「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
TOKAI Electric Guitar " Talbo "

トーカイの名作なのか迷作なのか判断に苦しむ「タルボ」の初期型です。

今を去ること20年前、ビルロレンスのテレキャスが盗難にあって、仕方なくドカチンのバイトしながら、次の楽器どっしよっかなぁ〜、なんて思ってた頃、のことです。
守口の泊まり込んでいた飯場から梅田に出かける途中、東梅田の「KEY」で発見しました。

新品で定価10万円が何と!¥12,800の破格値で音の良さは以前から知ってたため即決!(笑)。

そう、名門ブランド「Tokai」は屋上で防水工事やってる間に倒壊して、投売りされてたのでした。

トーカイ楽器のホームページ

この作り、かなり泣けます
エスカッションを挟んで少し凹んだ特異なペグポストが分かります。

ペグ自体は数年前、ゴトー製の同系のものに交換しました。
ハムバッキングもタルボのロゴ入りのトーカイオリジナルで、どれだけこのギターに東海楽器が気合を入れてたかが良く分かります。

音色的には、枯れたPAFといった感じで、出力よりもバランスを重視したもの、とても上品な歪みかたです。
ソリッドブラスのブリッジ一体型テールピース。

オリジナルのノブはブラス製でしたが、使いにくいのと錆びたことからギブソンの近年のタイプに交換してあります。
ボディの材質が木ではなくアルミ合金の鋳物なのは有名な話ですが、最もユニークなのはネックが恐ろしいことに2点止め、ってことでしょう。たまに増し締めしています。

ストップテールピースなのにスプリングユニットのカバーがあるのは、トレモロ付モデルとボディを共有していたためです。

このカバーもアルミ薄板製で、裏には雀卓のような緑のビロードが貼ってあります。

ボディの周囲には往年のモズライトのようなジャーマンカーブが入っています。

金属ボディ=重い、と思われがちですが意外に軽く、バランスが良いので全然気になりません。
斜めから見ると、ロゴの描かれたツノが一段低く、逆にピックガードの下は一段高くなっていることや、ジャック部分が窪んでいること(このためLプラグは使えない)、また特異なデタッチャブルネックの仕込み方といった、このギター特有のユニークな点が良く分かります。

所有するギターで一番古いものですが、実は主力選手になったことはありません。どうにもネックが薄すぎて、ネック裏で親指を立てることが多い自分に合わないのです。

・・・・・・とはいえ、作りや音質は素晴らしく、大切に取ってある、いわば「永遠の二号さん」状態です。
こうして改めて見ると、やはり「人魂」のようなデザインがどうもなぁ・・・・・・

ともあれこのタルボ、トーカイの社運を賭けて開発されたもので、大々的に広告を打ち、色々なバリエーションが発表されたりもしましたが、いかんせんこのデザインはイケてないわ、ヤッパシ。

・・・・・・結果的に社運を傾けることになってしまいました。



近年、「GLAY」の使用でちょっと盛り返しましたが、それでも東海楽器は業績悪い様子で、倒産しても手放さなかったこの虎の子のタルボの権利も、ついに最近人手に渡してしまったようです。

そんな工場の様子を偶然ネット上で見つけました

http://www.ne.jp/asahi/ajari/jam/toukaigakki.htm

個人的にも大好きなブランドなので、是非とも頑張って欲しいものです。

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