「シズカナカクレガ」ヘヤフコソ
悪いヤツほどよく眠る・・・・・・ビッグモーター問題


来年からは日本で何番目になるのかなぁ?

 このところ毎日もぉビッグモーター一色なのである。緑一色ぢゃなくて青一色・・・・・・で、兼重って創業者社長がようやっと渋々記者会見に出て来たかと思うと、ナナメ上過ぎるっちゅうか根本的にピントのズレた切り返しでさらに炎上するわ、ついでに街路樹を除草薬コッテリ撒いて枯らしてるわ、LINEがもぉパワハラの極みだわ、創業者一族は渋谷に豪邸建ててそこは緑豊かだわ、会社継いだ息子がどうやら最大のアホだわ・・・・・・と日々新たな燃料が投下されててこれがかなり楽しい。

 別に擁護する訳ではないが、オーナー企業のトップであの会見は「まぁあんなレベルだろう」っておらぁ思ったな。驚くほどにオーナー企業のトップっちゅうのは自閉的で世知に疎く、取り巻きにヨイショされる人生に慣れ切って傲慢、猜疑心のカタマリのクセに妙に理想主義で楽天的っちゅうのがフツーなのだ。特に二代目以降はこの傾向が加速する。その伝で行くと、サラリーマン社長なのに「私だって寝てないんですよ!」っちゅうた雪印の方がヤバかった気がするかも。

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 ・・・・・・で、何故かあまりそこまで大きく報道されてないのが、損保ジャパンがこの会社に対して損害賠償請求訴訟に踏み切った、っちゅうハナシだったりする。どんなオトナの事情があるのかこれをサラーッとスルーしようとするメディアの欺瞞性は、高槻資産家女性殺人事件の犯人・松田凛の実家に凸しないのと同じっちゃ同じだ。
 よく「どの口でそれ言う!?」なんてセリフがあるけど、正にこの訴訟提起が当てはまる。よくもまぁここまでシラ切って被害者ヅラ出来るモンだと感心してしまう。40人近く出向者出してんねんで。転籍ちゃうで。そらまぁそれだけ今後必ず起こるであろう金融庁の立ち入りが怖かったんだろうが・・・・・・恐らく今頃この会社では、夜を徹して大量の書類/データ廃棄が行われてるハズだ。でないと、オネェ言葉の担当官からネチネチねっとりやられるもんね(笑)。

 結論から言っちゃうならば、今回のビッグモーター事件の本質は、「損するのは完全にお客だけ」っちゅう鮮やかなまでに見事なスキームでの天文学的保険金「掛金」詐欺事件であって、ワザとゴルフボールで凹ましたとかサンドペーパーでこすったとかは・・・・・・コトバは悪いがどうでも良い些末な事象だ。そして美味い汁だけ掠ってシレッと逃げ得を決め込もうとしてるのは損保ジャパンだろうってこった。
 一蓮托生、っちゅうよりはビッグモーターは実のところただの三下の走狗・・・・・・所謂「パシリ」に過ぎず、ぶっちゃけ金の卵を産む鶏の養鶏場がいささか大きく、かつ上意下達の統率されまくった軍隊型組織でやりすぎてこれだけの事件に発展した、っちゅうべきなんだろう。

 何でここまで断言しちゃうか?っちゅうと、単純に自動車保険事業っちゅう商売がウマ〜!で旨味あり過ぎだからである。だからこそここまで続々と新規参入が相次いでるのだ。今までの既存各社の保険料が高すぎるから、ってな正義感からでは決してない。チューリッヒ、ソニー、楽天、アクサ、SBI・・・・・・言っちゃなんだがみんなこれって、大阪弁で言うところの「いっちょ噛み」ってヤツに過ぎない。旨味のない所にこんなにワラワラと寄って来るワケがない。
 そもそも保険ってのは不幸や災難に対する人の不安につけ込んだ博打だったのを、絶対に負けない仕組みに変質し、事業化させたのが今の保険会社ってモンである・・・・・・絶対負けない仕組み!?一杯ありますやん。自賠責はあの掛金で物損ゼロで、死んでも3,000万とか、任意だと対物は5万円以下は免責とか家族限定だとか25歳以下ナンチャラとか、みんなもぉ割引だとか保険等級が上がるだの下がるだのに惑わされてるだけっすよ。すべての料金は統計的に有意な数字から冷徹に割り出され、例えば東池袋暴走ジジィの飯塚幸三みたいなんがいっぺんに100人くらいやらかしでもすりゃぁ単年度で赤字になることはあるかも知れないが、長期的に見たら絶対に保険会社は損しないシステムになっちゃってる。

 ・・・・・・ならば、そんなに必死こいてやらんでも良かったんちゃうん?ってご指摘はあるだろう。ところがこうした世界にももちろん熾烈な競争はある。損保ジャパンは大手とはいえ自動車保険業界では三番手に甘んじており、その上の2社は規模的に遥かに大きいから容易には抜けない。オマケに多岐に渡るルーツを持つ一種の寄せ集めなので、決して一枚岩ではない(・・・・・・まぁこれは業界再編の波をくぐってどこも似た状況だけど)。そして営業体制的には昔ながらの保険屋さんだった。みずほのシステムダウン事件と一緒で、きょう日寄せ集めた会社でいっちゃん問題なのは、システム系のインフラをどう統合し、改善を加えて行くかなんだけど、そこにはベラボウなくコストが掛かるし、そのコストの重要性と大変さは案外と顧客に伝わりにくかったりする。だって顧客の大半はバカだから、とにかく自分の保険料が安くなることしか考えてないもんね。
 そんなトコにITを武器にした新参者が我先にと押し寄せて来てる。このままでは上下から挟撃されて存在が霞んでしまう・・・・・・決して安閑とはしてられなくなってたのだ。

 ・・・・・・気持ちは分かる。分かるけど、やったらアカンことはそらやったらアカンわな。

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 ぢゃ、黒幕は損保ジャパンか?っちゅうたら、確証はないけどおらぁさらにその後ろ、ホントの悪がいると思ってる。国土交通省だ。

 実のところ、自賠責保険ってのは保険であるにも関わらず国土交通省の管理下にあったりする。強制加入で大した補償内容でも大した保険料でもない代わりに、広く薄く全員から徴収するっちゅう、無限の鉱脈のようなシステムだ。言うまでもなくこうした広く薄く集める金の周りには様々な利権が生まれ、海千山千の肩書だけでラクしてメシ食おうって了見の連中が群がるものと昔から相場が決まってる。
 ついでに言うと、誰でも参入できる任意保険とは異なり、こっちにはガッチリ参入障壁ってのが存在してたりするのがまた、クサヤの干物を焼いたように香ばしい。恐らくこの自賠責を巡るビッグモーター⇔損保ジャパン⇔国土交通省の利権の流れがいずれいっちゃんのポイントになるだろうとおれは睨んでる。

 この領域に今後どれだけ金融庁が切り込んで行けるのか?或いは国土交通省によるビッグモーターや損保ジャパンの査察がどの程度ガチに行われるのか?何となくチャチャミチャクに胡散霧消して終わりなのか?それとも旧・建設省・国土庁の連中あたりがシャカリキに旧・運輸省組を潰しに掛かるのか?・・・・・・等々を生暖かく見守っておれば、おれの仮説が正しいかどうかも自ずと明らかになるだろう。まぁナカナカの奇観ではあるな。実に面白い。

2023.07.31

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