「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
2013 北関東V

紅葉の季節にはまだ早い初秋の頃、朝も早よから栃木は塩谷町の渓谷を上がって行きます。
意外にハードな道です。
上がったり下がったりしながら・・・・・・
谷川に沿ってドンドン奥に入って行きます。
そろそろ源流に達しました。
高原山の中腹に湧く、有名な尚仁沢湧水です。
その湧出量は実に1日65,000t!
あちこちでガバガバ湧いてる感じです。
一帯は豊かな水量に支えられた広葉樹の原生林になっています。
何ぢゃこりゃぁ!?っちゅうフォルムの、蔦の絡みついた木。
意外に大きいです。
朝日の当たる苔が美しい。
幻想的な表情を見せる森の中。
こうして見ると誰もいなさそうですが、実はけっこうカメラマニアが多数。

写り込まないようにするのに苦労しました。
真ん中辺り、水面が盛り上がって湧出しているのがお分かりでしょうか。
清冽な流れは滔々と下って行きます。
スローシャッターにはもう少し暗めの露出が似合うかな?
まぁ、本来の撮影目的のアテが外れたんで、気合いゼロだったりするんですが・・・・・・(笑)。
それにとにかくカメラマンは増える一方。

みんな揃いも揃ってゴツいレンズと三脚担いだ年寄りばかりでした。
紅葉の時期を迎えたら大変なことになりそう。
スッカリ朝の陽射しです。
木の間越しの光が美しい森を下って行きます。
明るい森の中を湧水は何条の流れにもなって流れています。
そういや水の流れもシリーズにしようとしてたんだった!
もちょっと真面目に撮るべきでしたな〜。
いろいろと今後の課題を残しながら、取り敢えずは次の目的地に向かいます。
一気に移動して、イノシシの檻が置かれたここは、藪塚温泉の外れ。
北関東道が出来てこのようなムチャクチャなコース取りも容易になりました。
まず向かうのは、マニアには超有名な石切場の跡。

他と違い、ここは余り後から手が加えられないまま残っていると言われるんですが・・・・・・。
うわお!すんげぇ大迫力!
こんなんが森の中に忽然と現れます。
「まるで古代遺跡の神殿のよう」と喩えられるのもむべなるかな、ですね。
ここから先はしばらくキャプションを省略します。

その迫力をお楽しみ下さい。
・・・・・・って、駄文の方にも書いた通り、ココも実は意外と人多し。

当初の目的の撮影は断念せざるを得ませんでした。
素晴らしいロケーションだっただけにいささか残念です。
仕方なく、藪塚温泉に入ることに。

湯元を名乗るここ「藪塚館」が比較的鄙びた雰囲気に思えたので、入ってみることにします。
お!ナカナカの佇まいぢゃあ〜りまおんせん!
未だ現役のような古いマッサージ器が並んだ横を通って・・・・・・
・・・・・・階段を下ったところに半地下状の浴室はありました。
男女別です。
男湯全景。

浴室の広さの割に湯船が小さいのは如何にも冷鉱泉の沸かし湯の風情がありますね。
舟の形を模していることが分かります。まさに湯船(笑)。

舳先の舫うためのリングまで付いてるのに芸の細かさを感じます。背後のタイル絵のモチーフは古代ローマの戦車・チャリオット、見事に和洋折衷。
この鉄分の沈着は成分なのか、単に水道管のサビなのか不明。
この低い仕切りで男女が隔てられています。

タイルの目地の違いからするに、昔は浴槽付近のみ仕切られてたのかも知れません。
一緒に入っちゃっても良かったんですけどね〜。

でも他のお客さん来たら迷惑でしょうし。
男湯よりも意匠に乏しい印象の女湯全景。
何はともあれ入ることに。

実はけっこう寒いんですよ。
ひじょうに浅い湯船であることが分かりますね。
こちらの湯船は何の形を模してるのか良く分かりません。
異様に広い洗い場。
ちょっとアップで。
広い割りにカランの数は少なかったり、何となくチグハグな印象です。
4〜5人も入れば一杯な感じ。
一眼に替えて以来、ストロボは滅多に使わなくなりました。
こうして見るとホンの僅かに白濁した湯のようです。
そろそろ上がることにしましょう。
マジっすかぁ!?とツッコミ入れたくなる温泉成分書。
午後の陽射しの当たる洗面所にはケロリン洗面器。
こういう古い旅館のタイルの洗面所って好きだなぁ。
結局、私たち以外に入湯客が訪れることはありませんでした。
何となく2タテでコケたのに勢いが削がれて、この日はそのまま東京に戻り、夕方から買物に出掛けました。
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