあったっちゅうワケだ。
 さらに驚いたことには、パクリ文章を適宜それらしく違う言葉や言い回しに置き換えてくれるリライトソフトまで存在するらしい(それほど精度は高くないらしいが・・・・・・)。良くも悪くも人間の知恵は無窮だなぁ〜、って、もぉ感心どころかいささか感動さえ覚えてしまったぞ、おらぁ。

 言えることは「世も末だ」ってコトだろう。どこもそれなりの企業なんだから、法務とかリスク管理対策室とか社外取締役なんてーのもあったろうに、全くそれらもスルーしてたってコトは、ゼニ儲けの誘惑の前にはそういった社内自浄機関もただのお飾りに過ぎず、全く機能してなかったんだろうな。幾つもの胡散臭いサイトを大々的に展開してたDeNAなんてもう、ツブれたって構わないんぢゃないかって思う。少なくとも呑気に球団運営してる場合ではない。

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 児戯に等しい内容でも何でも、やっぱし自分で拵えることが何よりも大事なコトだ。エピゴーネンはどこまで行ってもエピゴーネンに過ぎない。ましてや企業が金の力にあかせて模倣どころか剽窃まで推奨しまくった挙句、SEOを優先するあまりデマや流言飛語に近い記事が世の中に溢れるなんてことは断じてあってはならない。それは最早勇み足では済まないことだ。

 ・・・・・・などと鹿爪らしく書き散らしてみたが、個人レベルだと書きトバすのまではまぁ良い、頑張ってやるしやらなあかんコトだけど、その後の細かい仕上げである校閲・校正までは正直しんどいのも事実だ。

 オチはもうお分かりだろう。常々モデルやペット等を随時募集してるのだけど、その中に校閲・校正も加えたいと真剣に思ってる・・・・・・真剣に思えば良いってモンぢゃねぇか、テヘペロ♪(笑)。

2017.02.05

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